野菜中のCaの利用性を知るために, Caの生体への吸収利用に密接に関与する
シュウ酸
を細管式等速電気泳動法により定量を試みた。また, 市販野菜13種類中の
シュウ酸
とCa量を測定した。
1) IPには島津製のIP-1B, 検出器にPGD-1を使用した。泳動条件は, リーディング液にその各pHにおける
シュウ酸
を含む8種有機酸のPU値から0.01N HCl-β-alanine (pH4.0), ターミナル液に0.01N n-capro-ic acid (pH 3.4), 泳動電流150μA (8分) →50μAとした。
2) 上記1) の泳動条件での
シュウ酸
の定量性については, 20nmol/μl以下でもY=0.988X+0.249の直線性が得られた。 また, この泳動条件で
シュウ酸
, オキザロ酢酸, α-ケトグルタル酸, クエン酸, コハク酸の分離が可能であった。
3) 野菜の
シュウ酸
抽出液中のIPによる
シュウ酸
の分離ゾーンは, oxalate decarboxylaseを作用させると消失することから,
シュウ酸
の単一ゾーンであることを確認した。
4) 分析した13種類の野菜中の
シュウ酸
量は, 100gあたり, ホウレン草, 1,339mg, ショウガ239mg, パセリで177mgなどであった。 またCa含量は, 100gあたり, ヨモギ307mg, クレソン256mg, フキ (葉) 243mg, ホウレン草150mgなどであった。
5) ホウレン草の 「ゆで」 時間と沸騰水量は, ホウレン草重量の5~10倍量で2~3分間 「ゆで」 ることによって, 遊離型
シュウ酸
のほぼ全量を除去でき, また生体に最も吸収されやすいと考えられる遊離型Caの損失も少なかった。
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