ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
Print ISSN : 1342-0577
ISSN-L : 1342-0577
特集号: ネットワークポリマー
34 巻, 5 号
リソグラフィと光架橋・硬化材料
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
総説
  • 工藤 宏人
    2013 年34 巻5 号 p. 233-244
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    末端にメタクリロイル基を有するハイパーブランチポリマーは,A2 タイプモノマーとしてビスエポキシド,B3 タイプモノマーとしてトリスカルボン酸,C タイプモノマーとしてメタクリル酸を用い,A2+B3+C 型重合反応により,高収率で得られた。得られたハイパーブランチポリエステルの物理的特性やUV 硬化性は,対応する直鎖状ポリマーと比較すると優れていることが分かった。さらに,硬化膜の架橋密度は高く,低複屈折性を示すことが判明した。また,ラジカル重合性基やカチオン重合性基を有するカリックスアレーン誘導体やノーリア誘導体を合成しUV 硬化性樹脂への応用について検討した。その結果,優れた溶解性,成膜性,および耐熱性を示し,さらに,それらのUV 硬化性は最も優れていることが判明した。
  • 奥田 竜志
    2013 年34 巻5 号 p. 245-252
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    UV 硬化技術が印刷インキに応用され始めてから既に30 年以上が経過した。2012 年の国内需要は11,000 トン程度と推定され1),UV インキの特徴が生かせるさまざま用途,紙器包装,ビジネスフォーム,シールラベル,プラスチック印刷等に普及している。近年では,従来インキで印刷されてきた商業印刷(ちらし,カタログ等)でも,短納期に対応できるという特徴を生かし,採用が進んでいる。UV インキと言っても,その用途や印刷方式によってさまざまな種類があり,各用途の要求性能を満たすために,顔料,樹脂,UV モノマー,光開始剤等の材料を組み合わせて最適に設計されている。中でも樹脂材料は製品性能を決定する上で極めて重要である。また,UV 印刷分野における最近のトピックスとして,(1)環境調和型UV インキ,(2)省エネルギーUV インキ,について紹介する。
  • 村上 泰治
    2013 年34 巻5 号 p. 253-260
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    フィルム状の感光性材料である感光性フィルムの特徴と応用例を紹介するとともに,感度や解像度など,代表的な特性とそれを支配する因子を中心に解説した。感度については,マトリックスの影響に加え,現在主流のヘキサアリールビイミダゾール系光開始剤の光開始機構と高感度化手法について紹介した。解像度に関しては,光吸収や光散乱などの光学的な側面と,現像時膨潤の影響について言及した。さらに,膜強度向上のための手法についても技術動向を紹介した。
  • 大山 俊幸
    2013 年34 巻5 号 p. 261-271
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    感光性ポリイミドは,IC チップ/封止樹脂間のバッファコート層などに使用されているが,前駆体であるポリアミック酸の誘導体や化学修飾ポリイミドをポリマー成分として使用しているため,ポリマー合成の煩雑化や合成コストの増大,低い保存安定性,パターン形成後に高温後加熱によるアミック酸→イミドの変換が必要,などの欠点を有している。また,ポリイミド以外の多様なエンプラに感光性を与える汎用的な手法はこれまで知られていなかった。これに対して,エンプラ中のカルボン酸類縁基と現像液中の求核剤との高分子反応を利用して微細パターンを形成する「反応現像画像形成(RDP)」は,市販のポリイミドやポリカーボネート,ポリアリレートなどを含むカルボン酸類縁基含有エンプラに広く適用可能であり,かつ後加熱によるポリアミック酸からポリイミドへの変換が不要,一つのエンプラからポジ型とネガ型の両方のパターンを形成可能,などの利点を持っている。本稿では,現像時の高分子反応を利用した感光性付与法であるRDP の応用可能範囲やパターン形成原理などについて紹介する。
  • 白井 正充
    2013 年34 巻5 号 p. 272-278
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    紫外光リソグラフィ用フォトレジストは,半導体製造用の超微細加工やプリント配線板の回路作製のための材料として不可欠なものである。フォトレジスト材料は紫外光照射による溶解性の変化を利用するものであり,光照射で現像液に不溶になるものはネガ型レジスト,逆に光照射で可溶になるものはポジ型レジストレジストと呼ばれる。両タイプのレジストについては非化学増幅型と化学増幅型が有り,後者は極めて高感度であり,半導体用微細加工のKrF エキシマーレーザ(248 nm)やArF エキシマーレーザ(193 nm)を光源とした光リソグラフィに用いられている。 また,EUV(13.5 nm)リソグラフィ用レジストにも化学増幅型が使われている。本稿では,各種波長の光を用いたリソグラフィに用いられるフォトレジストのうち,架橋反応を活用したネガ型レジストに焦点を絞り,その設計概念を紹介した。
  • 関 修平
    2013 年34 巻5 号 p. 279-285
    発行日: 2013/09/10
    公開日: 2014/04/23
    ジャーナル フリー
    電離放射線の本質であるイオン化とそれに伴う化学反応を一定の空間に集約するという考え方は,電離放射線を利用した材料の加工や微細構造の観察における「常識」とも呼べる考え方である。一方で放射線化学におけるスパーの考え方は,バルク全体としては高い透過能に起因した均一な活性種の分布を前提に,光化学に比べ高い定量性を与える最大の要因でもある。本稿では,これらの境界領域ともいえる,単一の粒子によって引き起こされる“不均一性”と,高い透過能に由来した“次元制御性”を巧みに用いた,「ありとあらゆる材料」のナノ構造化を実証し,その機能化・機能複合化を目指した一連の研究成果について紹介する。
解説
feedback
Top