計量国語学
Online ISSN : 2433-0302
Print ISSN : 0453-4611
31 巻, 8 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
2016年度特集 WWW コーパスを用いた研究
  • 「おもしろい」「おもしろくない」を事例として
    峪口 有香子, 岸江 信介, 桐村 喬
    原稿種別: 論文B
    2019 年 31 巻 8 号 p. 537-554
    発行日: 2019/03/20
    公開日: 2020/03/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,Twitterからの方言語形抽出結果と,全国の高年層を対象に実施した方言調査の結果および全国の大学生を対象に実施した方言アンケート調査結果等との比較を行い,どのような違いがみられるかについて検討を行った.その結果,全国の高年層で使用される方言がTwitter上で忠実に反映されているとは言い難いが,Twitterデータの結果と大学生を対象としたアンケート調査結果とは,概ね一致した.この点で,Twitterデータをことばの地域差を見出すための資料として十分活用できる可能性があることが判明した.Twitterから得られた言語資料は,伝統方言の地域差の解明とまでは必ずしもいかないにしても,若者世代を中心に用いられる新しい方言や表現形式の分布のほか,「気づかない方言」などの地域差を知る手がかりとして,今後,有効活用が期待される.
論文B
  • 多変量解析を用いて
    大川 孔明
    原稿種別: 論文B
    2019 年 31 巻 8 号 p. 555-571
    発行日: 2019/03/20
    公開日: 2020/03/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本論では,作品の文体を構成するさまざまな指標に基づいて分類を行ったとき,平安鎌倉時代の文学作品がどのような特徴を持つ文体類型に分けられるのかという点を,MVR-名詞率,文の長さ,会話文率,語種率(和語率,混種語率,漢語率),引用の「と/など」比率を指標にクラスター分析を用い考察した.その結果,平安鎌倉時代の文学作品には,和漢混淆文型,典型的和文型,初期和文型,日記文学型①,日記文学型②の5類型があることが明らかになった.さらに,和漢の対立やジャンルに基づく文体がどのような文体的特徴として表れるのかという点についても示し,複数の視点から文体を位置づけることの有効性を示した.
解説
  • 言語行動に関する日韓対照研究を中心に
    河 正一
    原稿種別: 解説
    2019 年 31 巻 8 号 p. 572-588
    発行日: 2019/03/20
    公開日: 2020/03/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では,言語行動に関する日韓対照研究のうち,研究対象として多く取り上げられてきた敬語,呼称,依頼,謝罪,ほめ,断り,不満を中心に研究動向を概観し,今後の課題と展望について述べた.日韓対照研究では,様々な観点から社会言語学的調査が行われてきたものの,調査対象となる言語行動のストラテジーに焦点が置かれた研究が多かった.今後,言語行動の全体をトータルで捉え,言語行動の動機付けとは何かという観点からポライトネスだけでなく,インポライトネスも視野に入れて分析していくべきである.
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