計量国語学
Online ISSN : 2433-0302
Print ISSN : 0453-4611
31 巻 , 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文A
  • Tsunoda, Ueda, and Itoh (1995a) の統計科学的再考察
    小野 洋平, 吉野 諒三, 林 文, ホイットマン ジョン
    原稿種別: 論文A
    2018 年 31 巻 4 号 p. 261-280
    発行日: 2019/03/20
    公開日: 2019/07/31
    ジャーナル オープンアクセス
    Tsunoda, Ueda, and Itoh(1995a)はTsunoda, Ueda, and Itoh(1995b)の129言語の19の語順に関するデータベースに対して,クラスター分析を適用することによって,言語類型論において1)側置詞の情報が類型において最も重要であること,2)さらに側置詞の中では前置詞言語かそれ以外(無側置言語と後置詞言語)の区別が重要であることを示した.しかし,尺度水準の観点からは,Tsunoda et al.(1995b)のデータベースは順序尺度もしくは名義尺度であり,我々は多重対応分析の適用がより適切であると考えた.本研究では,多重対応分析を実際に適用した結果,上記のTsunoda et al.(1995a)の結論は再考を要することを明らかにした.さらに,言語類型論においては3)主要部前置型(前置詞,VO,名詞-属格)と主要部後置型(後置詞,OV,属格-名詞)の分類と4)名詞句内部に関連する変数かそれ以外かという分類が重要であることが明らかになった.さらに4)に関して,名詞句内部に関する変数の中では「属格と名詞の順序」だけ例外であった.今後の言語学的な議論を期待したい.
論文B
  • 佐山 公一
    原稿種別: 論文B
    2018 年 31 巻 4 号 p. 281-296
    発行日: 2018/03/20
    公開日: 2019/07/31
    ジャーナル オープンアクセス
    日本語文法の文献の中には,助詞“に”と“へ”に明確な使い分けがないとするものがある一方で,互いに異なる“に”と“へ”の意味を詳細に説明しているものもある.本研究の目的は,日本語母語話者が“に”と“へ”を使い分けていることを実験的に確認することである.実験では,母語話者である大学生に,“に”や“へ”を含む本物の新聞見出しが,修正なしで,あるいは“に”や“へ”が削除されて,さらには,“に”と“へ”が相互に入れかえられて,それぞれランダムに呈示され,黙読および音読に要する時間が測定された.黙読の結果からは“に”と“へ”の使い分けを行っているかどうか,明確には分からなかった.しかし,音読の結果から,“に”を“へ”に置きかえた見出しを音読すると,“に”を含む元の見出しよりも有意に時間がかかることが分かった.本来置きかえることのできない“に”の語義を推論しにくくなるためと説明できる.文献の説明する“に”と“へ”の使い分けを,現在の日本語母語話者も行っていることが確認された.
新刊自己紹介
解説
  • カバレッジ・エラーとノンレスポンス・エラーへの対応
    松田 映二
    原稿種別: 解説
    2018 年 31 巻 4 号 p. 299-314
    発行日: 2018/03/20
    公開日: 2019/07/31
    ジャーナル オープンアクセス
    電話調査は,公的な名簿や電話帳を利用して調査対象者を選ぶ方法で始まった.電話帳に番号を掲載しない人を捕捉できなければ,調査ができず調査結果が偏るから,電話番号を乱数発生(RDD)させる方法に移行した.携帯電話番号も対象にして調査をすれば,携帯電話だけ所持する若年,中年層の多くも捕捉できる.ただし,携帯電話への調査は,回収率がとても低く,日本においては番号に地理情報が付加されていないという欠点がある.本稿は,電話法の利用に資する判断材料を提供する.
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