2022年4月27日,「医中誌Web」の大規模なバージョンアップが行われた。新機能の一つ「PubMed検索」では医学中央雑誌刊行会の持つシソーラスや収載誌のデータと,機械翻訳,PubMedのAPIを活用して,医中誌Webと同様の使い勝手でPubMedを日本語で検索することが可能である。本機能は医中誌Webの使用に慣れている方や,言語の問題でPubMedは敷居が高いと考えるユーザーに活用していただけるものとなっている。
電子ジャーナル購読料の継続的な値上りへの対応策が見いだせない状況において,ジャーナル購読をオープンアクセス出版に転換していこうとの動きが進んでいる。国内では,大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)が,オープンアクセス転換へのロードマップを策定した。オープンアクセスへの移行期間の電子ジャーナル利用契約として,購読料とオープンアクセス出版のための論文処理費用(APC)を一括にした転換契約が提示されつつある。図書館では,転換契約については,購読費とAPCの両方を考慮して導入の判断をする必要がある。本稿では,新しい契約モデルである転換契約が,図書館にとって持続して導入可能なモデルとなっていくための大学図書館と図書館コンソーシアムの対応を考える。
一般社団法人 情報科学技術協会(INFOSTA)が実施している「検索技術者検定(略称:検索検定)3級」は,2020年に実施方式が会場型CBT(Computer Based Testing)に変わった。これにより,試験期間中の都合の良い時期や日時に,全国47都道府県の約200会場で受験できるようになった。本稿ではこの試験の内容・公式テキスト・試験実施概要・申込み方法等を紹介する。確かな情報を得るためのスキルが必須のものとなっている今日のネット時代において,「検索検定3級」の試験範囲やその内容を理解することの重要性はますます高まっている。
Elsevier社が化学データベースの様々な活用事例を世界中のユーザー間で共有するためにReaxys User Dayというグローバルイベントを開催した。Reaxysユーザーの化学研究者とElsevier社のエキスパートがReaxysの独自の活用事例を発表した。事例発表は“Design”,“Make”,“Monitor”という3つのセクションに分かれて行われた。“Design”セクションでは,分子デザインに役立つ事例が紹介された。“Make”セクションでは化合物の合成計画に関する事例についての発表があった。“Monitor”セクションでは,特許調査に関する事例が紹介された。本論文では,Reaxys User Dayで発表された創薬および合成化学に関する化学データベースの活用事例の概要を紹介する。
Web of Science Core CollectionTMは世界初の引用索引データベースでWeb of ScienceTMプラットフォームで利用可能である。明確な収録基準による信頼できる情報から,引用,利用状況などを活用することにより知るべき情報を効率的に見つけることができる。また引用関係を活用して思いもかけない知るべき情報を見つけることが可能である。また引用関係とキーワード検索を組み合わせて効果的な集合を作成し,引用レポートや結果の分析機能を用いて,技術動向調査を行うこともできる。
医薬分野における論文調査サービスJDream SRについて紹介する。JDream SRは富士通株式会社で開発された3つの自然言語処理AI技術を活用し,論文調査をサポートするサービスである。検索,閲覧,エビデンス抽出,集計などのプロセスで活用できる機能を有している。創薬開発における薬剤の適応拡大のためのターゲット探索とゲノム医療における治療法選択のためのエビデンス調査のシーンを想定したJDream SRの活用事例を紹介する。