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宮脇 律郎, 島崎 英彦, 重岡 昌子, 横山 一己, 松原 聰, 圦本 尚義
セッションID: A1
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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新種のカリウム四ケイ素フッ素雲母,yangzhumingite (楊主明雲母)が中華人民共和国内モンゴル自治区白雲鄂博より発見され、国際鉱物学連合・新鉱物命名分類委員会から承認された。EPMAの分析結果から導かれる実験式は (K
0.70Li
0.30Na
0.01)(Mg
2.48Fe
0.06)(Si
3.96Al
0.03)O
10[F
1.92(OH)
0.08]となる。単斜晶系で空間群
C2/
mの格子定数は、a = 5.249(4), b = 9.095(5), c = 10.142(5) Å, β = 99.96(6)˚, V = 476.9(5)Å
3, Z = 2である。
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井上 厚行, 黒川 恭平, 八田 珠郎
セッションID: A2
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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Inoue et al. (2009, in press in Clays Clay Minerals)で提唱したクロライト地質温度計の有効性を検証するために、北海道豊羽Pb-Zn-Mn鉱脈型鉱床周辺に分布する熱水変質帯のクロライトを例にとり、生成温度を推定し現在の地下温度や流体包有物の充填温度と比較した。さらに鉱物の産状や化学組成の特徴から変質過程の解析を行った。本研究ではクロライト中のFe3+/Fe(total)比はX線光電子分光法を用いて決定した。
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東 正治, 新谷 美絵
セッションID: A3
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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チリ国中北部の熱水変質岩からK-Na系雲母鉱物の産出が新たに確認された。XRDではilliteとparagoniteの他に,両者の中間的特徴を示すものが複合共存する。これらのXRDプロファイルの変化と特徴をさまざまな混合層モデルシミュレーションと比較しながら解析することで,illite-paragonite混合層鉱物を検証した。
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沢井 長雄
セッションID: A4
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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山口県内には,様々な粘土資源が存在しており,萩焼や衛生陶器,蛸壺などに利用されている.粘土資源には,熱水性粘土である宇久・滑ろう石や金峰土,風化物の堆積起源の大道土,地福粘土,風化起源の見島土など多種多様なものがある.現在,操業中,あるいは最近まで採掘していた粘土資源について,それらの産状や地質との関係などを成因別に分けて報告する.
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小暮 敏博
セッションID: A5
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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風化堆積起源のkaolinite(Brazil、Capim産)における積層欠陥の種類とその発生形態について透過電子顕微鏡を用いた観察と考察を行った。HRTEM像から、この試料でも積層欠陥の多くは、t1 と t2の2種類の層間ずれの不整であることが明らかになった。さらにこの不整の入り方として、1) 比較的完全な結晶の中に、異なる層間ずれが孤立した積層欠陥を形成するものと、2) 一方の層間ずれがある程度続いた後に他方の層間ずれがある程度続くものという2つの極端な構造が見られた。
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地下 まゆみ, 上野 宏共, 坂本 尚史, 北川 隆司, 井村 隆介
セッションID: A6
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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2003年7月20日、九州北部に停滞した梅雨前線の影響で、鹿児島県菱刈町前目にて斜面崩壊が発生した。この地域には、菱刈下部安山岩類の塊状溶岩ならびに凝灰角礫岩が分布しており、熱水変質作用を受けている。含有粘土鉱物としては、多量のスメクタイトが含まれ、斜面崩壊の素因のひとつとなっている。本研究では、スメクタイトの鉱物学的特徴が地下水面を境に異なる可能性が認められたので報告する。
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福井 健, 山田 登志夫, Zaenal Abidin, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A7
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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近年、従来の生態系支援コンクリートにゼオライトを添加し、吸着能力など有効な化学機能を付与した新しい生態系支援コンクリートが開発され始めた。
一方、セメント水和反応過程における高アルカリ・高濃度Ca共存条件下において、添加されたゼオライトが溶解し機能が変化する可能性、及び添加されたゼオライトがセメント水和反応に影響を及ぼす可能性があるが、詳細な検討はなされていない。そこで、本研究では、セメント水和反応過程におけるゼオライトの安定性(溶解性)を調べると共に、ゼオライト添加がセメント水和反応に及ぼす影響について検討した。
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水野 清, 上原 元樹, 佐藤 隆恒, 松本 泰治, 後藤 義昭
セッションID: A8
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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コンクリートのアルカリシリカ反応を抑制させる材料として,Liを含有するゼオライトに着目し,焼成したカオリナイトを出発物質としてLiOH水溶液の濃度,処理温度,処理時間を変化させてLi型ゼオライトの合成を試みた。生成物について,X線回折法で同定と定量を行った結果,Li型ゼオライトの生成条件を明らかにした。
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中沢 弘基, 古川 善博, 関根 利守, 大場 雅寛, 掛川 武, 大原 祥平
セッションID: A9
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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生体を構成するアミノ酸、核酸塩基、糖など生物有機分子はみな親水性で且つ粘土鉱物親和的である。何故か?あまり問われたことのないこの基本的な疑問に、生命の発生に至る前生物的進化(化学進化)も地球史の一環であるとの視点から答える。すなわち、多種・多量の有機分子が隕石・小惑星海洋爆撃によって生成した直後、地球環境における「自然選択」によって水溶性且つ粘土鉱物親和性有機分子だけがサバイバルしたものであると。
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河野 元治, Hwang Jinyeon
セッションID: A10
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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生命圏由来の有機分子によるアモルファスシリカの溶解速度への影響を評価するため、グアニジン、イミダゾール、ピロールによるアモルファスシリカの溶解速度への影響を検討した。その結果、グアニジンおよびイミダゾールはアモルファスシリカの溶解速度を著しく増大させ、ピロールによる溶解速度への影響はきわめて小さいことが確認された。これらの結果は、各有機分子の溶液中での陽イオン化学種濃度に依存していることが確かめられた。
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弘山 郁織, 佐藤 努, 米田 哲朗
セッションID: A11
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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組成や構造の異なる様々な鉱物を用いて、相対湿度を制御した雰囲気下におけるアミノ酸重合実験を行った。その結果、粘土鉱物の触媒能に対する相対湿度の顕著な影響が認められ、相対湿度の低いものほどより長鎖のペプチド形成に有利であることが明らかとなった。また、粘土鉱物の触媒能はその層電荷の有無や構造の差異によるものではなく、化学組成が異なることによる鉱物表面の性質の違いに起因する可能性が高いことも明らかとなった。
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篠塚 悠, 大垣 佳寛, 畠山 盛明, 原 孝佳, 一國 伸之, 島津 省吾
セッションID: A12
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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アロフェンはAl
2(OH)
3・SiO
3(OH)・nH
2Oで表される非晶性アルミノケイ酸塩で、その表面に水酸基が高密度に存在する。我々は、これに強酸であるスルホ基を化学修飾することでアロフェンをより強力固体酸触媒とした。本発表では種々の条件下で合成したスルホン化アロフェンを触媒とし、より高難度な多糖類及び実際のバイオマスの加水分解反応に応用した結果を報告する。
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佐伯 美枝, Johan Erni, Zaenal Abidin, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A13
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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製紙スラッジ(Paper Sludge; PS)は再生紙を製造する過程で生じる産業廃棄物で、近年、その処分場の確保が困難となってきており、ゼロエミッションの立場からも、再資源化・有効利用法の確立が急務である。PS灰は、紙の顔料として酸化チタンや水酸化アルミニウムなどを含有し、ゼオライトの構成元素であるSiとAlが豊富なため、これを原料としてゼオライトへの転換が可能である。そこで、PS灰中に含まれている酸化チタンを利用することにより、トルエンの吸着・分解が可能であると考えた。さらに生成ゼオライトに、助触媒として知られている銀を担持させ、トルエンの吸着分解実験を行った。
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今井 博人, 柏村 有美, 梅澤 宏明, 山本 信之
セッションID: A14
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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PRTR対象物質の中で公共用水域に排出される量が最も多く、暫定排水基準の強化が予定されているホウ素の除去に関する研究を行った。ホウ素は水溶性が高く、他の化合物と相互作用しにくいため除去が困難であるが、特定の無機化合物(アルミン酸カルシウム/硫酸カルシウム/炭酸カルシウム)を組み合わせると低濃度までホウ素が除去可能である事を見出した。
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得能 愛子, Zaenal Abidin, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A15
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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イモゴライトは高比表面積を有し、また高い吸着能を持つなどの特性がある。チューブの両端は陽イオン及び陰イオンとの反応性が高く、チューブ内部は水分子などの吸着能に優れている。これらの特性を活用すれば、化粧品、医薬品、農薬などへの応用が可能性になる。そこで本研究では、応用への第一歩として、イモゴライトを短時間かつ簡便に合成する方法を用いてチューブ長の異なるイモゴライトを合成し、それらのリン酸吸着特性を調べた。
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安藤 生大, 日吉 公男, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A16
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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本研究では,対象とした製紙スラッジ(PS)について、炭化処理を施した場合と灰化処理を施した場合の鉱物組成、有機物組成の違いについて検討する。特に、炭化したPSに占める難分解性炭素量の分析結果から、残存する炭素固定量を評価し、炭化処理のCCS(Carbon Capture and Storage:)技術としての可能性を検討する。
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高木 慎介, 石田 洋平, 今野 沙紀, 江川 剛, 増井 大, 嶋田 哲也, 立花 宏, 井上 晴夫
セッションID: A17
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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本研究では、異なる電荷密度を有する粘土鉱物を用い、ポルフィリン分子の光化学挙動への効果について検討した。特に電子移動に基づく自己消光過程、エネルギー移動反応に注目し詳細に検討を行った。電荷密度の低い粘土鉱物ほど、すなわち、ポルフィリン分子間距離が離れるほど自己消光が抑制されることが解った。電荷密度の小さい粘土鉱物において、高いエネルギー移動効率を与える傾向が見られた。電荷密度の小さい粘土鉱物ではポルフィリン間距離が大きくなるため、自己消光が抑制された効果によると考えられる。
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今野 沙紀, 高木 慎介, 嶋田 哲也, 立花 宏, 井上 晴夫
セッションID: A18
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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効率の良い人工光合成系の構築には、光を捕集する色素分子の配列制御が重要な課題となる。本研究では、ナノ層状粒子上に規則正しく配列させた色素分子間での光電子移動挙動を観察した。さらに粘土ナノシート上における様々な色素の興味深い吸着挙動について詳細な知見を得た。今回は、一度粘土シート上に吸着した色素分子が熱力学的に安定な吸着状態へどのように変化するのかについて詳細な報告を行う。
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石田 洋平, 江川 剛, 小野寺 真吾, 高木 慎介, 増井 大, 嶋田 哲也, 立花 宏, 井上 晴夫
セッションID: A19
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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植物の光合成では、色素が規則正しく配列した光捕集系で効率よく光エネルギーを吸収し、そのエネルギーを反応中心へ効率よく伝達している。当研究室では、カチオン交換性を有する粘土シート上にカチオン性ポルフィリンを高密度かつ非会合状態で吸着させることに成功している。本検討では、粘土上での吸着密度を変化させたポルフィリン分子間でのエネルギー移動反応に着目し、エネルギー移動効率の向上を目的とした。分子間距離の違いにより効率が変化するという知見を得た。
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梅村 泰史, 井手 清貴, 山崎 誠, 島田 忠人, 篠原 絵美, 山岸 晧彦
セッションID: A20
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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希薄なスメクタイトの水懸濁液上に水に不溶な両親媒性陽イオンを含む溶液を展開すると、水面上に浮遊する両親媒性陽イオンの単分子膜に粘土粒子が吸着し、有機/粘土複合薄膜が形成される。この薄膜中において、陽イオンによる電荷よりも粘土粒子による陰電荷の方が過剰であり、このため基板に移しとられた薄膜の表面は陽イオン交換性を示すことが知られていた。本研究では、懸濁液にアルコールを添加することにより、薄膜中の陽イオンの密度を高め、結果として陰イオン交換性を示す薄膜の調製に成功した。
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島田 忠仁, 梅村 泰史, 篠原 絵美
セッションID: A21
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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粘土の水懸濁液上に両親媒性アルキルアンモニウム塩の溶液を滴下すると、水面上のアンモニウムイオン単分子膜に粘土粒子が静電引力により吸着される。表面電位-分子面積等温線及び表面圧-分子面積等温線の測定結果より、低濃度の懸濁液上では粘土粒子の吸着していないアンモニウムイオンが存在することを確認できた。また表面電位の経時変化を測定することにより、粘土粒子の懸濁液濃度に対する吸着速度の違いを見ることができた。
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鈴木 康孝, 天満 悠太, 川俣 純
セッションID: A22
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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色素がJ会合体を形成している色素-粘土複合体は、優れた二光子吸収特性を示すと予想される。そこで本研究では、独自にあみ出した光散乱の極めて小さい色素-粘土複合体の作製方法を駆使し、J会合体を形成しやすいフルオレン系色素およびシアニン系色素からなり、色素がJ会合体を形成している色素-粘土複合体を作製した。これら色素-粘土複合体の一光子吸収特性と二光子吸収特性の関係について議論する。
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谷 誠治, 山木 博史, 中山 大輔, 鈴木 康孝, 川俣 純
セッションID: A23
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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我々は、粘土鉱物(合成サポナイト)との複合化により有機色素の光分解が促進され、さらに、その光分解において粘土鉱物に触媒としての効果があることを見出している。そこで、本研究では、核磁気共鳴(NMR)分光法により、光分解が促進する有機色素の一つであるローダミンBの合成サポナイトへの吸着挙動を調べるとともに、合成サポナイト存在下におけるローダミンBの光分解機構を明らかにするために、分解生成物の同定を行った。その結果、合成サポナイトに吸着したローダミンBは
N-脱エチル化および酸化反応により分解することが分かった。
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松永 怜也, 松尾 奈津希, 山本 皓太, 鈴木 康孝, 川俣 純
セッションID: A24
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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数十nm ~ 数百nm の範囲の有機ナノ粒子は、サイズによって吸収や蛍光スペクトルが変化するという特徴的な光学特性を示す。我々は、単層剥離した粘土表面への色素の吸着密度を変化させると、粘土表面に数十 nm ~数百 nmサイズの色素分子のナノ粒子を選択的に形成することができることを報告する。また、得られたナノ粒子は、サイズに依存した吸収スペクトルの変化が観測された。
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横田 弘, 山本 和徳, 石橋 浩之, 松岡 寛, Nam Hyun-jeong, 蛯名 武雄, 石井 亮, 水上 富士夫
セッションID: A25
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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スメクタイト主成分フィルム「クレースト」は、高耐熱性・ドライガスバリア性に優れたフレキシブルフィルムであり、幅広い実用化に向けた研究が進められている。本研究では、クレーストの更なる高機能化が可能なスメクタイト原料提供を目的に、水熱合成法を用いたスメクタイト合成を行った。合成条件適正化によって、フィルム形成可能な2八面体型スメクタイト(2SMT)、及び3八面体型スメクタイト(3SMT)を合成出来た。2SMTは柔軟性を有するフィルムを、3SMTは透明・耐水性を有するフィルムをそれぞれ形成可能であることが分かった。
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河崎 英治, 蛯名 武雄, 手島 暢彦, 石井 亮, 林 拓道, 水上 富士夫
セッションID: A26
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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天然のベントナイト粘土を用いて、真空凍結乾燥により膜の厚み方向に、数マイクロメートルから数百マイクロメートル直径の貫通孔が多数ある、垂直配向型の自立多孔粘土膜を作製することができたので報告する。
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藤島 雄介, 池田 ゆき, 石澤 直也, 古宮 慎太郎, 榊原 和久, 禅 知明
セッションID: A27
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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従来の方法では捕獲・分析が困難であった環境中のラジカル種に関して、粘土膜材料Claistにラジカル捕獲剤(スピントラップ剤・安定ニトロキシルラジカル)を含侵させたClaistラジカル捕集膜を用いてラジカル種を捕集し、ESR、MSによる分析を行った。単体では不安定なラジカル付加物がラジカル捕集膜中では非常に安定に存在し、スピントラップ剤を含侵させた捕集膜で捕集したラジカル種についてスピン付加物のMSを用いた同定を行えることがわかった。
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手島 暢彦, 蛯名 武雄, 水上 富士夫
セッションID: A28
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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現在、粘土を主成分とし、少量の有機化合物を添加したフィルムの開発が行われている。それらの多くは、粘土を水へ分散させ、水溶性の有機化合物を添加し製膜されている。そのため、水や水蒸気に対して弱く、加湿条件下での使用は困難であった。また、太陽光発電システムにおいて、耐熱性、防湿性に優れるバックシート材料の開発が課題となっている。そこで、太陽光発電システムの封止材料をターゲットとして、耐水性および水蒸気バリア性に優れる防湿フィルムの開発を行った。
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武田 直樹, 平原 英俊, 會澤 純雄, 成田 榮一
セッションID: B1
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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ポリマーマトリックス中に層状ケイ酸塩(クレー)を分散させたポリマー/クレー複合体は、ポリマー単体と比較して機械的特性の改善をもたらすことから注目されている。本研究では、ゴム/クレー複合体を調製し、複合体の機械的特性におよぼすクレーの粒子形状および粒子径の影響について検討した。複合体の強度はクレーの粒子形状に依存することがわかった
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森久保 諭, 関根 由莉奈, 深澤 倫子
セッションID: B2
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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粘土粒子を混合したポリマー水溶液は、その特異な性質により、様々な工業分野での応用が期待されている。例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO) 水溶液は、粘土粒子laponiteの添加により力学的特性が変化することが知られている。本研究では、laponite-PEO水溶液中の水の構造を調べるため、ラマン散乱を測定した。この結果を基に、PEO水溶液におけるlaponite添加の効果について議論する。
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田村 堅志, 山田 裕久, 八田 珠郎
セッションID: B3
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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層状珪酸塩/ポリマーナノコンポジットは数%の粘土を十分剥離にさせてポリマーと複合化することによって、力学特性、耐熱性、バリア性などを飛躍的に向上させる。それらの物性に大きな影響を及ぼすキーファクターの一つに複合化した粘土ナノ粒子の分散形態があげられる。今回我々は、この複合形態のもう一つの制御技術として、剥離した層状珪酸塩のレイヤ数を制御することを目的とした。すなわち層状珪酸塩の積層シーケンスにおいて剥離層と非剥離を人工的につくれば、ポリマー中に分散するナノレイヤ数を制御したポリマーナノコンポジットを調製できると考えた。
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小比類巻 亘, 平原 英俊, 高橋 諭, 會澤 純雄, 成田 榮一
セッションID: B4
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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カルボン酸塩を層間に含む層状複水酸化物(LDH)は水系でのデラミネーションが期待され、高分子充填用無機フィラーとして注目されている。本研究では、各種カルボン酸塩型LDHの合成、水中での分散性の検討およびポリビニルアルコール(PVA)との複合体の作製と各種特性評価を行った。合成した各種カルボン酸塩型LDHはデラミネーションが確認された。さらに、それらのLDHを配合した複合体において引張強度の向上および腐食抑制機能がみられた。
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宮元 展義, 木下 亮, 飯島 宏和
セッションID: B5
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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超音波処理によって平均粒子系が制御されたフッ素四ケイ素雲母を高い収率で得た。この試料を用いて、コロイド溶液の液晶転移挙動および粘弾性について検討した。見かけ粘度は粒径と共に増加したが、高濃度(6wt_%_)で得られるゲルの降伏応力は粒径にそれほど影響を受けなかった。一方、平均粒子径・コロイド濃度が大きい場合、強い液晶性が観察された。モンモリロナイトなど多くの層状粘土鉱物コロイドではゾルゲル転移濃度が1 wt. %程度と低く、液晶ゾル相は観察されないため、本系で観察された液晶ゾル相は特異的である。
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鈴木 啓三, 佐藤 努, 米田 哲朗
セッションID: B6
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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モンモリロナイト試料には通常、水簸精製の際に濃縮された可溶性塩が含まれている。可溶性塩を除くと、可溶性塩の量に応じて懸濁液の粘度は変化するが、変化の傾向は試料によって異なる。モンモリロナイト粒子が懸濁液中で形成する会合構造に違いがあるためと考えられる。どの様な会合構造が形成されるかは、モンモリロナイト粒子のアスペクト比に依存している、と言うことを示す。
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久常 雄大, 大河原 正文, 三田地 利之
セッションID: B7
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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精製した高純度モンモリロナイトについて湿度を制御したAFMを用いてミクロ領域での摩擦力および粘性を測定した。その結果,摩擦係数μは湿度上昇に伴い階段状に大きくなり,粘性は湿度上昇に伴い階段状に低くなった。
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上田 裕晃, 橋本 祥歌, 中戸 晃之
セッションID: B8
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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層状酸化物(六ニオブ酸塩)にドデシルアンモニウムおよびヘキシルアンモニウムをインターカレートさせた層間化合物による微粒子安定化エマルションの形成を検討した。両層間化合物とも、水-トルエン混合系で、広い組成(層間化合物濃度、水の体積分率)範囲で、安定なwater-in-oil型エマルションを形成した。ヘキシルアンモニウムとの層間化合物は、一部の組成範囲で、oil-in-water型エマルションも形成した。
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Zaenal Abidin, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: B9
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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A new method for imogolite synthesis has been investigated. Previous results, we have shown that dialysis membrane method can be used to produce orthosilicic acid from dissolution of polysilicic acid. Now, we used decomposition of urea to replace NaOH for proto-imogolite formation. Results show that nano-tube imogolite can be synthesized easily.
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武藤 浩行, 三谷 明洋, 片桐 清文, 大幸 裕介, 河村 剛, 松田 厚範, 逆井 基次
セッションID: B10
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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本研究では、ナノ複合材料の構造を制御する手法として交互積層法に着目し、母材となる粒子表面に静電吸着力を用いて、ナノサイズの添加物が均一にコーティングされた複合粒子の作製法を提案し、種々の集積複合粒子を作製する。この複合粉末を原料粉末とすることで、機械混合では得られない、微構造制御型複合材料を創製することを目的とする。
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長田 師門, 黒田 義之, 高橋 信行, 黒田 一幸
セッションID: B11
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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octosilicateとC
16TMAイオンとからなる層間化合物を水熱処理した。得られた試料の表面を高分解能SEMのより詳細に観察した結果、octosilicateの四角板状結晶の表面に約5 nmの周期間隔で配列した縞状パターンの形成が観測された。このパターンは二方向にのみ直交して配列しており、層表面の構造が1層毎に90° 回転しているoctosilicate結晶構造を反映していると考えられる。
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伊藤 和之, 黒田 義之, 黒田 一幸
セッションID: B12
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
会議録・要旨集
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メトキシ化カオリナイトへのヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(C16TMACl)のインターカレーション反応により、一段階でナノチューブ状のカオリナイトを得た。C16TMAClは反応時間にかかわらず、メトキシ化カオリナイト層間へ導入された。反応時間の増加に伴い、ナノチューブ形成の割合が増加した。以上より、カオリナイトからのナノチューブの形成にC16TMAClの利用が有効であることが分かった。
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井伊 伸夫, Geng Fengxia, 佐々木 高義
セッションID: B13
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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硝酸イオン型LDH(NO3-LDH)のKBr法によるFTIR測定において、同一の試料を使用しても、測定ごとにNO
3-に由来する1350–1450 cm
-1近傍の強い特性吸収スペクトルが、変化することが観察された。KBr法に加え、ATR法やペースト法によるFTIR測定を行い、粉末XRD測定も併用してスペクトル変化の原因を調べたので、報告する。
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鈴木 憲子, 岡本 圭太, 知久馬 敏幸
セッションID: B14
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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化学的安定でかつ生体に対して無害な無機化合物の層間に薬物をインターカレートすることで、薬物の弱点の克服や放出制御などの機能を付加する研究が多くおこなわれている。本報告では光に不安定な薬剤である「塩酸プロプラノロール」(PPL)をNa型合成雲母にインターカレートさせることを目的とした。同時にインターカレーション反応によるホストの層間の状態を微視的に観察した。
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田中 みゆき, 會澤 純雄, 高橋 諭, 平原 英俊, 成田 榮一
セッションID: B15
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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層状複水酸化物 (LDH) は医薬成分の取り込みが可能な高生体親和性材料であり、すでに細胞へのLDH複合体の輸送についても報告されている。本研究では細胞へのLDHの輸送機構の解明を目的とし、フルオレセイン (Fluo) /Mg-Al系 LDH複合体の合成およびFluo/LDHの細胞内発光の検討を行った。XRDおよびFT-IRよりFluo/LDHの合成が示された。また細胞内発光が観察されたことから、Fluo/LDHの細胞内への輸送も確認された。
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熊坂 惇, 安武 愛子, 會澤 純雄, 成田 榮一, 平原 英俊, 高橋 諭
セッションID: B16
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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層状複水酸化物(LDH)は,正に帯電した基本層と陰イオンからなる中間層で構成された層状化合物であり,陰イオン交換能をもつことから最近ではドラッグデリバリーシステムへの応用を目指した研究が行われている。以前当研究室では,抗がん剤(5-フルオロウラシル,5-FU)を層間に取り込んだLDH(5-FU/LDH)を合成し,その細胞毒性を検討した。本研究では,より詳しく検討を行うため,LDHのMg/Alモル比を2から3に,また,生体親和性や膜透過性が期待される分子をコーティングし,細胞毒性比較を行った。
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渡辺 雄二郎, 山田 裕久, 生駒 俊之, 田中 順三, 守吉 佑介, 小松 優
セッションID: B17
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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ハイドロタルサイト(HT)は、様々な陰イオンや分子をインターカレーションすることが出来る。最近では薬物を層間内にインターカレーションすることにより薬物送達システム(DDS)材料への応用が検討されている。また水酸アパタイト(HA)は高い生体親和性を持ち、骨充填材や薬物送達担体として応用されている。従ってHTを薬物保持材、HAを薬物放出制御材として用いることが出来れば、従来にない薬物放出速度の制御可能なDDS材料への応用が期待される。本研究ではHTの構造破壊を防ぐために、リン酸型HTを用いてその層間のリン酸イオンの陰イオン交換反応を利用したHAの複合化を試みた。
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亀島 欣一, 西本 俊介, 三宅 通博
セッションID: B18
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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没食子酸/LDH複合体の可能性について調査した.出発原料に市販の合成ハイドロタルサイト,没食子酸・一水和物(関東化学製)を用い,没食子酸ナトリウム塩を調製した.熱分解LDHと1~100mMの溶液を24時間反応させ,没食子酸/LDH複合体が得られた.1mMでは003ピークの強度が低下した.10mMでは結晶性の低いピークが得られた.003ピークは出発試料の0.76nmから1.08nmに大きく拡がった.没食子基がLDH層間に導入されたためと考えられる.複合体のFTIRスペクトルで1500-1600cm
-1の吸収が濃度に応じて増加した.従って,没食子酸/LDH複合体が作製できることが示された.
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片桐 清文, 獅子島 義典, 河本 邦仁
セッションID: B19
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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本研究では、ポリスチレン粒子をテンプレートに用い、その表面に層状複水酸化物(LDH)ナノシートをアニオン性高分子電解質を介して交互積層してコア-シェル粒子を作製し、テンプレートの除去によって中空カプセルを作製した。LDHは酸に溶解する性質を有していることから、得られたカプセルはpHの酸性側への変化によって、カプセル殻が溶解し、内包物を放出する機能が期待できる。そこで、これらLDH/アニオン性高分子電解質積層膜のpH変化による溶出挙動とカプセルの形態変化を評価した。
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片桐 清文, 野澤 翠, 後藤 由合香, 河本 邦仁
セッションID: B20
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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層状複水酸化物(LDH)は、無機層状化合物の一つで、その層間へ様々な陰イオン種を取り込むことができ、種々の複合材料への応用が期待されている。このLDHを光あるいは電子機能性デバイスなどへ応用するためにはバインダー等を用いず直接コーティング薄膜を作製することが必要となる。これまでに我々はLDHコーティング薄膜をゾル-ゲル法により作製したゲル膜への水溶液反応を利用したプロセスを開発してきた。本研究ではこのLDHコーティング薄膜形成過程において反応条件が膜形態に及ぼす影響を詳細に調査した。さらにLDHコーティング薄膜の機能化を目指し、薄膜のパターニングする手法を検討した。
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平原 英俊, 似内 勇哉, 會澤 純雄, 成田 榮一
セッションID: B21
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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層状複水酸化物(LDH)は粘土鉱物の一種であり、層間へのインターカレーション反応が広く利用されている。
しかしながら、インターカレーション反応の速度論的研究の報告はなく、その反応機構は未だ明確に解明されていない。
本研究では水晶発振子マイクロバランス法により硝酸型LDHと各種陰イオンとのイオン交換反応の経時変化を追い、速度論的な解析を検討したので報告する。
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末原 茂, 山田 裕久, 田村 堅志, 佐々木 泰造
セッションID: B22
発行日: 2009年
公開日: 2009/11/01
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雲母のTO4四面体シート(T=Si, Al)のTサイトに、SiとAlの占有率から求めた仮想原子を配置した結晶モデル(Virtual Crystal)の第1原理計算を行った。金雲母とパラゴナイトのVirtual Crystalの構造と比熱、エントロピーの計算結果は実験値をよく再現した。この結果は、少なくともTサイトのローカルな構造に強く依存していない物性予測についてはVirtual Crystal近似が有効であることを示唆している。本近似を用いることで、大きなユニットセルをもつ雲母鉱物のTサイトのSi, Alの配置の多様性を排除し、計算コストを下げることができる。
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