日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌
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50 巻, 4 号
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  • 福澤 めぐみ, 阿部 紗裕理
    原稿種別: 本文
    2014 年 50 巻 4 号 p. 153-161
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/02/06
    ジャーナル フリー
    伴侶動物に対する香りの導入が注目されているが、イヌにおけるアロマエッセンシャルオイル吸入曝露における使用量は検討されていない。そこで、アロマエッセンシャルオイル使用量の違いがイヌの姿勢や行動に及ぼす影響を検討した。アロマエッセンシャルオイル吸入未経験の健康なイヌ8頭を対象に、アロマエッセンシャルオイル未使用「コントロール」、ヒトにおけるアロマエッセンシャルオイル推奨使用量(0.1ml)の「1/3量(33μl)」、および「1/2量(50μl)」をそれぞれ1日1処理、同一処理に対し連続で3日暴露した。芳香吸入前10分、吸入中30分、吸入終了後10分、計50分間の姿勢(4項目)と行動(10項目)を連続観察した。芳香吸入前後において、「コントロール」では、各姿勢に有意な差が認められなかったが、「1/3量」では横臥位が減少・立位が増加した。「1/2量」では横臥位が減少・伏臥位が増加した。また、芳香吸入中と吸入終了後の各行動発現時間は処理で異なり、「1/2量」ではパンティングが「コントロール」よりも有意に少なかった。これらのことから、イヌの姿勢や行動はアロマエッセンシャルオイル量に影響を受け、「1/2量」によりリラックス効果が高まっていると推察された。
  • 伊藤 秀一, 岩下 祐輔, 萩原 慎太郎, 山本 直幸, 作本 亮介, 岡本 智伸, 谷 峰人, 矢用 健一
    原稿種別: 本文
    2014 年 50 巻 4 号 p. 162-168
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/02/06
    ジャーナル フリー
    夏期放牧地における褐毛和種繁殖牛の行動特性を明らかにするため,阿蘇地域の放牧地において,維持行動および庇陰林の利用について調査し,黒毛和種繁殖牛と比較を行った.褐毛和種7頭,黒毛和種9頭を観察対象として,午前中の4時間と,午後の4時間について,5分間隔の瞬間サンプリング法により行動の記録を行った.PM(13:00-17:00)の伏臥位反芻行動の発現割合は,褐毛和種が20.6±17.9%となり,黒毛和種の4.1±7.0%に対して有意に(P=0.026)高く,移動行動は,褐毛和種と黒毛和種それぞれ4.0±5.2%および13.7±6.6%で,褐毛和種が有意(P=0.011)に低かった.DAY(7:00-11:00と13:00-17:00の合計)の庇陰林の利用は,褐毛和種は2.1±4.0%であり,黒毛和種の27.4±22.0%に比べるとほとんど発現せず,褐毛和種が有意(P=0.015)に低かった.本研究の条件では,両品種は異なる行動を発現し,特に黒毛和種は庇陰林の利用時間が長く,褐毛和種は庇陰林を利用する時間が少ないことが明らかとなった.
  • 植竹 勝治, 田中 瑞穂, 野坂 香林, 桑原 亮祐, 山田 佐代子, 金子 一幸, 田中 智夫
    原稿種別: 本文
    2014 年 50 巻 4 号 p. 169-173
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2017/02/06
    ジャーナル フリー
    都市部住居地域等におけるノラネコの個体数および日中の移動距離に関する基礎的データを得るため、横浜市においてルートセンサス法におる野外調査を実施した。各調査地域(住居専用4地域とその他の用地区分4地域の計8地域)において、1日3回の徒歩によるルートセンサスを2010年から2013年のそれぞれ3月、7月、11月に実施した。ルート上にネコを発見するごとに、その地点を地図上にプロットした。住居専用4地域における平均個体数(8.7±3.9頭/10,000m^2)は、その他の用地区分4地域(3.6±2.2頭/10,000m^2)よりも有意に(P<0.05)多かった。未去勢雄の日中の移動距離(62.9±44.2m)は、去勢雄(34.0±24.7m)よりも長い傾向(P=0.06)にあった一方で、未避妊雌(30.0±20.0m)と避妊雌(33.1±17.4m)の移動距離に有意差は認められなかった。
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