T細胞リンパ腫の一つである血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 (angioimmunoblasitc T-cell lymphoma: AITL)を研究テーマに、ゲノム異常、病態解析、トランスレーショナルリサーチに取り組んできた。本論文では、AITLに関する著者の研究と関連分野の研究について、総説する。
強相関酸化物は相転移により自らの状態を劇的に変え、巨大かつ急峻な物性値の変化をもたらす魅力的な材料群である。これらの金属酸化物でみられる金属-絶縁体相転移の最小単位は数十から数百nmサイズのナノ電子相であることが分かってきたが、その発生起源解明への実験的なアプローチはほとんどなかった。相関金属酸化物の物性起源であるナノ電子相ドメインの物性を明らかにするためには、単一ナノ電子相を抽出しその特性を評価する必要がある。我々は独自の3次元ナノ構造創製技術を開発することで、金属酸化物の高品質ナノ構造体の造形を実現し、単一ナノ電子相の金属-絶縁体転移特性の計測に成功した。そして、強相関電子系の相転移の本質に迫る、ナノ電子相の一次相転移特性、電子相の転位点分布を実験的に解明を実現してきた。
近年、ナノテクノロジーや新規材料を用いて微細な半導体中で発現する量子力学的および相対論的量子力学的現象を観測・制御することが可能となり、次々とエキゾチックな物理現象が発見されたり新規機能をもつ量子効果素子が実現されたりしている。本総説では、相対論的量子力学があらわれる半導体ナノデバイスの量子輸送現象、とくにシリコンカーバイド上グラフェンの量子ホール状態と量子キャパシタンスの研究、およびIII-V属半導体ナノワイヤを用いたスピン軌道相互作用の外部電界制御の研究について報告する。
私は小学校の5年生の時に日本婦人科学者の会設立に関する新聞記事を目にし、女性研究者を志すようになった。このたびの2020年度日本女性科学者の会功労賞受賞に際して、お茶の水女子大学理学部入学からSJWS会員になるまでの自身の道のりをたどってみた。また第2~5代会長の下での活動の想い出、ならびに私が第6代会長として行った活動の中から印象に残っている事柄を書かせていただく。SJWSの今後の活動の展開にお役に立てれば幸いである。
日本女性科学者の会では2020年9月13日、第13回学術大会として、SJWS奨励賞・功労賞贈呈式、文部科学大臣賞伝達式、および受賞記念講演会を行った。東京工業大学での現地開催と、Zoom機能を使ってweb配信するハイブリッドミーティングとしたため、その準備状況とノウハウなどをまとめる。
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