写真測量の歴史を紐解いてみると一口にいって, 定量的写真測量は, 写真の位置情報の決定に主力が注がれてきたと思われる。しかし, 近年写真情報のディジタル化による定量的利用は, 写真に記録された情報の有効性が認識されればされるほど急速に進展し, 写真位置の決定という狭い領域から, 写真位置に何があるかという位置特性の情報抽出という広い領域へと発展しつつある。
最近著者は, 写真の位置特性の情報抽出が土木工学は基より医学・農学・理学など各分野に有意であると思いレソトゲン写真の濃淡分布, 工場の煤煙写真の濃淡分布, 地図上の濃度分布などの計測を実施してきた。
しかしながら, 濃淡というかぎられた情報要素で資料パターンを認識するには, 写真などの資料に含まれる多大な情報をより多く抽出しきれないことを痛感し, 一部の色調のパターン認識を試みたのでその概要を報告する。
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