ペストロジー学会誌
Online ISSN : 2432-1532
Print ISSN : 0916-7382
13 巻, 2 号
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原著
  • 倉橋 弘, 三原 實, 板野 一男, 安治 敏樹, 宮崎 清, 横山 佳昭
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 2 号 p. 1-5
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2019/07/11
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    The morphology of the Sphaerocerid fly, Thoracochaeta johnsoni (Spuler), which frequented human dwellings around oyster farms in Mushiake, Okayama Pref., was redescribed for the first time in Japan. The adult fly is halophilous, blackish brown in color and 1.3-1.8mm in length. A mass of adults emerged from oyster shells abandoned near oyster farms and frequently attracted to light in the evening. The larva breeds in moist layer of oyster shells.
  • 小関 俊子, 松谷 修市
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 2 号 p. 6-9
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    防虫ネットを通過して侵入する昆虫を調べるため,ライトトラップに16メッシュ・30メッシュ・40メッシュの3タイプの防虫ネットを取り付けて捕虫を行った結果,以下の知見が得られた.

    1.防虫ネットを取り付けることにより,コントロール区の捕虫数と比較して,16メッシュ区で76.0%,30メッシュ区で94.8%,40メッシュ区で99.1%の捕虫数減少が見られた.

    2.16メッシュ区では最大で体長4mm,幅1.5mmまでの昆虫がネットを通過したが,体長3mm,幅1mm以上の昆虫に関しては90%以上の侵入を阻止した.

    3.30メッシュ区では最大で体長4.3mm,幅1.3mmまでの昆虫がネットを通過したが,体長1mm以上の昆虫に関しては80~90%の侵入を阻止した.

    4.40メッシュ区では最大で体長2.5mm,幅1mmまでの昆虫がネットを通過したが,体長0.5mm以上の昆虫に関しては80~90%以上の侵入を阻止した.

    5.今回捕獲された昆虫の中で,防虫ネットによって鱗翅目・カゲロウ目・チャタテムシ目・半翅目・トビケラ目では阻止効果が高かった.一方40メッシュで双翅目・膜麹目・鞘翅目が捕獲され,アザミウマ目ではコントロールの2.3倍の捕虫率であったことから,微小なサイズの昆虫に対しては,完全に阻止することは難しいと考えられた.

    6.防虫ネットの使用により昆虫侵入の制限は可能であり,メッシュ数が多くなることによって昆虫の侵入率は低くなったが, 40メッシュでも微小なサイズの昆虫は侵入する可能性が考えられるため,使用する場所の防虫レベル(その場所の重要度による昆虫侵入数の許容範囲)を検討する必要がある.

  • 宮崎 真治, 奥田 寿男, 新庄 五朗, 芝 実
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 2 号 p. 10-17
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    1.Vectobac 12ASは野外採取のセスジユスリカ幼虫およびウスイロユスリカ幼虫に対し高い殺虫活性を示した.その半数致死濃度はそれぞれ0.045ppmおよび0.102ppmであり,感受性の種間差も示唆された.また,野外採取セスジユスリカに対するその活性は,感受性の累代飼育セスジユスリカに対する fenthion および temephos の殺虫活性とほぼ同等であった.

    2.都市河川(0.57ppm(AI)/ h)での散布試験では試験水域に発生するグリプトユスリカ,セスジユスリカの発生を下流600m域にわたり抑制し,その効果は1ヶ月以上持続した.

    3.下水処理場 (0.33ppm (AI)/ h)での散布試験では,当該水域で発生するウスイロユスリカ,チョウバエ累の発生を1ヶ月以上抑制し,持続性が見られた.

    4.両野外試験水域に棲息する非標的生物に対する影響は認められなかった.

    以上から,駆除対象となるセスジユスリカ,グリプトユスリカ,ウスイロユスリカに対し, Vectobac 12ASは0.3~0.6ppm/h処理を行うことによって,1ヶ月以上持続性のある駆除効果を発揮するものと判断され,かつ,チョウバエ累に対しても同様に有用な剤であることが明らかとなった.

短報
  • 平尾 素一
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 2 号 p. 18-21
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2019/07/11
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    Pesticides shall be kept at cool environment. The aerosol also shall be kept below 40℃ However, it is not easy to get a large, cool warehouse for urban pest control companies. These pesticides are mainly used in hot summer. The temperature risings are investigated at a large warehouse and a small steel barn, car tranks of white and blue sedan cars, driving seat and trank of blue sedan car, and two waggon type cars.

    Temperature in the large warehouse ranged from 25 to 30℃, but temperature in the small steel barn rose up to 40℃ in summer. Temperature in the parking cars also rose up to 40 to 60℃. Covering pesticides with aluminium-coated adiabator sheet could keep temperature below 40℃ in the covered space under sunshine.

  • 山田 英夫, 神戸 隆, 田中 千賀子, 曽我 浩
    原稿種別: 本文
    1998 年 13 巻 2 号 p. 22-24
    発行日: 1998/09/30
    公開日: 2019/07/11
    ジャーナル フリー

    名古屋市の中心部にある高層ビル(25階建)の避難通路に簡易リボントラップを設置し,飛来昆虫の捕獲数を調査したところ,以下のような結果が得られた.

    1.階層別に捕獲数を比較したところ,展上付近の方が中間階層より捕獲数が多くなる結果が得られた.

    2.ユスリカ科,アブラムシ科のように,地上からの高さの違いで捕獲数に偏りがあるものがあった.また,屋上でユスリカ科,ヌカカ科などの幼虫が生息していることも観察された.

    3.これらのことから,飛来侵入虫の発生源になる屋上付近でも防虫管理が必要であると考えられる.

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