カスタードプディングの基本的な配合割合に
クリーム
を添加し,嗜好性の高いプディングの配合割合を検討した. 基本材料である鶏卵,牛乳,砂糖に
クリーム
を加えてプディングを調製し,乳脂肱植物性脂肪の
クリーム
がプディングの物性,食味に与える影響を調べようとした. その結果,次のことが明らかになった. 1.プディングは,牛乳の一部を乳脂肪
クリーム
で代替することにより,破断荷重値が有意に低くなり,官能検査においても,基本と比べ,軟らかく,甘く,総合的においしいと評価された. 植物性脂肪
クリーム
を加えたプディングは,代替量が増加することにより硬くなる傾向を示した. 鶏卵の一部を
クリーム
で代替したプディングは,白く,やわらかく,甘く,なめらかなプディングとなり,総合的に好まれた. 2物性試験において,牛乳の一部を乳脂肪で代替すると破断荷重値が低下し,
クリーム
の割合が高くなるにつれ,さらに低下した. 一方,植物性脂肪
クリーム
で代替すると,少量の代替ではやや低下したが,代替割合を高くすると逆に破断荷重値が高くなった. クリープメータによる荷重曲線から,プディングの物性が材料配合の割合で異なり,水分よりも
クリーム
の種類,牛乳及び鶏卵の割合が影響することが示された. すなわち,牛乳の一部を植物性脂肪
クリーム
で代替したプディングは,基本プディングとほぼ同様の荷重曲線を示した. しかし,乳脂肪
クリーム
代替では,荷重曲線にみられたピークが低く,乳脂肪
クリームと植物性脂肪クリーム
では,プディングの物性に対する影響が異なった. また,鶏卵の一部を
クリーム
で代替したプディングは,非常にゆるやかな,破断荷重値が低い曲線となり,乳脂肪
クリームと植物性脂肪クリーム
との違いはほとんどみられなかった. 3.プディングの組織を顕微鏡で観察すると,加えた
クリーム
の種類により脂肪球の大きさが異なっていた. 乳脂肪
クリーム
では,脂肪球が大きくこれがたんぱく質の結合を阻害していると考えられた. 植物性脂肪
クリーム
では,均一な細かい脂肪球が全体に分散していた. 小さな脂肪球の多粒子が集まって凝集を起こし固化するために硬くなるものと推察した.
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