新型コロナウイルス(COVID-19)の感染の拡大は、社会全体に大きな影響を与えてきた。先行研究では様々な業種への影響を分析してきた。日本企業では、生命保険会社を始めとする機関投資家のプレゼンスが高まっているものの、あまり分析が行われていない。本研究では、金融業に与える効果を分析することを狙いとする。イベント・スタディーの手法を用いて、2020年1月にWHO(世界保健機関)の宣言に注目して市場に与えた効果について検証した。その結果、WHOのアナウンスメント効果は、銀行業に対して有意の負の効果があった。これに対して、その他の金融業に関しては負の影響を確認できなかった。金融業に与える効果は、業態によって異なることを示唆する結果となった。
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