女子サッカーの急速な拡大に伴い、その試合の動力学について理解を深めようとする科学的関心が高まっている。本稿では、女子サッカーの公式試合における身体的要求に関する科学的知見を整理するため、選手のポジション、試合の経過時間、競技の種類、および試合結果などの状況要因を考慮した。その目的は、身体活動のプロフィールについて包括的かつ最新の概要を提供することである。本システマティックレビューに際しては、PubMed、Scopus、SPORTDiscus、Web of Science、ScienceDirect、ERIC、およびSciELOの各電子データベースを検索した。計1,859件の研究が特定され、採用と除外の基準に照らして、28件の論文が採用された。レビューの結果、高速度の閾値において研究間でばらつきが大きく、また、セントラルミッドフィルダーは総移動距離が長く、ウィングは高強度での移動距離が長いことが明らかになった。フォワードはスプリントの回数が多く、身体的努力は試合後半に減少していた。国際試合のほうがより多くの身体的努力を求められ、女子サッカーにおける身体的要求は状況要因の影響を受けていた。効果的なトレーニングプログラムを作成するには、選手のポジションおよび競技の種類に特異的なプロフィールを考慮すべきであり、また正確な結論を導くには、高強度ランニングと加速の閾値を標準化する必要がある。
抄録全体を表示