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クエリ検索: "ムース" 食品
1,380件中 1-20の結果を表示しています
  • 宮下 朋子, 松田 唯菜, 原田 和樹, 長尾 慶子
    日本調理科学会誌
    2014年 47 巻 2 号 84-89
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/06/06
    ジャーナル フリー
    本研究では,魚肉を主材料にして気泡を分散させた嚥下困難者用の軟らかい
    ムース状の食品
    ,すなわち,“
    ムース
    製品”を創成し,その健康増進機能性と嗜好性について検討した。スケトウダラが原料の“
    ムース
    製品”のテクスチャーは,「硬さ」18.59 kPa,「付着性」1.35 kJ/m3,「凝集性」0.60であり,嚥下困難者用
    食品
    の許可基準IIIに該当した。「5段階評点法」による官能評価では,「弾力」と「におい」以外は自らの評価基準(0)よりも高い評価をしていた。スケトウダラの“
    ムース
    製品”のORAC値は,583 μmol TE/100 gとなり,高い抗酸化能を有することが判明した。これらの結果により,“タラ
    ムース
    製品”は,健康増進機能性と嗜好性を高めた,嚥下困難者用
    食品
    になる可能性が示唆された。
  • 下坂 智恵, 高橋 ユリア, 下村 道子
    日本家政学会誌
    1989年 40 巻 9 号 815-819
    発行日: 1989/09/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    嗜好性の高い魚肉
    ムース
    を作るには, 材料である魚肉, クリーム, 卵白の割合をどのようにしたらよいか, また
    ムース
    のかたさに各材料はどのように影響するのか知るために実験を行った.
    魚肉を100, 80,609, クリームを150,100,509, 卵白を60, 40,209の各3段階にし, これらを組.み合わせて27種類の
    ムース
    を調製した.
    ムース
    のおいしさとかたさを官能検査により判定した.おいしいとされた
    ムース
    は, かたさが中くらいか, ややかたいものであった.かたすぎるもの, やわらかすぎるものは好まれなかった.
    かたさの測定をテクスチュロメーターにより行ったところ, 魚肉の多いものがかたさはかたくなり, クリームの多いものはやわらかかった.卵白の影響は少なかった.かたさと魚肉, クリーム, 卵白の割合の問の相関係数はそれぞれ0.87, -0.83, 0.21で, かたさは, 魚肉と高い正の相関が, クリームと高い負の相関がみられ, 魚肉の増加は
    ムース
    のかたさを増し, クリームの増加はかたさを減少させた.
  • 畦西 克己, 阪井 丘芳, 吉村 美紀, 北元 憲利
    日本食生活学会誌
    2016年 26 巻 4 号 189-196
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/27
    ジャーナル フリー
     本研究では市販ゲル化剤(ここではA,B,Cとする)を用いたが,Aは主成分がネイティブ型ジェランガム,BとCは同ゲル化剤でキサンタンガム製剤であると推測される。AとCはBの2倍である同濃度で,溶解温度を一定とし,里芋,ほうれん草,鮭ゼリーを作製した。医療現場において味噌汁などの食事の提供温度が65℃であることを考慮し,作製した
    食品
    ゼリーに及ぼす市販ゲル化剤の種類と濃度,加温温度の影響についてテクスチャー特性と官能評価の関連性から検討した。 物性特性において,20℃および65℃ゼリーを比較すると,加温により物性特性の硬さはすべての
    食品
    ゼリーにおいて低下を示し,いずれの
    食品
    もBゼリーの付着性は低下し,凝集性は増加した。硬さ,凝集性,付着性においてAゼリーはBおよびCゼリーよりも温度変化の影響が小さく,適度な硬さを示し,安定した凝集性であり,付着性が小さいことが認められた。官能評価において,AゼリーはBおよびCゼリーより,すべての官能評価項目において良好な評価が認められ,AゼリーはBおよびCゼリーより軟らか過ぎず,口中の残留感が少ないという評価となった。65℃の加温状態でのゼリー食を提供するには安定した物性特性および官能評価値が高いことが認められたAゼリーが有効であることが示唆された。
  • 三輪 里子, 飯田 文子, 松田 由美子
    日本調理科学会誌
    1998年 31 巻 2 号 123-129
    発行日: 1998/05/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    In order to utilize surimi for western-style dishes, mousses were prepared by using four kinds of fish and shellfish meats as surimi, i. e., chum salmon, white croaker, common horse mackerel and scallop. Rupture and texture measurements and sensory test were conducted to examine the suitability of 4kinds of fish and shellfish meats for mousses.
    The following results were obtained.
    1) The mousse from common horse mackerel showed the highest values in rupture strain and stress, while those of scallop the lowest. The intermediate values were obtained for chum salmon and white croaker mousses. Hardness values in texture properties for three kinds of mousses except scallop were similar.
    2) In sensory test, the mousse of common horse mackerel was evaluated to be harder than other mousses and not preferred in both color and flavor. The scallop mousse was the softest and smoothest and better in color. Chum salmon and white croaker mousses resulted in desirably moderate hardness and elasticity, especially the former was more preferred in both color and flavor. The scores for the attribute 'overall acceptance' were higher in order of chum salmon, white croaker and scallop mousses. The mousse of common horse mackerel was not significantly preferred.
    From the above results, it was clarified that churn salmon, white croaker and scallop were suitable for preparing mousses.
  • 高橋 智子
    日本調理科学会誌
    2002年 35 巻 3 号 310-316
    発行日: 2002/08/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 下坂 智恵, 杉山 静代, 熊谷 佳代子, 木下 朋美, 市川 朝子, 下村 道子
    日本調理科学会誌
    2004年 37 巻 4 号 344-351
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    カスタードプディングの基本的な配合割合にクリームを添加し,嗜好性の高いプディングの配合割合を検討した. 基本材料である鶏卵,牛乳,砂糖にクリームを加えてプディングを調製し,乳脂肱植物性脂肪のクリームがプディングの物性,食味に与える影響を調べようとした. その結果,次のことが明らかになった. 1.プディングは,牛乳の一部を乳脂肪クリームで代替することにより,破断荷重値が有意に低くなり,官能検査においても,基本と比べ,軟らかく,甘く,総合的においしいと評価された. 植物性脂肪クリームを加えたプディングは,代替量が増加することにより硬くなる傾向を示した. 鶏卵の一部をクリームで代替したプディングは,白く,やわらかく,甘く,なめらかなプディングとなり,総合的に好まれた. 2物性試験において,牛乳の一部を乳脂肪で代替すると破断荷重値が低下し,クリームの割合が高くなるにつれ,さらに低下した. 一方,植物性脂肪クリームで代替すると,少量の代替ではやや低下したが,代替割合を高くすると逆に破断荷重値が高くなった. クリープメータによる荷重曲線から,プディングの物性が材料配合の割合で異なり,水分よりもクリームの種類,牛乳及び鶏卵の割合が影響することが示された. すなわち,牛乳の一部を植物性脂肪クリームで代替したプディングは,基本プディングとほぼ同様の荷重曲線を示した. しかし,乳脂肪クリーム代替では,荷重曲線にみられたピークが低く,乳脂肪クリームと植物性脂肪クリームでは,プディングの物性に対する影響が異なった. また,鶏卵の一部をクリームで代替したプディングは,非常にゆるやかな,破断荷重値が低い曲線となり,乳脂肪クリームと植物性脂肪クリームとの違いはほとんどみられなかった. 3.プディングの組織を顕微鏡で観察すると,加えたクリームの種類により脂肪球の大きさが異なっていた. 乳脂肪クリームでは,脂肪球が大きくこれがたんぱく質の結合を阻害していると考えられた. 植物性脂肪クリームでは,均一な細かい脂肪球が全体に分散していた. 小さな脂肪球の多粒子が集まって凝集を起こし固化するために硬くなるものと推察した.
  • 菊田 千景, 八木 万希子, 里中 千恵
    日本栄養士会雑誌
    2019年 62 巻 5 号 255-263
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/24
    ジャーナル フリー

    奈良県にある重症心身障害児・者施設では、摂食・嚥下障害者への食事として、常食に近い見た目で提供し、食べる直前にスプーンやフォークの背で押しつぶして食べやすくする「押しつぶし食」を提供している。本研究では、押しつぶしにより嚥下食としての適性が変化するのかを知るために、7種類の食材(白身魚

    ムース
    、エビ
    ムース
    、小松菜、白菜、人参、大根、絹ごし豆腐)を用いた押しつぶし食の物性測定、「特別用途
    食品嚥下困難者用食品
    の許可基準」、「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」、「嚥下食ピラミッド」による評価を行った。その結果、どの料理も押しつぶし後の形態は摂食・嚥下障害者に適するものであることが確認された。以上より、食材別に押しつぶしの有用性を見出すことができた。

  • *武山 進一, 遠山 良
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2009年 21 巻 2B-a3
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/28
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】魚を用いた高齢者向け
    食品
    開発の一環で、軽度の嚥下障害者向けの鮭
    ムース
    開発と、その物性調整におけるクリープ解析試験(弾性率、粘性率)の検討を目的とした。
    【方法】テクスチャー試験(かたさ、付着性、凝集性)は厚生省(H6年)が示した高齢者用
    食品
    の「かたさ」の測定法に従い、試料を40mmφ容器に充填し治具速度10mm/secで(一部の試料については1mm/sec)、クリープ解析試験は試料を円柱状(19mmφ×10~15mm)に成形し治具速度5mm/secで、(株)山電クリープメーターRE-33005を用いて測定した。鮭
    ムース
    の配合は、鮭すり身25,30,35,40%、増粘多糖類(キサンタンガム:ローカストビーンガム=1:4)0.5,1%、卵白粉0.5,1%、なたねサラダ油5%、として試作した。
    【結果】測定対象とした市販品は、かたさが3×103~3×104 N/m2、弾性率E0は9×102~4×104 N/m2、粘性率ηNは3×105~3×107 Pa・sの範囲にあり、弾性率と粘性率はほぼ比例関係にあった。市販品の一部には、そのかたさに比べて弾性率と粘性率が極端に高値を示すものが見られ、この様な場合には、付着性の値も高値となる傾向があった。鮭
    ムース
    の配合による物性調整では、鮭の配合割合の増加や増粘剤添加の場合には、かたさが増し、弾性率、粘性率も上昇したが、サラダ油添加の場合はその逆の傾向となった。卵白粉の添加では、かたさ、弾性率が上昇したものの粘性率には変化がなかった。それらの添加量検討の際には、かたさの変化量が僅かであっても、弾性率、粘性率の変化を捉えることは有効であった。鮭
    ムース
    は最終的には、金谷(浜松大)らの嚥下食ピラミッドでLevel3に相当する物性に調整した。
  • 高橋 智子, 河村 彩乃, 森下 博己, 大越 ひろ
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2012年 16 巻 1 号 42-49
    発行日: 2012/04/30
    公開日: 2020/05/28
    ジャーナル フリー
    本研究では,加湯・攪拌することでゲル状のブレンダー粥が調製できる市販粉末状
    食品
    を材料とし,攪拌条件を変えて試料を調製した.特別用途
    食品えん下困難者用食品
    規格基準の試験方法に従って測定したテクスチャー特性,および簡便な評価方法であるリング法により力学的特性を把握し,官能評価より得られた食べやすさとの関係を検討した.本研究で用いたゲル状ブレンダー粥試料は,厚生労働省が定めた特別用途
    食品のえん下困難者用食品
    規格基準,許可基準Ⅱの硬さ(1×103 ~1.5×104 N/m2)および付着性,凝集性の基準範囲内であった.粉末ゲル状ブレンダー粥を材料としたゲル試料は,加熱調製中に多数回攪拌を行うことで,ゲル形成が阻害され,試料品温45℃,20℃いずれにおいても,テクスチャー特性の硬さは軟らかくなったが,付着性は試料品温により,多数回攪拌の影響が異なった.リング法による測定では,加熱調製中に多数回攪拌を行うことで軟らかいゲルとなった試料の広がり係数は大きく,すなわち広がりやすく,測定に使用したガラスリングへの試料の付着重量も大となった.このような特性を有するゲル状ブレンダー粥試料は,官能評価により,軟らかく,べたつき感があり,飲み込みにくい傾向であると評価された.以上の結果より,許可基準Ⅱの硬さの基準範囲内にある軟らかいゲル状
    食品
    の食べやすさは,簡便な測定方法であるリング法により推測可能であることが示唆された.本研究において,試料品温により,テクスチャー特性の付着性とべたつき感の関係が異なった結果を受けて,的確に食べやすさをあらわすことができるテクスチャー特性の付着性の測定方法を検討する必要性が示唆された.
  • 堀内 真美, 赤地 利幸, 川上 勝, 古川 英光
    日本
    食品
    工学会誌

    2021年 22 巻 4 号 119-134
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2021/12/24
    ジャーナル フリー

    本研究では,介護

    食品などに適した軟質食品
    について,3Dフードプリンターで造形した巨視的な3次元構造が食感に与える影響を検討した.まず,硬さの異なる2種の軟質
    食品
    を用いて3D造形を行い,造形特性を評価した.その結果,2種の軟質
    食品
    は均一化することなく造形前の物性が造形物の中でも保持されること,造形の方向が造形物の力学特性に影響することがわかった.次に,繊維構造と層構造を造形し,これらの構造に特異的な食感を発現させることができるか検証した.その結果,3Dフードプリンターでの造形により,軟らかい
    食品
    であっても,繊維構造や層構造の力学特性を再現できることが示された.さらに,これらの構造により,人が有意に識別できるレベルで繊維状や層状の食感を発現させられることがわかった.以上のことから,3Dフードプリンターで造形される巨視的な3次元構造により,軟質
    食品
    の食感を制御することができる可能性が示唆された.

  • 八木 万希子, 奥村 彩香, 黒田 あかね, 福岡 恵佳, 大谷 優希菜, 菊田 千景, 横尾 佳子, 大島 圭介
    日本重症心身障害学会誌
    2015年 40 巻 2 号 269
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー
    はじめに 当園の“押しつぶし食”は、介助者の押しつぶし作業を前提とした嚥下調整食であり、外観が常食に近いため重宝している。今後の施設間連携を踏まえ、物性測定により嚥下調整食としての適性を評価し、課題を検討した。 対象 市販魚
    ムース
    、市販えび
    ムース
    、小松菜、白菜、人参、大根、豆腐の7種。 方法 1.厨房から提供されたままのものと、介助にてつぶされた状態のものとの物性をクリープメーターを用いて比較。2.測定結果を、既存の嚥下調整食分類(A特別用途
    食品えん下困難者用食品
    の許可基準、B嚥下食ピラミッド、C日本摂食嚥下リハビリテーション学会分類2013)と照合。 結果 1.
    ムース
    :硬さ・凝集性ともに有意に弱まった。小松菜:いずれも有意差なし。白菜・人参・大根・豆腐:硬さは有意に弱まったが、凝集性は強まった。 2.分類Aでは、つぶし加減にかかわらずほとんどの食材が3に分類された。魚
    ムース
    ・人参・大根は、提供そのままでは基準外。分類Bでは、ほとんどの食材が、そのままではレベル4、つぶされた状態ではレベル3であった。小松菜・豆腐はつぶし加減にかかわらずレベル3、大根のそのままでは基準外となった。分類Cでは、ほとんどの食材が、そのままではコード3、つぶされた状態ではコード2−2であった。小松菜・豆腐はつぶし加減にかかわらずコード2−2、大根はそのままでは基準外。 考察 小松菜・豆腐は、これまでの食事調査により、厨房で細かく包丁で刻んでいたため、測定比較では差が得られなかったと考える。そのままの状態では一部の食材が嚥下調整食の分類に入らないものもあったが、“押しつぶし食”は介助者の押しつぶし作業が不十分な場合、利用者へ提供するのには危険を伴う。今回の結果を共有し、多職種で“押しつぶし食”のメリット・デメリットを整理し、上手く食べることができない方に、さらに安全で美味しく楽しい食事を提案していきたい。
  • 堀内 真美, 赤地 利幸, 藤井 亮児, 川上 勝, 古川 英光
    日本
    食品
    工学会誌

    2021年 22 巻 1 号 27-38
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/03/18
    ジャーナル フリー

    3Dプリンターは製造業に革命をもたらす技術として広まり,工業分野だけでなく

    食品
    分野でも活用が期待されている.とくに,介護食のような軟質
    食品
    を3Dプリンターで造形できれば,食べる人の満足度向上や,介護食提供者の負担軽減に貢献できると考えた.そこで,本研究では,タンパク質やゲル化剤を添加して,軟質
    食品
    の3D造形を試みた.さらに,タンパク質とゲル化剤の作用と必要な条件を検討した.その結果,タンパク質が加熱により変性して吐出線を保形し,ゲル化剤が完全にゲル化せず流動性がある温度で吐出することで,軟質
    食品
    の3D造形が可能になることが明らかになった.3D造形において,タンパク質は吐出線を保形し,ゲル化剤は吐出線を保形するとともに線同士を接着して造形物全体を保形することがわかった.さらに,タンパク質の代わりに,熱硬化性ゲル化剤や高温でゲル化する熱可塑性ゲル化剤を用いても3D造形が可能であることを示した.

  • ―温度と物性の影響―
    川野 亜紀, 高橋 智子, 大越 ひろ, 大塚 義顕, 向井 美惠
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2001年 5 巻 2 号 113-120
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2020/07/19
    ジャーナル フリー

    ペースト状の食物について,温度(10,25,50℃)と物性(硬さ,降伏応力)が官能評価および舌運動に及ぼす影響について検討を行った.試料として,増粘剤を添加した「にんじん」およびバターを添加した「さつまいも」の2種を用いた.硬さおよび降伏応力の温度依存性が顕著にみられたものはバター添加試料の「さつまいも」であり,これに比べると増粘剤添加試料の「にんじん」は温度依存性が小さく,どちらの試料も温度の高いものほど硬さおよび降伏応力は小さかった.官能評価による飲み込み特性において,バター添加試料の「さつまいも」は,供出温度が10℃から50℃の範囲では供食温度が高いほうがよりなめらかで飲み込み易いと評価された.おいしさにおいて,「さつまいも」は50℃試料が10℃,25℃試料に比べおいしいと評価された.逆に「にんじん」では10℃試料が25℃,50℃試料に比べおいしいと評価され,低温域で好まれた.官能評価でおいしいと評価された温度帯の試料は飲み込み回数が少なかった.超音波断層法による舌運動では「さつまいも」において温度による差が認められ,温度の高いものほど,陥凹深度が深くなる傾向を示した.

    口内感覚を表す官能評価および舌運動において,「さつまいも」では有意に温度による差が認められたが,「にんじん」においては有意差は認められなかった.これは,力学的物性における温度依存性が,「さつまいも」に比べ「にんじん」は小さく,ヒトの口内感覚では認知できない範囲での変化であったと推察される.

  • 松永 和秀, 〓島 弘之, 〓島 桂子, 渡邊 孝一, 山田 好秋
    日本顎口腔機能学会雑誌
    1998年 4 巻 2 号 173-181
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    摂食・嚥下障害向けの
    食品
    として, 増粘剤が数多く開発され, 嚥下訓練や検査に応用されている.本研究では, 増粘剤の一つである
    ムースアップ
    に造影剤として汎用されているバリトップおよび水を混和して, 嚥下機能検査食を試作し, 物性, 造影性について調べた.さらに, 検査食の物性を変化させることで, どの様に嚥下動態が変わるかについて筋電図学的に検討した.その結果, 以下のことが明らかとなった.
    1.
    ムースアップ
    と造影剤であるバリトップは均一に混和できた.
    2.
    食品
    の物性の一つの要素である粘性の測定を行った.試料の
    ムース
    アップ含有量を変化させることにより, 液状, トロミ状, 固形状といった性状の異なる試料を作成できた.嚥下訓練食として利用されているヨーグルト (ブルガリアヨーグルト) および白がゆに近い粘性を示す試料も得られた.試料は長時間冷却しても安定した粘性を示した.したがって, 今回試作した試料は, 粘性の変化はほとんどなく, 作り置きが可能であることが示唆された.
    3.エックス線テレビにて, 健常者における試料の造影効果と嚥下動態を観察した.試料の造影効果は良好で, 一連の嚥下動態を明瞭に観察できた.
    4.試料を用いた健常者における嚥下時舌骨上筋群の筋活動を観察した.試料の粘性や嚥下量が増加すると, 食塊の形成から奥舌部への送り込みまでの時間が延長したり, 一塊として飲み込むのが困難であることがわかった.
    したがって, 嚥下機能が低下している嚥下障害者を検査する場合は, 試料の形状および嚥下量に十分注意して検査する必要があると考えられた.
    以上のことより, 今回試作した試料は嚥下機能検査食として有用であると示唆される.
  • 美濃 良宏, 下笠 賢二, 水沼 博
    年次大会講演論文集
    2004年 2004.2 巻 1340
    発行日: 2004/09/04
    公開日: 2017/08/01
    会議録・要旨集 認証あり
    It is known that elderly people's pneumonia caused by swallowing disorder contains high danger of death. However, there is no medical instrument to detect the aspiration. Here, we applied ultrasonic 2-D images and some care foods for patients to detect the aspiration. Three care foods used here were jerry, yogurt, and moose-up. The clear ultrasonic 2-D images were obtained for moose-up. The moose-up was prepared by mixing soluble powder and liquid, and the mixture had high viscosity and ununiformity of density. The results obtained here suggested that the ultrasonic 2-D images for the viscous liquid care foods would enable the detection of aspiration.
  • 鈴木 康仁, 吉友 信孝, 中嶋 良行, 橋本 眞徳
    日本老年医学会雑誌
    1997年 34 巻 9 号 759-760
    発行日: 1997/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
  • 神山 かおる, 野仲 美保, 小堀 千春, 中城 巳佐男
    日本咀嚼学会雑誌
    2006年 16 巻 1 号 17-23
    発行日: 2006/05/31
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    介護
    食品
    ・高齢者向け
    食品
    の物性を調べるために, 市販介護
    食品
    ・高齢者向け
    食品
    の破断強度測定, 動的粘弾性測定を行った.破断強度については, 今回測定した製品すべてが厚生労働省のそしゃく困難者用
    食品
    の基準 (5×104N/m2) 以下であり, カップ入りペースト状
    食品
    の一部を除くと同そしゃく・えん下困難者用
    食品
    の基準 (1×104N/m2) 以下であった.動的粘弾性については,
    食品
    を放置している間, 咀嚼しているとき, 飲み込むときで, 粘弾性がほとんど変化しないという共通の特徴があり, かたさや粘性の値に差はあっても粘弾性の挙動が似ていた.これらのことから, 介護
    食品
    ・高齢者向け
    食品
    は, 摂食行為に関し一貫して物性変化が小さくなるように作られており, また原材料が変わっても類似の物性をもつ製品が提供されていると考えられた.
  • 高橋 智子, 川野 亜紀, 大越 ひろ, 大塚 義顕, 向井 美惠
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2000年 4 巻 1 号 3-10
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2020/06/20
    ジャーナル フリー

    極めて粘稠な硬さに調整した

    ムース状食品
    の力学的特性と飲み込み特性,および超音波断層法による嚥下時の舌運動について検討を行った.市販にんじんうらこしに,加工デンプンが主原料の市販増粘剤を添加した試料をデンプン系試料,グアガムが主原料の市販増粘剤を添加した試料をグアガム系試料とした.力学的特性のテクスチャー特性では,硬さ,凝集性,付着エネルギーの何れについても,2種の試料間に有意差は認められなかった.一方,バネ緩和法により得られた降伏応力は,デンプン系試料がグアガム系試料に比べ,有意に小さいことが認められた.官能評価による飲み込み特性は,デンプン系試料はグアガム系試料に比べ,有意にべたつき感があり,飲み込みにくく,残留感があると評価され,飲み込み特性が劣っていることが示唆された.また,降伏応力が小さく,飲み込みにくいと評価されたデンプン系試料はグアガム系試料に比べ,嚥下時に舌背正中部がより深く陥凹し,また,陥凹している時間も長くなる傾向が示唆された.

    以上の結果より,舌と上顎により生じる食物の変形により,口中で広がりやすい食物であるほど,べたつき感があり,飲み込みにくく,残留感を感じる.また,食塊としてまとめるために,嚥下時に舌の中央部がより深く陥凹し,陥凹している時間も長くなるものと推測される

  • 山縣 誉志江, 五十嵐 沙織, 栢下 淳
    日本調理科学会誌
    2021年 54 巻 4 号 193-196
    発行日: 2021/08/05
    公開日: 2021/08/06
    ジャーナル フリー
  • 賀楽 二美栄, 山縣 誉志江, 西川 みか, 栢下 淳
    日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌
    2011年 15 巻 3 号 304-309
    発行日: 2011/12/31
    公開日: 2020/06/25
    ジャーナル フリー

    【目的】嚥下食の形態を表す用語である「ピュレ」および「ペースト」について,栄養士のイメージする

    食品
    を知ること,およびそれらの物性の違いを検討することを目的とした.

    【方法】栄養士244 名にアンケート用紙を配布し,31 品目の市販

    食品
    に関して,それらが「液体」「ピュレ」「ペースト」「
    ムース
    」および「固体」のどの形態に属すると考えるかを調査した.また,用いた市販
    食品
    を物性測定し,形態間の物性を比較した.

    【結果および考察】栄養士において,31 品目中,7 品目がピュレ,6 品目がペーストと分類された.ピュレかペーストかに回答が分かれた

    食品
    は5 品目存在した.本研究結果から,「ピュレ」および「ペースト」について,栄養士のイメージする
    食品
    を知ることができた.また,物性をかたさと粘度(60 rpm)で評価した場合,ピュレはかたさ700 N/m2未満,粘度5,000 mPa・s 未満,ペーストはかたさ700 N/m2以上,粘度5,000 mPa・s 以上が目安であると考えられた.

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