目的: 全国のブロック拠点病院・拠点病院のHIV/AIDS受療者数を把握する。
対象及び方法: 全国のブロック拠点病院・拠点病院365施設を対象として, 2001年4-6月に調査票を郵送法で配布・回収した。調査内容は, 2001年4月1日現在, 調査対象施設で受療中 (経過観察中を含む) のHIV感染者とAIDS患者について, 血液製剤とそれ以外による感染, 日本国籍とそれ以外, の各々別の人数とした。
結果: 回収施設数は347施設 (9596) であった。受療者数はHIV感染者2,964人 (72%), AIDS患者1,133人 (28%) の計4,097人であった。このうち, 血液製剤による感染は984人 (24%), それ以外の感染経路による感染は日本国籍が2,663人 (65%), 外国国籍が450人 (1196) であった。受療者数別の施設数の分布を見ると, 受療者数0人の施設が30%以上であり, 一方, 50人以上の施設も3%見られ, 施設間差は極めて大きかった。本調査と他の調査との比較結果から, 本調査がブロック拠点病院・拠点病院以外を含む全国の受療者数を反映していること, 及び, 日本国籍のHIV感染者には診断後の治療・管理が継続されていない者が存在する可能性が示唆された。
結論: HIV/AIDS受療者数は, 2001年4月現在で約4,100人であった。受療者数に大きな施設間差が見られ, 診断後の治療・管理の未継続者の存在が示唆された。
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