日本毒性学会学術年会
第46回日本毒性学会学術年会
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ポスターセッション
  • 佐能 正剛, 藤野 智恵里, 田村 優香, 菅原 豪, 吉実 康美, 柳 愛美, 石田 雄二, 立野 知世, 太田 茂, 古武 弥一郎
    セッションID: P-246
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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    【目的】マウス肝臓がヒトの肝細胞に置換されたヒト肝細胞キメラマウスは、薬物性肝障害のヒト予測モデルとしても期待されている。その中で発症頻度が高い胆汁うっ滞型薬物性肝障害に着目し、ヒト肝細胞キメラマウスを用いてその評価を行った。

    【方法】ヒト肝細胞キメラマウス(PXBマウス®, 株式会社フェニックスバイオ)に、検証化合物としてケトコナゾール、リファンピシンをそれぞれ単回経口投与(200mg/kg)し、投与6時間後における血漿、肝臓中の胆汁酸濃度について質量分析装置LC/MS-MSを用いて測定した。また、ヒト肝細胞移植によるキメラマウスの胆汁酸プロファイルに与える影響を調べる目的で、低置換、中置換および高置換ヒト肝細胞キメラマウスにおける胆汁酸濃度を測定した。

    【結果・考察】ケトコナゾール、リファンピシンを投与後、ALPの増加は観察されなかったものの、血漿、肝臓中ともに総胆汁酸濃度は増加した。その中でもタウリン抱合型胆汁酸の増加が有意であった。これは、胆汁排泄トランスポータの阻害を介した初期応答であると考えられた。一方、ヒト肝細胞の置換率が上昇するにつれてその胆汁酸組成は、グリシン抱合体の割合が高くなり、ヒトの胆汁酸組成の特徴に近づいた。しかし、置換率が高くなると胆汁酸濃度は増加する傾向がみられ、この濃度はヒトで報告される濃度よりも高値となった。その原因として、ヒト肝細胞キメラマウスでは胆汁酸生合成の律速酵素CYP7A1の活性が促進されていることが考えられる。ヒト肝細胞キメラマウスを用いた胆汁うっ滞型薬物性肝障害の評価にあたり、このような胆汁酸プロファイルも考慮に入れる必要がある。

  • 鳥塚 尚樹, 佐藤 玄, 中川 文美, 鈴木 咲子, 石井 琢帆, 堀川 真一, 米山 茂樹, 飯野 好美, 佐藤 伸一
    セッションID: P-247
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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    米国FDAによるSENDデータ提出の義務化以降,多くの製薬メーカー及びCROがSENDデータの作成経験を増やしている。FDAへの提出対象となる試験の中には複数場所試験も含まれ,その場合は複数の施設で収集したデータを1つのSENDデータセットに統合する作業が必要となる。しかし,各施設でSEND対応方針や,使用するコンピュータシステム及びその作成データ仕様など,SENDデータの内容に影響する種々の要因が異なり,統合が容易に行えないケースが想定される。したがって,複数の施設で収集したデータのSEND化(SENDデータセットの統合)は,SEND対応の重要な課題のひとつと言える。

    このような状況から,エーザイ株式会社と株式会社イナリサーチでは,病理組織学的検査を別施設(試験場所)で行った場合の複数場所試験を一つのケーススタディとして取り上げ,SENDデータ作成とSENDを意識した病理組織学的検査データの収集方法について詳細な検討を行った。さらに,株式会社サンプラネットで実施したバイオアナリシスデータの統合作業も経験したため,その内容も併せて報告する。

    本発表では,我々の検討において用いたシナリオと,シナリオごとの課題と対応について,実例を交えてまとめ,複数の施設によるSENDデータ作成における協働のあり方について提案したい。

  • 中島 幹夫, 鈴木 睦, 佐藤 玄, 木屋 昭憲, 山本 雅克, 井上 裕基, 小林 圭太, 木ノ本 寿子, 吉池 通晴, 松本 泉美, 長 ...
    セッションID: P-248
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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    FDAは新薬承認申請(NDA)に際して2016年12月以降開始の非臨床安全性試験についてCDISC標準の電子データ(SEND)提出を義務化している。本邦においてはAMED研究班の主導でSENDデータの取り扱い等に関する方針が検討されている。このような背景から、日本製薬工業協会医薬品評価委員会 基礎研究部会「非臨床試験電子データ標準化(SEND)」検討タスクフォースでは、SEND対応状況の調査研究を実施するため、2017年7~8月にかけてSENDに関するアンケートを実施し、その集計結果を昨年の本学会で発表した(演題番号:P-91、2018年7月19日)。その後、FDAは新薬治験許可申請(IND)についても2017年12月以降開始の試験を含めて完全義務化したことを受けて、日本における各製薬企業における進捗状況を把握するため、2019年1月9日から2月4日にかけて再度アンケートを実施した。部会に加盟する59社に調査票を送付し、53社(うち内資系企業43社、外資系企業10社)から回答を得た。本発表では、本邦におけるSEND対応状況の進捗について前回の調査との比較を含めた製薬協独自の研究結果を紹介し、製薬業界における今後の課題と展望について議論を深めたい。

  • 本山 径子, 鈴木 睦, 佐藤 玄, 吉池 通晴, 中島 幹夫, 山本 雅克, 井上 裕基, 小林 圭太, 木屋 昭憲, 木ノ本 寿子, 松 ...
    セッションID: P-249
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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    【はじめに】申請目的で作成したSENDデータを蓄積して創薬に活かすには,自社のみの対応では試験数的にも出来ることに限界がある。一方で,規制当局では確実にSENDデータが蓄積されるため,将来,規制当局とメーカーとが,蓄積したデータ解析に基づき同じ土俵で議論を行い,かつ双方の立場で新薬創出に向けた効果的な蓄積データの利活用を行うには,メーカー側でも社外コンソーシアム等を通じてSENDデータの蓄積(社外共有)を考える必要がある。

    今回,日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会「非臨床試験 電子データ標準化(SEND)」検討タスクフォースとして,SENDデータを社外と共有する際,データの有用性(粒度)をあまり下げずに,プライバシー保護を行うにはどうしたらよいか,非臨床の立場から議論して見解を示す。

    【方法】PMDAの「医療用医薬品 情報検索」に掲載される情報(CTDモジュール2.6.6/2.6.7)での「黒塗り」と同等となるように,PMDAからの通知「新医薬品の承認審査に係る情報の公表に関する取扱いについて」及びその一部改正に基づき,対象とすべきSENDデータのドメイン及び変数を特定した。そして,特定されたドメインの変数について,臨床で実際に行われている匿名化/非特定化の方法を参照して,非臨床データの非特定化を試みた。

    【結果】TF参加企業を対象にして,前述のPMDAからの通知に従って,各企業でCTDモジュール2.6.6/2.6.7の黒塗りしている項目を調査した。本ポスター発表では、その項目とともに,対応するSENDデータ中のドメイン及び変数を示す。さらに,データの有用性(粒度)を下げずに,プライバシー保護を行うための具体的な非特定化の方法を提案する。

  • 保田 昂之, 金子 吉史, 榊原 雄太, 佐藤 耕一, 高見 清佳, 浜田 淳, 益崎 泰宏, 宮下 泰志, 宮田 静香, 山下 晃人
    セッションID: P-250
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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     米国における新薬開発申請時の一部の安全性試験データについては、CDISC標準であるSENDに準拠した電子データの提出が義務化された。FDAへの電子データ提出は、試験の計画情報や結果を入力したデータセットだけではなく、そのデータセットの定義情報をCDISC標準のDefine-XML Specification v2.0(Define-XML 2.0)に従い、Extensible Markup Language(XML)ファイル(define.xml)で提出する必要がある。define.xmlは、規制当局がSENDデータセットを用いた審査を行う場合や、外部の施設にて作成したSENDデータセットを確認する際に、データ定義(各変数に格納された値や値の導出方法等)を容易に参照可能とする重要な資料である。

     define.xmlはXMLというコンピュータ言語を用い作成される。作成には専用ツールを利用可能であるが、コンピュータ言語に精通した人材が不足している非臨床領域では作成のハードルが高い。また、Define-XML 2.0は臨床CDISCデータセットのdefine.xml作成を念頭に記載されているため、SENDデータセットの要求事項に合致しないルールがあり、SENDデータセットのdefine.xml作成には非臨床領域特有のナレッジも必要となる。

     そこでCJUG SENDチームでは、所属メンバーのナレッジ蓄積を一義的な目的に、作成のハードルが低いMS-EXCEL形式でdefine.xml(Excel define)の例を作成し、Excel define作成時の検討事項とその結論を留意事項にしてまとめた。本発表では、Excel defineとdefine.xml作成時の留意事項について紹介する。また、SENDデータセット作成を受託企業に委託する際、委受託者間のSENDデータセットの仕様すり合わせにdefine.xmlが利用可能と考え検討を進めている。本内容も併せて紹介したい。

  • 高見 清佳, 秋葉 晃次, 魚田 孝志, 金子 吉史, 北原 輝和, 佐藤 玄, 佐藤 耕一, 浜田 淳, 藤村 義則, 守田 淳哉, 保田 ...
    セッションID: P-251
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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    米国における新薬開発申請時の一部の安全性試験データについては、CDISC標準であるSENDに準拠した電子データの提出が義務化された。SENDデータの作成には、FDA発出文書(Study Data Technical Conformance Guide、Business Rules、Validator Rules等)及びこれらに引用されるCDISC発出文書(SEND Implementation Guide(SENDIG),統制用語等)を順守した品質確保が求められる。

    しかし、順守すべきルールは、先述した多数の文書に、多様な形式(ルール、データ定義、文章等)にて記述されている。また、品質確保の手段として標準的に使用されているバリデータは、全てのルールをチェックできるわけではない(使用範囲外の文字コードの利用は検出しない等)。このため、ルールの全体把握やそれらに基づくチェックは難しく、各SEND担当者の知識及び技術のレベルに依存する課題である。

    そこでCJUG SENDチームでは、SENDIG v3.0に従いSENDデータを作成する際に順守すべきルールを関連文書より網羅的に洗い出し、担当者のレベルに依存しないチェック項目一覧として集約した。チェック項目には、SENDデータと最終報告書との整合性や試験横断的なSENDデータの二次利用を念頭に置いたチェック項目も加え、3000以上のチェック項目を設定した。本発表では、チェック項目一覧の内容と、その利用方法について紹介する。

    さらに、新たに対応が必要となったSENDIG v3.1(NDA/BLA申請は2019年3月15日以降,IND申請は2020年3月15以降に開始された試験が対象)の内容を含むチェック項目一覧や、チェック項目一覧に従ったチェックをプログラムにて実施するツールの作成も進めている。その活動成果の一部も紹介する。

  • 堀 浩一郎
    セッションID: P-252
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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     FDAへのIND及びNDAにおけるSENDデータ提出の義務化は,2017年12月17日以降に開始された単回投与毒性試験及び反復投与毒性試験に適用されている。そのため,SENDデータの作成は全ての製薬企業に課された義務となった。その対応のための労力は企業にとって一定の負担となるものの,SENDデータは統一されたフォーマットでかつ特定の毒性試験システムに依存しないデータ仕様となることから,その利活用を志向した場合に極めて利便性が高いデータセットであると考えられる。

     そこでJTでは,データ視覚化の汎用プラットフォームであるTIBCO Spotfire®でSENDデータを可視化するためのツール,「Spotfire SEND Viewer」(SSV)を自社開発した。SSVはDM(Demograph)ドメインに格納された動物の個体情報と,検査/測定ごとに作成された各ドメインに格納された個別データを紐づけ,ユーザーの希望する形式でのグラフを柔軟に作成できる仕様となっている。このような毒性試験データの動的な視覚化は,表形式の帳票に依存することなくデータ評価を行うことに大きく貢献するものである。また,SENDデータは規定されたフォーマットであることから,SSVはSENDデータを扱う全ての企業(試験実施施設)において高度に有効活用できるツールになる可能性を秘めている。

     SSVの機能追加やさらなる利活用を多数の企業とともに広く進めるため,SENDデータの可視化とその有効利用を目的としたコミュニティの設立に向け活動を開始した。本発表ではSSVの機能や各ドメインデータの可視化例を紹介し,SSVの有用性及び汎用性を示すとともに,「SEND可視化コミュニティ」(The Community for Non-clinical Data Utilization and Visualization; 略称CNUV)活動の現状と今後の活動方針を紹介したい。

  • 重山 智一, 北原 輝和, 吉山 忠宏, 大瀧 清, 曽根 秀行, 佐々木 大祐, 磯部 香里, 石丸 照美, 奥村 リョウ, 稲吉 温
    セッションID: P-253
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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     米国におけるNDA、BLA、及びIND等の申請時にFDAに提出する非臨床安全性試験の内、一般毒性試験、がん原性試験、安全性薬理試験(呼吸・循環器)については、SENDデータの提出が既に義務付けられている。最初(2016年12月)のFDAによるSENDデータの提出義務化から2年以上経過したが、SENDに対する要求事項(Technical Rejection Criteria、Study Data Technical Conformance Guide、Business/Validator Ruleなど)は継続的に改定されている。さらに、現在提出が義務化されている試験種以外の生殖発生毒性試験、皮膚/眼刺激毒性試験、遺伝毒性試験なども順次義務化される予定が組まれており、今後もSENDの要求事項が継続的に変更されることが見込まれる。

     FDAがSENDを用いて審査した際に不備が生じると、申請に時間を要するため、新薬を迅速に患者に提供するという目的が達成できない。また、生データもしくは最終報告書とSENDデータとの間に、偶発的または故意による明らかな相違が発覚すると、申請データだけではなく当該試験の信頼性にも影響を及ぼすリスクがある。

     GLP下で作成される資料(生データ、最終報告書など)については「医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令」やOECD GLP原則に基づき、運営管理者および試験責任者による適切な管理および信頼性保証部門による調査を実施することなどにより、信頼性が保証されている。

     一方、SENDデータはGLPの要求事項ではないが、信頼性の確保は必要であり、そのQC手法及び試験責任者や信頼性保証部門などの関与について検討が必要だと考えられる。そこで、日本QA研究会では、SENDデータ作成の流れを分析し、信頼性確保におけるリスクの洗い出しを行い、SENDデータ作成にあたっての留意点及び対応策について国際的な品質規格であるISO9001を元に提案する。

  • Imola Eszter JUHÁSZ, Joseph ZOLNERCIKS, Beáta TÓTH, Viktoria VELKY, Zo ...
    セッションID: P-254
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/10
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    Background information: Bile acids and bile salts (BAs/BSs) contribute in several physiological processes, although high concentration of BAs/BSs intracellularly or in the circulation can lead to cytotoxicity. Assaying the effect of drug candidates with high hepatic clearance on the transport of BAs/BSs is therefore an issue of critical importance. The most commonly used probe substrate in in vitro test systems is taurocholate (TC), although the concentration of taurine-conjugated BSs in human is ~3-fold lower than that of glycine-conjugated species. Hypothesis: Using glycochenodeoxycholate (GCDC), one of the most relevant conjugated BS in human, as probe substrate in in vitro test systems might provide better prediction on the effect on enterohepatic circulation of BSs. Methods: HEK293 cells transduced with OATP1B1 and OATP1B3, as well as NTCP expressing CHO and HEK293 cells were used for proof of concept experiments with radiolabeled TC and unlabeled GCDC, sulfated GCDC and chenodeoxycholate-sulfate. Results and conclusion: All BSs were transported by OATP1B1 and 1B3 in a time- and concentration-dependent manner, while only TC and GCDC were identified as substrates for NTCP. Full transport characterization on OATP1B1, 1B3 and NTCP were conducted with tritiated TC and GCDC as probe substrates. Inhibitory effect of known substrates and inhibitors (atorvastatin, CCK8, diclofenac, pravastatin, telmisartan and troglitazone) on both probes was also tested. Based on the obtained data, the authors suggest replacing TC with GCDC for human in vitro test systems. We have no COI according to this presentation.

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