(独立行政法人)医薬品医療機器総合機構(PMDA)の主な3業務は,1)健康被害救済,2)医薬品・医療機器等の審査,並びに,3)製造販売後安全対策である。PMDAが行う新医薬品の承認審査は,申請者からの信頼性が裏付けられた申請データの評価で行われる。審査の結果,申請に係る効能又は効果が認められないときや,その効能又は効果に比べて著しく有害な作用を有することにより医薬品としての使用価値がないと認められるときは,申請品目への承認は与えられない。信頼性の高いデータを審査することで,PMDAは国民の健康や国民の安全の向上に積極的に貢献している。
大学では情報リテラシー教育が頻繁に実施されている。企業では入社時の社内教育の一環で実施することが多いが,両者とも本来の目的や目指す能力設定について明確な位置づけがなされてこなかったのではないかと思われる。そこで現状を把握し,本来の情報リテラシーはどうあるべきかについて検討した。企業で取り組む「意思決定のための課題解決プロセス」の考え方と照合することにより,情報リテラシーは「データ」から「情報」のレベルで必要とする能力に相当するといえる。このことは大学・企業とも共通した認識であるべきだと考える。異なるのはそれぞれの機会における期待される効果であり,そのことを明確に理解し認識する必要がある。また,教育担当者には十分な理解と意識が求められ,特に企業の担当者には,より高度なレベルに至る経験が求められている。
日本でオープンサイエンスを推進していく上で,学術情報検索サービスが研究者を支援していくことは重要である。本稿では,まずオープンサイエンスとは何かについて概観する。そして,学術情報検索サービスとして新たに求められている研究データ対応や知識グラフについて述べる。次に,海外の特徴的な学術情報検索サービスにおいて,各サービスがオープンサイエンスについてどのような対応を行っているかを紹介する。最後に,国立情報学研究所で現在開発中のCiNii Researchについて述べる。
本稿は2018年に株式会社サンメディア主催の「学術情報ソリューションセミナー」において筆者が行った発表「Summonへの挑戦状」をもとに執筆したものである。「Summonへの挑戦状」はディスカバリーサービスのユーザーや検討中の機関などから寄せられた質問に対して,ベテランのSummonユーザーが回答するQ&Aを紹介した。ディスカバリーサービス全般に対する様々な質問へのベテランユーザーからの回答を総合すれば,Summonは,それ以前にはなかった学術情報の利用方法を提供しており,初学者だけでなく研究者を含めたエンドユーザーにとって有益なツールである,といえる。
現在,大学図書館では,従来の印刷版資料に加え,電子ブックや電子ジャーナル等,多数の電子版資料を提供しており,東邦大学においても早くから導入してきた。電子版資料は,図書館の開館に関わらず,いつでもどこからでも利用できるメリットがある。そのため,電子版資料を有効利用してもらうためには,ただ契約するだけではなく,利用しやすいアクセス環境を用意する必要がある。東邦大学では,電子版資料を提供するための環境構築の一環として,2012年8月にディスカバリーサービスSummonを導入した。本稿ではSummonの導入経緯および導入後の取り組みや利用状況について報告する。
2018年10月時点で120以上の施設で利用されている,文章のオリジナリティを確認するオンライン型サービス「iThenticate」をご紹介します。簡単な使い方の説明から始まり,現状のデータベースの内容,特に少ないと指摘されてきた日本語に関して報告します。また,今後の展開に関しても新しい機能の追加予定等を記載しております。特に今回は,Research Integrityの実効ツールとして,大学,研究機関,民間企業での導入経緯を記載しています。今後,導入を検討する施設の参考となれば幸いです。