Synthesiology
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1 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • - 異分野融合と産学官垂直連携によるイノベーションの"短距離化" -
    本間 格
    2008 年1 巻4 号 p. 247-258
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    ナノテクノロジーとエネルギー技術の分野融合を図り、ナノ結晶電極をベースとした大容量・高出力型リチウム二次電池の研究開発を行った。また、基礎研究成果を迅速に実用化に結びつけるため垂直連携型の産学官プロジェクトを実施した。この産学官連携では大学、産総研、電池メーカーと自動車メーカーの川上から川下に至る4 つの参画機関による垂直連携型のプロジェクトにより大学・産総研の革新的成果の最短距離での実用化を目指すことができた。電池メーカーの協力を得て、ナノ結晶活物質を用いた高出力(3 kW/kg )・大容量型(30 Wh/kg)の高性能リチウム二次電池が試作できた。異分野融合と産学官垂直連携の組み合わせはイノベーションの"短距離化"を実践する有効な研究開発プロセスである。
  • - 生物発光タンパク質に基づくマルチ遺伝子発現検出キット -
    近江谷 克裕, 中島 芳浩
    2008 年1 巻4 号 p. 259-266
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    ヒトを含めた生き物の生命現象は、細胞内の多くの分子とその複雑な化学反応のネットワークにより制御されており、近年、このネットワークを解析する技術の開発が望まれていた。我々は発光色の異なるホタル(甲虫)の発光タンパク質(ルシフェラーゼ)に着目し、細胞内の複数の遺伝子発現を同時に検出する技術を開発した。開発した技術は実用化研究を経て、企業による製品化に結びついた。現在、本研究成果は、第1種基礎研究などへの回帰を経て、新たな実用化研究へと進展中である。
  • - 出会いの側面から見た本格研究シナリオ -
    蛯名 武雄
    2008 年1 巻4 号 p. 267-275
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    粘土を主成分にした膜の本格研究事例を紹介する。粘土は環境にやさしく、国内でも豊富に採れる資源である。これを膜化することにより耐熱ガスバリア材料として利用することができ、持続可能な産業に寄与できると期待される。粘土膜の発明から実用化にいたる過程の技術開発、広報、知的財産、技術移転の方法を述べるとともに、人あるいはグループの出会いが開発にどのように生かされてきたか分析する。さらに統合開発型イノベーションモデルによってコンソーシアムの有効性を議論する。
  • - リスク管理の実践に向けた構成学的研究アプローチ -
    駒井 武, 川辺 能成, 原 淳子, 坂本 靖英, 杉田 創
    2008 年1 巻4 号 p. 276-286
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    土壌と地下水の汚染が人の健康に与えるリスクを評価するための手法を開発した。種々の要素研究を基盤として、評価システム全体を最適に構成した。このため、分野融合型の研究計画を立案して、要素研究の実施からリスク評価システムの開発までを行い、さらに産業や社会で利用可能な形にした。本報告では、研究開発において採用した要素技術の統合と構成のシナリオ、リスク評価の実践におけるスパイラル的な研究展開を中心に、目標達成に至るまでのプロセスについて論じる。
  • - 持続可能な環境浄化技術の産業化 -
    垰田 博史
    2008 年1 巻4 号 p. 287-295
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    光触媒は光の照射によって難分解性の有害有機化学物質を水や二酸化炭素などに分解・無害化し環境を浄化することができる。実際の用途や経済性、法規制などを考慮しながら高機能光触媒の開発を行い、それを用いて環境分野へのさまざまな応用展開を行った。その結果、現在さまざまな製品が市場に出ている。
  • - 角度偏差の「見える化」を可能にしたロータリエンコーダの開発 -
    渡部 司
    2008 年1 巻4 号 p. 296-304
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/02/20
    ジャーナル フリー
    ロータリエンコーダは360度の分度器のように円周上に目盛スケールが刻まれ、それを検出することにより角度位置情報を出力する装置である。しかし、ロータリエンコーダの目盛スケールのずれや、回転軸の偏心の影響により理想的な角度位置から偏差が存在するため、ユーザーはエンコーダから得られる角度情報の信頼性をどのように確保して良いのか困っていた。この問題を解決するべく、さまざまな角度偏差の要因を、自分自身で検出し角度校正値として出力することができる自己校正機能付きロータリエンコーダ(SelfA: Self-calibratable Angle device)を開発した。このエンコーダはこれまでブラックボックス化していた角度偏差要因を検出、分離し、そしてそれら要因を定量的に評価できる「見える化」を実現した。
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