ケモインフォマティクス討論会予稿集
第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
選択された号の論文の49件中1~49を表示しています
プログラム
特別講演
口頭発表
  • 和泉 博
    p. 22-23
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
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    有機分子の立体構造を表示する多くのソフトウェアではクリック操作で光学活性分子のキラリティーを簡単に表示することが可能である。一方で、ゴーシュプラス、トランスなどの有機分子のコンフォメーションを簡便に表示するソフトウェアは存在していない。クリック操作であらゆる有機分子の立体配座をコード化できるプログラム(CCOM)を作成し、その最適化分子構造ファイルの自動抽出機能によるプラバスタチンナトリウムの赤外円二色性(VCD)立体配座解析を行った。CCOMによる各コンフォマーの出力は、立体配座コードとギブズ自由エネルギー値の情報を含むsdfファイル形式として整理した。さらに、2次元の化学構造式の部分構造検索が可能なSMARTS記法と立体配座コードを結び付けることにより、メバスタチンX線結晶構造データのような異なる分子でも 3Dフラグメント構造検索が出来た。
  • 清野 淳司, 大越 昌樹, 中井 浩巳
    p. 24-25
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    完全基底関数極限における高精度な電子相関を含んだ電子相関エネルギーを高効率に算出することは化学的精度(1 kcal/mol以内)での量子化学計算を実現するために重要である。これまで種々の電子相関エネルギーの完全基底関数極限への外挿手法や、幾つかの計算レベル・基底関数でのエネルギーを組み合わせた複合法が提案されてきた。本研究では情報学手法を用いてより効率的に、完全基底関数極限におけるCCSD(T)レベルの電子相関エネルギーを算出する手法を提案する。
  • 片岡 洋右, 山田 祐理
    p. 26-27
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    固体の融解で得られる液体における分子運動を見やすくするために、面心立方格子の単位胞の融解を分子動力学法で調べた。その結果,基本セルに4個の系でも864分子系の融解同様に振動的運動に加えて拡散運動が存在するという分子運動の特徴が見えることが分かった。
  • 金子 弘昌, 船津 公人
    p. 28-31
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では回帰分析におけるモデルの精度およびモデルの適用範囲を議論の対象とする。一般的にはモデルのオーバーフィッティングを避けるようにしてモデルは構築される。しかしモデルがオーバーフィットした場合、もちろんそのモデルの適用範囲は狭くなるが、適用範囲内であれば精度良く予測可能なモデルといえる。今回は水溶解度データを使用してモデルの適用範囲を考慮に入れたモデルの性能の比較を行った。非線形の回帰モデルを構築する手法であるsupport vector regressionのハイパーパラメータを変化させてモデルを構築し、それぞれ予測性能を評価するとともにモデルの適用範囲を設定した。モデルの適用範囲はデータ密度に基づくものである。解析の結果、モデルのオーバーフィッティング自体が問題ではなく、オーバーフィットしたモデルでも適切にモデルの適用範囲を設定することでその範囲内であれば精度良く予測可能であることを示した。
  • 上原 彰太
    p. 32-33
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    構造ベース創薬(SBDD)において,ターゲットタンパク質に対するリガンド(薬剤候補化合物)の結合構造およびその結合の強度を分子シミュレーションによって正確に予測すること(Docking)は困難な問題である.Dockingはタンパク質−リガンド間の相互作用エネルギーを目的関数とした数値最適化問題を解くことによってリガンドの最も安定な結合構造を予測する.しかし一般に,Dockingのスコア関数は非常に複雑であり,正確な結合構造の予測には高精度かつ高効率な最適化アルゴリズムが必須となる.本研究ではミツバチの採餌行動に基づいた最適化アルゴリズムである人工蜂コロニーアルゴリズムを応用することによってDockingの精度向上に成功した.
  • 黒木 孝行, 飯田 瑞貴, 杉本 学
    p. 34-35
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    電子状態計算で得られる数値情報を活用すると、化学現象に潜む規則性、法則を発見できると考えられる。これを実現するために、我々の研究室では電子状態計算に基づく数値データに関する機械学習の手法(電子状態データマイニング手法)を開発している。この手法は、電子状態計算によって得られた電子的因子を用いて、単回帰分析や多変量解析を行うことで、化学現象の規則性を探索するものである。解析に使用する電子的因子は、軌道エネルギー、励起エネルギー、振動子強度、遷移双極子モーメント、双極子モーメント、イオン化エネルギー、電子親和力である。この電子状態データマイニング手法を用いて、結核の治療薬として研究されているPyrazinamide誘導体に関する解析を行ったところ、ベンゼン部位に局在化した空軌 道のエネルギーが薬理活性に影響を与えている可能性を発見した。
  • 宮尾 知幸, 金子 弘昌, 船津 公人
    p. 36-39
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    Inverse-QSPR とはQSPR モデルを反対方向に解析することにより、望ましい物性値を持つ化学構造を生成する手法である。目的変数: y の値に対応する記述子: x の情報をモデルの逆解析により取得し、記述子の情報から化学構造を生成する。発表者らは以前、y を所与とした際のxの事後確率密度関数を導出することにより、効率的にinverse-QSPR 解析が行えることを示した。しかしその際に用いることができる回帰手法は線形重回帰モデルのみであり、非線形性を持つデータに手法を適応することができなかった。本発表では、x の事前分布で規定されたクラスタ毎に回帰モデルを設定することで、擬似的に非線形性を表現する手法と、Gaussian Mixture Regressionによる手法を検討した。ケーススタディとしてシミュレーションデータに対して両手法を適用した結果、非線形を示すデータに対して、両手法は妥当な形状のx の事後分布を生成することができた。
  • 土井 龍大, 岩根 陵, 杉本 学
    p. 40-41
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    我々のグループで開発した 分子形状解析手法の効率向上について検討した。はじめに解析のための複数のプログラムを統率プログラムによって実行することで解析の自動 化を図った。次に、プローブを配置する範囲を分子近辺のみに絞ることで計算コストの削減を行った。水分子を例としてテストを行ったところ 計算数を4分の1程度まで減らすことに成功し、大きな分子に関しても比較的低コストで解析することが可能となった。この結果を受け、手法 の有効性を示すことを目的とし、生物学的等価体の解析を行った。ターゲット分子とイオンプローブとの相互作用領域もとに類似性の定量化を行った。
  • 堀 憲次
    p. 42-45
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    我々は研究や分子化学教育の現場における量子化学計算結果の利用を容易にするため、理論計算結果を集めたデータベース(QMRDB)の構築を行ってきた。このシステムは、WebブラウザとPostgreSQLを使用し、php言語で記述され、ネットワークを介してどこからでも容易にアクセスが可能である。分子名やキーワードによる検索だけではなく、OpenBabelを用いた構造検索機能も実装している。このデータベースの利用を促すためには、データ数増加やそれらの正確性を担保することは重要である。その目的で、データ登録作業の効率向上を目指したWebブラウザベースのプログラム開発をおこなった。更に、QMRDB中データを反応記述子で関連付けることにより、遷移状態データベース(TSDB)も構築している。このデータベースは、TOSP等の合成経路設計システムが網羅的に発生する合成経路で目的化合物が合成できるかどうか検証を行う理論計算(in silicoスクリーニング)を支援するために利用される。
  • 浜中 雅俊, 種石 慶, 岩田 浩明, 奥野 恭史
    p. 46-49
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    医薬品となる候補化合物のスクリーニングのための,タンパク質と化合物の相互作用の予測について述べる.膨大な種類の化合物から医薬品になり得るリガンド化合物を見つけ出す工程は,開発にかかる時間とコストを押し上げる主要因となっており,計算により優れた性質の候補化合物を絞り込むインシリコ(in silico)スクリーニングの手法が提案されてきた.我々は,これまでサポートベクターマシン(SVM)を用いた予測手法CGBVS法を提案してきた.しかし,その手法では,学習データが増えるにつれて学習時間が長大になるなど,大規模な相互作用データを学習していく上で検討すべき課題があった.本稿では, Deep Learningの一手法である,Deep Belief Networks(DBN)を用いたCGBVS-DBN法を提案し,SVMとの性能を比較する.実験の結果,CGBVS-DBN法がCGBVS法に比べて高い性能であることを確認した.
  • 長谷川 亜樹, 藤原 康広, 森本 元太郎, 平野 秀典, 沖本 憲明, 泰地 真弘人, 船津 公人
    p. 50-51
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    創薬プロセスの初期段階における、仮想スクリーニングの対象となる仮想化合物ライブラリでは、新規骨格を持つ化合物を豊富に含みかつそれらが合成可能であることと、そこから有用な情報を効率良く取り出せることが重要である。我々は、主要な人名反応から抽出した構造変換規則を繰返し適用することにより、一千万化合物の化学構造から重複の無い17億の仮想化合物の化学構造を生成した。これら全ての仮想化合物は合成経路情報によって結ばれ、合成戦略の検討材料を提供することが可能となる。更に我々は、これらの化学構造と合成経路情報に、記述子及びフィンガープリントを付加してデータベースを構築し、部分構造、類似性、及び物性値に基づく検索機能を実装した。今後はライブラリに含まれる化合物の特性をケミカルスペースにおいて把握するための可視化技術の開発・高度化を進め実効性に富む仮想化合物ライブラリを構築していく。
  • 田中 健一, 金子 弘昌, 長阪 匡介, 船津 公人
    p. 52-55
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    化学工学プロセスにおいて実時間測定が困難な変数の値の推定にソフトセンサーが広く利用されている。しかし、触媒の劣化や製造銘柄の変更等に伴い説明変数Xと目的変数yとの関係が変化した場合、変化前のデータから構築されたソフトセンサーでは変化後の予測が困難となる。この問題はソフトセンサーモデルの劣化と呼ばれ、対応策として各種適応型ソフトセンサーモデルが提案されている。本研究では適応型ソフトセンサーモデルの中でJust-In-Time (JIT) モデルの予測精度改善を目指す。JITモデルはクエリのXの値が類似しているデータを選択、もしくは類似度の高いデータに大きな重みを与えて構築されるため、Xの値は類似しているがyの値が異なるデータが存在する際に不適切な回帰モデルとなる。本研究では、Xの全ての領域においてより新しい状態のデータのみを選別したJIT用データベースの管理手法およびJIT用データベースを用いた回帰モデル構築手法を提案する。
  • 寺前 裕之, 須田 岬, 湯川 満, 島野 洋佑, 高山 淳, 坂本 武士
    p. 56-57
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    近年、生物活性を有する2-アザスピロ環化合物が報告されているが、効率的な合成法は少ない。我々は、先行実験により化合物の超原子価ヨウ素試薬による環化反応をおこなうことで2―アザスピロ環化合物が得られることを見出した。しかし、この反応ではアリル基側鎖の置換基効果が顕著に見られることから、反応中間体であるフェノオキセニウムカチオンの高次元アルゴリズムによる安定構造計算からその反応機構を検討した。
  • 倉 陸人, 阿部 浩士, 高橋 崇宏, 江間 義則
    p. 58-59
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    化学気相堆積法における反応機構自動解析システムを開発した。システムの推論エンジンはバイオインスパイア―ドアルゴリズムの実装によって開発した。また、バイオインスパイアードアルゴリズムの性能を、評価関数の収束値のメジアンと四分位偏差、および、計算時間の実測値を用いて評価した。アルゴリズムの中でCMA-ESは探索能力、収束安定性、計算時間の観点から最もよい性能を示した。
  • 山本 典史
    p. 60-63
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    プリオン病は正常型プリオンタンパク質(PrPC)が病原性異常型(PrPSc)に変化した結果,複数のPrPScが凝集することで分子間βシート構造を骨格とするアミロイド線維を形成し,脳内に沈着することで発症する.プリオン病の初期過程ではPrPCの一部分が変性した過渡的中間体PrP*がPrPScへの構造変化を橋渡しする役割を担う.したがって,プリオン病の機序を解明するための手掛かりは,このプリオン形成中間体PrP*にある.本研究ではPrP*の構造的特徴を抽出する手段として,二次構造情報に基づく新しいカーネル主成分分析(SSPCA; Secondary Structure PCA)を開発した.SSPCAを適用することで,プリオン形成中間体PrP*の有力な候補として,PrPCの構造の一部がヘリックス→ストランド転位した特徴的な変性状態を明らかにした.
  • 細矢 治夫
    p. 64-65
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    既知化合物の少なさや、目立たぬ性質等の原因で、ポリエンの化学は等閑視されて来た。「交差共役」も有機化学の中では軽視されて来た。しかし最近、新化合物や、物理学者の興味をひく性質が見出され、交差共役というキーワードが頻出している。我々はその交差共役の重要性を認め、ポリエン化学の理論的な再構築を始めている。先ず、最も基本的な交差共役炭化水素を、ケクレ構造を1個しかもたない、直鎖以外の非環式、及び単環のポリエンと決めた。これにより、ラジアレン、フルベン、キノイド等も交差共役系にふくまれる。これらの安定性は、トポロジカルインデックスZと極めて高い相関関係にある。同様に、「平均共役長」Lによってもその安定性を半定量的に予測できる。更に、これらの議論を「有機電子論」の理論的裏付けと適用限界の示唆にまで拡げる。
  • 小市 俊悟, 越野 広雪, 佐藤 寛子
    p. 66-69
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    NMR分子構造解析システムCAST/CNMRシステムの機能の一部として,自動分子構造推定法の開発を2004年に開始した.データベースを利用した推定法なので,データの質・量に依存するところはあるが,正しい分子構造を自動推定し,天然物分子構造解析へも応用できる段階に入った.NMRデータから立体構造を計算機を用いて推定する試みは,化学に計算機が導入された1960年代から取り組まれているものの,未だに実践的な解決には至っていない部分もあり,ケモインフォマティクスにおける最もクラシカルな未解決問題の1つとして現在も取り組まれている.CAST/CNMRにおける自動分子構造推定法の特徴は,情報学の最新成果,特に効率的なグラフアルゴリズムを応用したことである.この特徴が,近年の計算機の高速化とも相まって,高速な推定を実現している.部分構造検索の機能に関しては,すでに構造訂正などへの応用が始まっている.
  • 宮本 健悟, 相田 美砂子
    p. 70-71
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    2本鎖DNAにおける塩基対間での水素結合また、スタッキングのような相互作用は生体系の中で重要な役割を果たしている。特にスタッキング相互作用には大きな塩基配列依存性があり、多体効果の大きさも塩基配列によって異なる。また、核酸塩基の一つであるGuanine(G)が生体内酸化により8-oxoguanine(8OG)へ酸化されると、C6位のketo-enol互変異性により塩基対形成時の水素結合パターンが変わり、本来8OG(keto)-C対を形成するはずが、8OG(enol)となることで8OG(enol)-T対が形成しうる。実験的にも8OGが存在することでG-C対からA-T対へのpoint mutationが起こる確率が高くなることが報告されている。本研究ではAdenine(A),Thymine(T),Guanine(G),Cytosine(C)だけでなく8OGを組み込んだB-DNAモデルを構築し、理論計算を行うことで、B-DNAの塩基対間相互作用における多体効果、また8OGによるG-C対からA-T対へのmutation誘起について考察した。
  • 矢城 陽一朗, 直島 好伸
    p. 72-73
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、有機合成で多用されている酵素リパーゼの鏡像体選択性の機構解明において、タンパク質とリガンド分子間の相互作用を詳細に解析できるフラグメント分子軌道(Fragment Molecular Orbital: FMO)法を一つの研究手法として使用している。今回、3種の酵素リパーゼ、Burkholderia cepacia lipase (BCL)、Candida antarctica lipase typeB (CALB)、Candida antarctica lipase typeA (CALA)、と有機化合物の複合体についてFMO2相互作用計算を行ったところ、BCLでは HIS286が、CALB ではTHR40が、そしてCALAにおいてはAPS95が、それぞれのリパーゼの基質の鏡像体認識に深く関わっているアミノ酸残基であると推定できる結果を得た。これに加え、FMO法をインシリコ創薬の実用的な研究手法として発展させるために2014年11月に設立された「FMO創薬コンソーシアム」の活動と、そこで我々が実行している標的タンパク質レニンと化合物の複合体に関するスーパーコンピュータ「京」による計算を紹介する。
  • 前山 恵璃, 隅本 倫徳, 堀 憲次
    p. 74-77
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    近年、クリーンなエネルギーとして水素が注目されており、その有効利用のための脱水素及び水素付加反応を触媒する錯体が関心を集めている。藤田らは、ジオールの脱水素的ラクトン化反応を触媒するCp*Ir錯体(Cp*5C5Me5)を用いた1,2-ベンゼンジメタノール(3)の脱水素を伴うラクトン化反応について、2つの触媒サイクルを持つ機構を提案した。この機構では、最初にCp*Ir錯体より水が脱離した配位不飽和の錯体を生成する。しかしながら、これらの機構はエネルギー的に不安定な配位不飽和な触媒を活性種としている。Mizoroki-Heck反応について、隅本らは配位不飽和の構造を有さない触媒サイクルの検討を行い、配位飽和の活性種を見出した。本研究では、藤田らの見出した脱水素を伴うラクトン化反応について、配位不飽和及び配位飽和の触媒を活性種とする触媒サイクルについて理論計算を行い、比較検討を行った。
  • 吉野 龍ノ介, 安尾 信明, 萩原 陽介, 大野 一樹, 生田目 一寿, 折田 正弥, 関嶋 政和
    p. 78-79
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/01
    会議録・要旨集 フリー
    シャーガス病、アフリカ睡眠病、リーシュマニア症はトリパノソーマ科の寄生原虫の感染によって引き起こされる病気であり、主に発展途上国である熱帯地域が感染地域であるため、顧みられない熱帯病として知られている。我々は、新たな抗トリパノソーマ科原虫の医療薬の開発を目的とし、ドッキングシミュレーションによる医療薬候補の探索を行い、in vitro 試験及びX線構造解析による複合体構造の詳細な解析を行った。我々はまず、標的蛋白質であるスペルミジン合成酵素の活性中心に対して、Drug Likeな化合物、約480万個のドッキングシミュレーションを行い、更にドッキング結果の上位の化合物をin vitro試験によって評価を行った結果、IC50が10uMオーダーのヒット化合物が得られた。ヒット化合物の複合体モデル構造をもとにヒット化合物の構造最適化を行い、新たな抗トリパノソーマ治療薬が開発されることが期待される。
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