(1) ガラス電極連続自記pH計,並びにpH自動調御装置を501容ステンレススティール培養槽に設置して, pHコントロールを行いつつ黒麹菌を液内培養し,アミラーゼの生成を検討した.
(2) 電極は培養槽内で培地と共に蒸気殺菌する方式をえらび,種々の改良を行った結果, pHを培養中連続自記し,又培養pHを大体±0.1 pH以内に規制することができた.
(3) 菌体のgrowth rateはpH 3, 4及び5において大きく, Ph 2及び6でやや小さい. pH 6では最大菌体量も少ない.
(4) α-アミラーゼ生成の至適pHは6附近にある.糖化アミラーゼ力生成はPh 3, 4及び5でよく, 6では劣る. pH 2では生成が遅れる. (5) 培養の前段階において酸性側で糖化アミラーゼ生成させて後,微酸性に培養pHを移してα-アミラーゼの生成を促すため,初発pH 5.2で培養をはじめ, 24時間目にpHを下げてpH 3.0にコントロールしつつ培養をつづけ, 48時間目に中和を行い,以後pH 6.0にコントロールしてさらに十数時間培養し,アミラーゼの生成を試験した結果,糖化力が強く, α-アミラーゼをかなり含み,又耐酸糊精化力をも併有する液内アミラーゼを生成せしめることができた.
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