蚕糸・昆虫バイオテック
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81 巻, 2 号
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特集:「昆虫の構造生物学」
総説
報文
  • 常山 泉, 池嶋 智美, 飯田 のり子, 鶴井 裕治, 田中 幸夫, 原 和二郎, 杉村 順夫, 蜷木 理
    2012 年 81 巻 2 号 p. 1_153-1_162
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/04/23
    ジャーナル フリー
     炭酸カルシウムに対する摂食反応性を支配する主働遺伝子の解析を行うために,炭酸カルシウムに対して強い摂食反応性を持つ系統とこれを持たない系統の間でF1ならびにBF1交雑種を作出し,それぞれの交雑種について個体別に摂食反応を調べた。セルロース粉末,寒天及び蒸留水から成る基本飼料と,この飼料に炭酸カルシウムを加えた飼料を孵化直後の蟻蚕に与え個体育した。72時間後に,供試した蚕数に対する飼料を摂食した蚕数の割合(摂食個体率)を調査し,この摂食個体率によって各交雑種の炭酸カルシウムに対する摂食反応性を評価した。その結果,個体育では,蟻蚕50頭による集団育の場合とは異なり,炭酸カルシウム摂食反応性が劣性的な形質として発現することが判明した。次に,この形質を支配する主働遺伝子を炭酸カルシウム摂食遺伝子(calcium carbonate preference:記号cacp)と命名し,原らの開発したcDNAクローンのRFLPを利用したSLA(Scanning linkage analysis)法及びBCMAP(Mapping for Back Cross)法によって遺伝解析を行った。その結果,cacp遺伝子が,分子遺伝子地図上の第9連関群(cDNAクローンリンケージグループ9:RFLG9)に所属することが明らかになり,また,その座位はRFLG9において0の位置であるcDNAクローンm162から21.4cMの距離にあることが推測された。
短報
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