【目的】近年、多種類のミネラルウォーターが市販されているが、飲料水の他に、様々な調理に使用されている。そこで、硬度の異なるミネラルウォーターを用いて、
葛餅
を作成し見た目や味、硬さや歯ごたえ、色に影響を与えるかについて比較検討した。また、
葛餅
の出来上がりの色の違いが、無機成分が関係している可能性を考え検討した。【方法】1) 試料:市販のミネラルウォーター(硬度30, 315および1468)および葛澱粉2種類および甘藷澱粉を用いた。2)
葛餅
の調製方法:各ミネラルウォーター250mLと葛粉50gあるいは300mLと60gを混合し、攪拌しながら約5分間加熱後、流し箱に詰め、20分間蒸した後、45分間冷却した。3) 破断測定はクリープメーター(RE2-33005S ㈱山電製)を、
葛餅
の表面の色は分光測色計(CM-3500d コニカミノルタセンシング(株))を用いて測定した。4)無機成分は葛粉を灰化後、ICPを用いて測定した。5) 官能評価:各ミネラルウォーターで作成した
葛餅
について外観、金属臭、硬さ、弾力等の他に総合的な美味しさを調査した。【結果】1)同じ硬度の水を使用した場合、葛澱粉に比較して甘藷澱粉で作成すると比較的硬い
葛餅
となった。2)
葛餅
の色は、硬度30のミネラルウォーターに比較して硬度315および1468の水では茶色味を帯びる傾向がみられた。3)官能評価では硬度30の水で作成した
葛餅
は比較的硬く弾力やプルプル感があった。それに対し硬度315および1468では柔らかくなり、やや粘性のある
葛餅
となった。
葛餅
は硬水に比較して軟水を使用した方が高い評価が得られた。
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