形は、空手の稽古において広く実践される重要な要素であり、東京オリンピックで初めて正式競技種目として採用された。本スコーピングレビューは、競技者および実践者における形の演武中に求められる生理学的要求とエネルギー供給機構の寄与について、これまでに明らかにされている知見を整理・提示するものである。本レビューは、心拍数、血中乳酸濃度、および酸素摂取量に関連する指標に焦点を当てている。
論文はWeb of Science、PubMed、Scopusから検索し、104編の論文のうち、10編が本レビューの対象とみなされた。結果は、形の実践が心肺持久力を向上させうることを示した。心拍数および乳酸値は、形の種類や実施者の熟練度に応じて変動した。乳酸応答は、形を3回繰り返したあとに、安静時よりも有意に増加した。エネルギー供給機構の寄与は形の演武時間に関連しており、競技で実施されるような長時間の形では、酸化系エネルギー供給機構が主要な役割を果たすことが示された。
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