【目的】当院で鵞足炎の診断を受けた72症例に対し,拡散型圧力波(Radial Pressure Wave: RPW)治療器を用い治療を行った.治療前後の疼痛状況変化について報告する.【方法】対象は,2019年4月から2021年5月までに鵞足炎の診断を受け,RPWを施行した72症例(男性5例,女性67例),平均年齢は71.1±12.8歳であった.機器はRPW治療器を用いた.照射条件は疼痛部位に,1.5~3.0 bar,10 Hz,2,000発,照射間隔は5~10日で最大10回までとした.疼痛評価はNumerical Rating Scale(NRS)を用い,疼痛状況の変化を観察した.【結果】RPW最終照射後72例中52例(72.2%)で症状が改善し治療を終了した.また,この治療が終了した群の初回照射前と最終照射後の治療終了群のNRS平均変化量は,3.5±1.7であった.このことから,照射後NRSの数値が3.5程度減少すれば有効であると示唆される.【考察】多数の鵞足炎症例で疼痛軽減効果が得られ,RPWが効果的であることが示唆された.
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