日本歯科理工学会学術講演会要旨集
平成20年度春期第51回日本歯科理工学会学術講演会
選択された号の論文の118件中1~50を表示しています
特別講演
  • 中里 良次
    セッションID: SL-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/11
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     地球環境問題に関する国際的な意識が高まっている中で,1992年の第1回地球サミット(UNCED)において「アシ゛ェンタ゛21(21世紀に向けた行動計画)」が採択され,その中で化学物質の管理に関する基本的な方向性とその課題が示されています。  また,これを引き継いだ2002年のヨハネスブルク・サミット(WSSD)において,「2020年までに化学物質の生産・使用がヒトの健康や環境にもたらす悪影響を最小化すること」が合意されました。  これを受けて各国が有害化学物質に関する諸対策に取り組んでいる中で,EUでRoHS指令やWEEE指令が制定され,その影響が世界に広まり,いまやEUから発せられた化学物質の管理政策は国際標準になろうとしています。 今般さらに化学物質に関する規制として「REACH」を2007年6月1日にスタートさせ,我が国においても化学会社などがその対応に追われている現状があります。  この規則では医薬品や食品に含まれる物質は該当の規制で制限されているために対象外とされていますが,歯科材料は医療機器の位置づけにあり,この規制の影響を少なからず受けることになります。 この位置づけを問うことも必要ですが,歯科材料の性質と,また半製品で提供されて化学物質そのものが取り扱われる場面が製造関連現場や使用現場に多くあることを考慮すると,これらの規則も捉えながら,より広い視野で保健衛生の向上に配慮していく必要があると考えます。 そこで,海外環境法規制の概観と化学物質規制としての「REACH」に到る背景,その概要を紹介しながら,歯科材料への関わり,さらには「品質,有効性及び安全性の確保」において常々感じていることの一端を述べてみたいと思います。
  • 李 海衡
    セッションID: SL-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/11
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    Dental metal-ceramic systems have been successfully used in fixed prosthodontic field. However, it has been also concerned about potential hazards due to corrosive activity of base metal alloys and high cost of noble alloys. Recently titanium-ceramics have gained substantial interests as a substitute of conventional metal-ceramics with wide use of titanium (Ti) implant, but bonding problem between porcelain and titanium was still unsolved. Most of bonding failures in titanium-porcelain system are arisen between oxide layer and titanium substrate. Higher chemical reactivity of Ti at an increased temperature results in weak nature in the Ti-ceramic interface. Oxygen resolution into titanium was activated at elevated temperature above 800ºC, resulting in a non-adherent oxide scale on the titanium surface. Thus, researches have been conducted to reduce the surface oxidation of titanium during firing procedures of porcelain on titanium framework. Several materials, such as nitrides and gold etc., have been coated to prevent excessive formation of Ti oxide and resulted in adhesion of porcelain on titanium. Also, surface modifications on titanium with acidic solutions were examined to increase titanium-porcelain bonding strength. In our previous study, platinum was shown to be one of promising coating materials to enhance titanium-porcelain bonding. Platinum can be applied on titanium by RF magnetron sputtering, platinum paste, and mixed form of porcelain and platinum powder. Bonding strength for several commercial metal- and titanium-ceramic systems was evaluated by ISO 9693 three-point flexure test. The results of three-point flexure bond strength test were compared with fracture load of veneered porcelain by crunch-the-crown test in anterior incisor crown. In this presentation, recent studies on enhancing titanium-porcelain bonding strength are reviewed with their prospectiveness.
公開シンポジウム
  • 後藤 英樹
    セッションID: OS-1
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/11
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    現代の眼科学は医学全般の知識を組み込んだ膨大な知識の上に成り立っている。しかし、これらをもってしても問題解決にいたることのできない、または治療のままならない病態も多く残されている。眼科医として受けた教育を振り返ってみると、一般的な医学教育では医学全般を学び、眼科医となってからは臨床眼科学が中心となるため、理工学分野を学ぶ機会は少ない。演者はマイアミ大学留学中にOcular Biophysics Centerに所属する機会があり、また涙液疾患・ドライアイを専門として研究をしている間に理工学的な知識が極めて乏しいことに気づかされた。この反省を活かし近年は、諸研究に際して理工学分野専門家の方々に教えをこうようにしており、理工学的なアプローチが眼科学、臨床眼科学においての問題解決に極めて重要であると考えるようになってきた。今回は日本歯科理工学会で講演させていただく機会をいただき、今まで取り組んできた諸研究における理工学分野とのコラボレーションについて述べてみたい。
  • 斎藤  一郎
    セッションID: OS-2
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/11
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     抗加齢医学(アンチエイジング医学)は「老化を遅らせて、病気にならず、いつまでも若々しく生きること」という人間なら誰でも望んでいることを医学的に検証し、実践する最新の医学です。「人はなぜ老いるのか」「老化を防ぎ、いつまでもはつらつと元気に生きるためには何をすべきか」についての最近の科学の進歩は目覚ましいものがあります。
    人はどこで老いを感じるのか? もちろん個人差もありますが、ほとんどの人に共通しているのは目と口です。特に目は、四〇歳を境にしていわゆる「老眼」を感じ始めます。次に老化を感じるのは口です。義歯、歯周病、口臭、味覚障害、口腔乾燥症で老化を自覚する方が多いことから、歯科医療は抗加齢医学の最前線にいます。
    従来、医学・歯学の分野では、専門化が進み他科との積極的な交流はありませんでした。ところが、アンチエイジング医学の世界でこうした考えは、無意味に近いものがあります。老化という問題は、人間の体全体を視野に入れなければなりません。脳、目、口、肌、筋肉、血管などから考え方までどこをとっても若々しい、というのがアンチエイジング医学の最終的なゴールです。歯は白く、肌も異様に若いけれど、やたらと物忘れが激しく体力が無いというのは、真のアンチエイジングとは言えないでしょう。
    病気にならないこと――これもそのままアンチエイジングにつながります。そのためにはやはり心身を理想的な状態にすることが最重要課題です。そのための食事、運動などの生活習慣の改善を行う。これがアンチエイジング医学の核となる部分といえます。そこで提案したいのが「口からはじめるアンチエイジング」です。口にトラブルがあると途端に生活の質が落ちます。当然活力が失われ、肉体的にも精神的にも大きなダメージを受けます。本講演は「口の若さを保ち、体全体の若さを保とう」という新しい提案です。
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