70年代の後半をむかえた今日,カリキュラム研究が大きな課題となってきていることは,周知のところである。しかもそのカリキュラム研究の焦点は,個々の教科や教材の検討をこえて,学校におけるカリキュラムをいかに全体的にとらえ構想していくのかというところにおかれている。しかしながら,そのようなカリキュラムの全体的構想は,それをささえる基礎的な研究,とりわけその中でも中心となる教科内容研究の「成果」を十分にふまえてこそ可能になることはいうまでもないだろう。本稿ではこのようなところから,カリキュラム編成におけるその基底部分ともなるべき教科内容研究の,その方法論について検討を加えようとするものである。ただその際,ここでは特に,現在,「学力論をめぐる態度主義批判」として提起されてきている論争的課題を,その検討の素材としながら展開していくこととしたい。
抄録全体を表示