2012年に実施された文部科学省の調査によれば、公立小中学校の普通学級に在籍する特別な教育的支援の必要な児童生徒の割合は全国平均で6.5%であり、増加傾向にあるといわれる叱普通学級において特別な教育的支援を必要とする児童への配慮が大きな課題となっている。本論では、普通教室の現状で対応可能な合理的配慮としてクールダウンのための場所の設営と、教室内の着座位置に注目し、効果を計るアンケート調査を実施した。その結果、1.クールダウンの場所が必要な児童のうち、実際にクールダウンの場所が用意されている児童は、用意されていない児童に比べて、授業へ集中している割合が有意に高いこと、2.授業に集中しやすい着座位置として、保護者は児童の困難の種類によって違う位置を選択する場合があること、が示された。これらのことから、普通学級で特別な教育的支援を必要とする児童が授業へ集中するためには、クールダウンのための場所の設置が助けとなり、また、児童の困難の種類に配慮した着座位置の検討が有効な場合があることが示唆された。
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