本論文では、多様化し拡張するインターンシップの現状において、インターンシップの周辺領域にあり、かつ先行するアルバイトに焦点を当ててアルバイトにおける習得スキルを中心に調査結果の分析を行う。本研究が最終的に目指すところは、インターンシップとアルバイト双方から得られるスキルを明確にすることで、インターンシップを補完または代替するキャリア教育プログラムとしてのアルバイトの可能性を検討することである。本論文では、アルバイトから得られるスキルを中心に分析した。その結果は以下の通りである。まず、学生のアルバイト先は、飲食を頭に流通-小売、流通-サービスの3業態が多く占める結果となった。これらは、アルバイトを含む非正規職員を人員の戦略としている業態といえる。次に、流通-小売、流通-サービスの業態では、アルバイト先、インターンシップ先、就職先の三つが同じであるケースがいくら確認された。ただしその場合でも、行き先の業態をより詳細な分類で見ると異なる。本調査結果の業態でのアルバイトの習得スキルは、ヒューマン・スキル、コンセプチュアル双方が多く、特に、コミュニケーションに関連するキーワードが多い結果となった。これらは、業務上必要なスキルであり、アルバイトの主となる習得スキルであることを確認した。最後に、アルバイト、インターンシップ各其々でしか従事できない分野があることを確認した。
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