素材缶詰の実用的価値を検討するために,人参,ごぼう,里芋,はす,大豆の缶詰とその原材料となった生鮮品を材料として15種の料理をつくり,風味,調理時間,栄養,価格などについて両者の比較を行った.また缶詰に対する満足度を調査した.
1.官能検査による風味の評価については,歯切れが期待されるごぼうや,は.すは評価が低いが,やわらかさ,なめらかさなどが期待される人参や里芋では比較的評価が高かった.
2.調理時間については,乾物である大豆のもどし時間が大幅に短縮された.作業時間では洗瀞,皮むき,加熱時間では下ゆで時間が省略された.しかし揚げ時間,煮物の本煮の時間には,ほとんど差がみられなかった.
3.煮物における食塩の浸透速度を測定したところ,試料とした人参,里芋では,生鮮品との大差はみとめられなかった.
4.ビタミンC量については,酸化防止剤として添加されているため,大豆を除く他の缶詰は生鮮品にくらべて含有量が多かった.
5.価格については年間平均価格で比較すると缶詰が高く,生鮮品め1.2~4.8倍であった.しかし端境期が明瞭で品薄期があるごぼう,はすについてはその時期生鮮品の価格を下まわった.
6.素材缶詰の満足度については官能検査の結果と一致する傾向がみられたが,特に大豆においては,約50~90%のものが缶詰で満足であると解答した.
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