糖濃度の低い,果皮割合の多い手作りママレードの原料として,どのような柑橘が適しているか,国内産柑橘7種を用いて検討を行い, 以下の知見を得た. 1.ママレードのゼリー化に必要な条件を備えているか, 生果の性状を調査したところ, すべてがペクチン量十分であったが, pHは,日向夏を除く6種が不十分であった. 2.砂糖45%添加の全果使用ママレードでは, 日向夏, テソプルを除く5種がゼリー化不十分であり, 又クエン酸添加でゼリー化し, 酸度の不足が確かめられた. 3.果皮, クエン酸, ペクチン, 砂糖から調製した果皮使用ママレードについて検討したところ, 官能検査によりテンプルと日向夏は嫌われたが, 伊予, ネーブル, コウトウ柑, 八朔, 安政柑は市販品に劣らず好まれる事が判明した.
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