強制流動中における物體表面の傅熱過程を研究するため,第1段階として,平面板に沿つて強制流動が行われる場合について,實驗的にその表面における傅熟現象,特に熱傅達率を流速および位置の函數として求めんとしたものであつて,從來の實驗のほとんどすべてが測定面における交換熱量を定常状態において測定したものであるが,本研究においては不定常状態において,測定面および流體の時間的温度變化を測定して實驗を行い,實驗設備を著しく簡單にせんとしたもので,實驗の結果本研究の場合の如く幾何學的に比較的簡單な形決を有するものに關しては、一應その可能性と信頼性を得たので,續いて本方法による研究を進展して行く考えである.實驗結果より,熱傅達率は明らかに風速ならびに位置の函數であると共に,物體の放熱と受熱の場合にてその値にかなりの相違があり,本研究においては物體の受熱の場合の方が約22%大であつて,熱傅達率を與える實驗式としては,物體の受熱および放熱の場合に對してそれぞれ式(7)および(8)を得た.
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