室温での低線量率 (0.33kGy/h) 長時間照射 (基準条件) に対して、基準条件同様に試料の中心部まで酸化されることを前提として、照射時間を約十分の一にするために、次の二つの高線量短時間照射条件を選び、各条件における試料の劣化挙動を比較した。
1) 0.5MPaの酸素加圧下で、4.2kGy/hでの照射。
2) 70℃の空気中で、5.0kGy/hの線量率での照射。
試料として配合の異なる9種類のエチレン-プロピレンゴムを用い、最高2MGyまで照射後、機械的性質を測定し、照射に伴う100%モジュラスと破断伸びとの変化を検討し以下の結論を得た。酸素加圧下の場合には基準条件よりやや切断が多い傾向が認められ、70℃の照射では、やや架橋が進む傾向が認められた。しかし、時間短縮照射条件でのデータ群は基準条件のデータを1.0とするとほとんどの試料について1.0±0.25の範囲内にあり、時間短縮照射方法として両方法共許容できると考えられる。
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