FM方式による超短波放送 (以後はFM放送という) は, 1941年米国で (WSM-FM) 局が開局して以来, ますます発展の傾向をたどり, 現在 (1958年末) 各国のFM局数は第1表に示す通り30余国におよんでいる.各国がこの方式を進めた理由は, 根本的にはAM方式の標準放送では混信, 雑音妨害などで十分に満足できる受信状態が得られず, 音質的にも限界にきていることと新規に音声放送を始めるには, 割当周波数が不足しているという事実にある.
わが国でも既にNHKが東京, 大阪で送信機出力1kWで, ついで東海大学がFM多重放送の実験電波を発射しており, さらにNHKが今年中に東京, 大阪で10kWの実験を申請するにおよんで, 漸く本放送実施への気運にある.
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