日本機械学會論文集
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13 巻, 45 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
  • 澁谷 巖
    1948 年 13 巻 45 号 p. 1-21
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    過渡的に負荷を受ける構造物の應力および歪を彈性理論の適用範圍内において理論的研究を行つたものである.結合部のガタ・走行車輛・熱應力・應力分散・軌條・連續梁の振動應力問題などがこの諭文で取り扱われた主要なる研究題目である.このように過渡現象と考えられる代表的現象の解析を中心に主として演算子法を導入してこの方面の研究に新しい分野を展開しようと試みたのである.從來過渡現象に關する研究は若干行われて來たがそれらはいずれも個々の問題を對象として行われたものであるからこの論文ではそれらの方法とは別に現象そのものを上述の如く分類し,それぞれに對して解析の方針を與え,また例を求めてそれを解き,解析の方針の明確化とそれに屬する問題の究明に一つの手段を與えたいと考えてそれに便なる如く論文の形式を整理し,こゝに發表する次第である.したがつて論文はかなり長大であるが,一つ一つの章がおのおのが獨立の形式に書いてあるため問題に應じていずれの章を讀まれても結構である.なお近似解報以下は續報として分割し同時に發表する.
  • 澁谷 巖
    1948 年 13 巻 45 号 p. 21-40
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    第1報で述べた事柄の中近似的解法,衝撃力と應力分散以下の理論的研究をこゝで述べる.その内容については既に述べた如く各章獨立であつて,第1報と經續して書いたものではあるが,本文のみでも内容は明らかである.その目的,理論の發展については第1報の緒論を讀まれたい.
  • 澁谷 巖
    1948 年 13 巻 45 号 p. 41-62
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    薄肉殻の問題は應用が甚だ廣い.この場合の應力計算には剪斷應力が最も重要な役割を果すものである.構造力學における剪斷流理論はこの意味を特に強調したものである.この意味より新しく剪斷應力凾數と名ずける凾數を定義して,これを中心に他の諸應力とまた諸歪成分との關係を求め例をあげてその解法を示し,本凾數の性格について考察したのである.内容は四つに分かれていて薄肉殻の一般理論・熱應力・法線變位と剪斷力凾數および時間とその關係について論じてある.曲線座標α,βを使用し殻の形に制限を與えて逐次方程式を簡單にして實用的な公式に直したのである.各章はおのおの獨立の形でまとめてあるが,いずれも一連の關連を有している.またおのおの獨立の主題を有していて別個の論文と考えてもよろしいであろう.
  • 長元 龜久男
    1948 年 13 巻 45 号 p. 62-69
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    任意な斷面をもち,しかも任意荷重をうける門型架構について著者がこれまで本學會誌に述べた方法を綜合應用して,解折的および圖式的に解いたものである.
  • 椹木 義一
    1948 年 13 巻 45 号 p. 70-80
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    直線型振動方程式によつて表わされる振動問題は古くより研究せられ,その理論は極めて明瞭となつている.しかし工學上において,われわれは直線型の振動の理論では究明することのできない諸種の現象に遭遇することがある.この場合その現象を振動系の非線型特性によるものと推定することができても,目下のところでは非線型振動の理論の究明は幼稚であつて,正確なる解析を行うことは不可能な状態にある.著者はこゝ數年間にわたり振動計測の實驗ならびに振動計の振動計の試作と檢定に関する二三の實驗を行ううち,その非線型特性によるものと想像しうる幾多の問題に遭遇した.ここにおいて非線型特牲を有する振動系に對し系統的なる理論的ならびに實驗的研究を志した.本論文はその第一着手として極めて簡單なる振動系に對する極く一部の問題に對して計算を行つた結果を纒めたものであつて今後の計算の續行はもちろん,これらの計算結果の檢討には嚴密なる實驗をもつて臨む方針である.
  • 吉澤 武男
    1948 年 13 巻 45 号 p. 81-89
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    市販のビッカース硬試驗機と別に新につくつたてこ型試驗機とを用い,荷重とビッカース硬度測定値との關係を再確認し,かつ市販のビッカース硬試驗機に改造を施すことなくそのまゝ使用することによつて正しい硬度測定値の得られる測定法を見出した.
  • 吉澤 武男
    1948 年 13 巻 45 号 p. 89-104
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    アイゾットならびにシャルピー衝撃試驗機について製作上ならびに檢定上留意すべき二三の事項すなわち衝撃鎚の運動を妨げる各種低抗,衝撃値または振上り角の目盛を有する指示装置の改良,衝撃撃鎚の撃心の位置の矯正に關する計算ならびに實測結果を述べる.
  • 西原 利夫, 吉田 益啓
    1948 年 13 巻 45 号 p. 105-110
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    正方形平面板が一樣な分布荷重を受ける場合の撓みの近似値を階差法を用いて求めた.この方法により未だ解かれていない場合,すなわち三邊固定で一邊支持,二邊固定で二邊支持および一邊固定で三邊支持の3者の場合の撓みの近似値を得ることができた.
  • 西原 利夫, 河木 實
    1948 年 13 巻 45 号 p. 111-118
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    球軸受の負荷能力等を理論的に取扱う場合,ヘルツの彈性體の接觸に對する理論式が普通用いられている.この理論式は材料の彈性限度内においてのみ適用し得るものであり,また接觸面がその部分の曲率半徑に比べて極めて小さいという條件の下に成立するものである.しかるに球軸受においてはこれらの條件は成立しない.したがつてヘルツ式を球軸受の負荷理論に用いる場合には嚴密にはこれを修正する必要がある.本論文においてはその修正方法を求め,併せてかゝる修正を施すことにより球軸受の負荷理論におよぼす影響を明らかにした.なお球軸受において遊隙のある場合につき、その遊隙による負荷能力におよぼす影響をも求めた.最後に轉がり軸受における遊隙の増加を減少せしめる製作方法を提案した.
  • 西原 利夫, 平 修二, 岩田 直人
    1948 年 13 巻 45 号 p. 119-124
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    X線應力測定に關する現在までの研究によつて,降伏點以下では鑄鐵,鋼,輕合金において機械的應力値とX線應力測定値とは極めてよく一致することが確かめられている.一旦降伏點を越して應力を受けた試片においては單にX線的應力測定法の見地からのみならず,いろいろの方面から疑問の點が多々存在する.よつてX線的應力測定法を用いて塑性域にまで引張應力を受けた軟鋼試片の表面應力を測定せるところ,X線應力測定値は必ず機械的應力値より低く出ることが判明した.この原因は,塑性變形を受けたために斷面に一樣ならざる應力分布の状態が發生したためであると考え,引張塑性變形せる試片を表面から徐々に腐蝕することにより,試片内部にわたつてX線應力測完法により殘留應力の分布を測定せるところ,果して表面に壓縮,内部に引張の殘留應力の状態が發生していることが判明した.なお軟鋼壓縮試片においても同じ現象の生ずることも判明した.
  • 高橋 利衞
    1948 年 13 巻 45 号 p. 125-132
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    普通にEulerの長柱挫屈理論で用いられる2階の微分方程式: EId2y:dx2+Py = 0は長柱に對して一般に期待される4箇の境界條件の中,既に二つを滿足しているものであつて,したがつてその解は一般性を缺除し複雜な境界條件下にある長柱に對しては適用することができず,そのような場合には状況に應じて一々微分方程式を建て直さなくてはならない.本論文においては典げ剛性および軸壓が長手方向に漸變する長柱において境界條件に拘束されない基礎微分方程式: [numerical formula]の一般解を求め,數種の境界條件を與えておのおのの場合の一般的な挫屈限界値決定式を與えている.なお例題として曲げ剛性および軸壓が羃函數的ならびに指數函數的に漸變する長柱の挫屈を本論文の方法で取扱い從來知られている結果と一致することを確かめた.また附録として兩端を固定された一樣斷面の長柱の挫屈につき從來教科書に記載されている解法の不備なる點を指摘した.
  • 横堀 武夫
    1948 年 13 巻 45 号 p. 133-148
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    内燃機關シリンダ,ピストンおよびピストンリングの潤滑に關する重要なる問題を筆者はつぎの如く分類した.(1)ピストンリングからのガスの漏洩殊に高速囘轉における吹抜け(Blow-by)の現象(2)潤滑油消費量(Oil Consumption)の問題(3)ピストンおよびピストンリングによる摩擦(Piston and Piston Ring Friction)(4)シリンダおよびリングの魔耗(Cylinder Bore, Piston Ring Wear)(5)Piston Ring Scuffing, Scoring または Seisure(6)Piston Ring Stickingもちろんこの分類は筆者が便宜上行つたものであり,以上の諸現象は相互に關連を有するものであることは後述する.(1)のBlow-byの現象は機關囘轉數が高速になつてある限界を超えた場合にガスの漏洩量が急激に増大するという現象であつて,この場合通常滑沸消費量は増大し,出力は著しく低下し,ときにはリングは切損することがある.なおこの現象はシリンダ,リングの磨耗を促進する,從來この現象の原因機構は判明せず漠然とリングのFlatterringと呼ばれて來たものである.(2)Blow-Byとは別に滑油消費量が機關囘轉數と共に急に増大する特性があり,この現象の基をなすピストンリングからの滑油の流れ機構に關しては(1)と同樣基礎理論は皆無と云つてよい.(3)の摩擦の特性殊に一般に往復軸受の特性に關しては信頼すべき基礎理論は未だ無い.(4)(5)(6)に關しては實驗結果は數多いが,その機構に關する定説は得られていないようである.
  • 横堀 武夫
    1948 年 13 巻 45 号 p. 149-163
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    ピストンリングのその溝内における運動は前述の潤滑の諸問題において第一義的支配要素であるが,これに關する實驗はもとより文献資料等皆無である.筆者はピストンリングが運轉中その溝内においていかなる運動をしているかを電氣的方法を用いて種々の條件の下において測定記録し,それに理論的考察を行つて内燃機關におけるピストンリングの溝内の運動に關する一般的結論を得た.
  • 菅原 菅雄, 佐藤 俊
    1948 年 13 巻 45 号 p. 164-186
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    接觸觸媒反應の反應爐等における傅熱問題を解決せんがために各種の觸媒・鋼球・ガラス球等を充填した充填管について實驗を行い;充填層の相當熱傅導率λならびに充填管内壁における熱傅達率αを求め,充填層の温度分布を知つた.なお觸媒は5種のものを用いて,そのλならびにαはそれぞれ式(20)ならびに式(28)の如き結果を得たが,これらはその大きさ・形状・材質等を異にしておつて,組織的にそれぞれの影饗を確かめ得なかつたので,續いて7種の直徑を異にする鋼球を用いて實驗を行い,それぞれ式(21)および(23)式の關係式を得,大きさの影響を確かめることができた.これらλとαとは互に相關連した傾向を與えており,熱空氣の流量,その充填管入口における温度と共に増し,充填物の大きさの増すと共に減ずる.なお鋼球充填の場合については,この兩者を綜合して一つの關係式に纒め式(40)を得た.ただし,これまでの實驗は充填管内における反應熱については,考慮せずに行われたもので,現に反應熱を伴なう場合について研究中である.
  • 菅原 菅雄, 佐藤 俊, 内山 晴美
    1948 年 13 巻 45 号 p. 186-197
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    蒸汽タービンの囘轉羽根においては各種の損失があるために,その流出速度は,損失が無いと考えたえたときの理論流出速度に比して小となる.この兩者の比が速度係數であるが,これをもつて羽根内における損失の多少を知ることができるわけである.本研究においては,蒸汽の代りに空氣を用い靜止状態に置かれた,實物に數倍する模型羽根を用いて實驗を行い,羽根ピッチが速度係數におよぼす影響を求めた.使用した羽根は削出型のもので,いずれも入口角および出口角の等しい等角羽根であつて,その羽根角度は20°, 30°, 40°および50°の4種類のものである.實驗の結果最良の速度係數を與える羽根ピッチを與える式として,式(5)を得た,これよりも小なるピッチでは出入口壓力差の増加が,また大なるピッチにおいては風速差の増加が烈しくなり,いずれにしても速度係數は減少する.
  • 菅原 菅雄, 佐藤 俊, 宮川 博
    1948 年 13 巻 45 号 p. 198-205
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    強制流動中における物體表面の傅熱過程を研究するため,第1段階として,平面板に沿つて強制流動が行われる場合について,實驗的にその表面における傅熟現象,特に熱傅達率を流速および位置の函數として求めんとしたものであつて,從來の實驗のほとんどすべてが測定面における交換熱量を定常状態において測定したものであるが,本研究においては不定常状態において,測定面および流體の時間的温度變化を測定して實驗を行い,實驗設備を著しく簡單にせんとしたもので,實驗の結果本研究の場合の如く幾何學的に比較的簡單な形決を有するものに關しては、一應その可能性と信頼性を得たので,續いて本方法による研究を進展して行く考えである.實驗結果より,熱傅達率は明らかに風速ならびに位置の函數であると共に,物體の放熱と受熱の場合にてその値にかなりの相違があり,本研究においては物體の受熱の場合の方が約22%大であつて,熱傅達率を與える實驗式としては,物體の受熱および放熱の場合に對してそれぞれ式(7)および(8)を得た.
  • 宮坂 五一郎
    1948 年 13 巻 45 号 p. 206-217
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
  • 原田 幸夫
    1948 年 13 巻 45 号 p. 217-234
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    多翼送風機は現在非常に廣く用いられており,將來もますますその使用範圍は擴大する傾向にあると考えられるにかゝわらず,その性能および理論が判然とせぬため,設計方針は原始的で,ただ既成品を模造すること多く,他の型の送風機の如く理論的根據から設計することは皆無と云つてもよろしいのではないかと思われる.元來一般の送風機の理論としては,モーメンタン理論によるものと,翼理論によるもの等があるが,多翼送風機の如く翼が前傾きの場合は,モーメンタン理論では滿足な説明がつかず,翼數が多いため從來の翼理論でも十分な解析はできない.これらの點に鑑み筆者はまず渦卷室・翼車・翼の順序でこれらがそれぞれ單獨に送風機の性能におよぼす影響を別々に分けて實驗觀測し,實驗結果をまとめてその特性を調べ,實驗とよく一致する新しい理論を考えた.
  • 田中 義信, 古谷 敦
    1948 年 13 巻 45 号 p. 235-245
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
  • 石田 喜助
    1948 年 13 巻 45 号 p. 246-252
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
    齒車の齒形を數學的に論ずるとき,從來は接觸點軌跡を極方程式の形で扱つていたが,それを直角座標y = f(x)の形で扱い,それより滑り率に關する一般式を求めた.そしてその應用例として滑り率一定の齒形がいわゆるサイクロイド齒形のほかにも存在すること證明し,その齒形の接觸點軌跡を求め,またそう言うラックの齒形を數學的に容易に求める方法について述べた.
  • 堀内 義和
    1948 年 13 巻 45 号 p. 252-272
    発行日: 1948/05/10
    公開日: 2008/03/28
    ジャーナル フリー
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