Synthesiology
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2 巻, 1 号
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新ジャーナル「Synthesiology - 構成学」発刊の趣旨
研究論文
  • - 実サービスを通じたベイジアンネットワークの学習と推論 -
    本村 陽一
    2009 年 2 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    ベイジアンネットワークの統計的学習、確率推論技術とユーザモデリング技術、大規模データ収集技術を要素技術として構成した生活行動予測モデルの構築技術について述べる。また因果的な構造をグラフィカルモデルであるベイジアンネットワークを状況や文脈も含んだ大規模データから構築するための必然から生まれた「実サービスを通じた調査・研究」の概念についても議論する。
  • - 定量NMR法による効率的な計量トレーサビリティの実現 -
    井原 俊英, 齋藤 剛, 杉本 直樹
    2009 年 2 巻 1 号 p. 12-22
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    食品や環境中の有害成分の正確な分析には標準物質が不可欠であるが、特に有機化合物に関しては、多様かつ急増するニーズに標準物質の供給が追いつかない状況にある。そこで、分析技術を高度化することによって、1つの基準となる物質から多様な有機化合物の定量を可能とする方法を開発した。具体的には、水素原子を対象とする核磁気共鳴法に着目し、異なる化学シフトの水素原子の信号量を精密に比較できるように改良することで、水素原子の基準から多様な有機標準物質に対して実用的な不確かさでの校正を可能とした。この成果により、国家標準物質の種類を最小限にできる効率的な計量トレーサビリティの実現の見通しを得た。
  • - 既存の3モデルを統合した環境製品普及評価モデルの構築 -
    松本 光崇, 近藤 伸亮
    2009 年 2 巻 1 号 p. 23-31
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    技術開発を通じて社会の変革を実現するためには、技術の社会受容を評価・分析することも重要な課題になる。本研究では特に温暖化対策に資する環境製品を対象にして製品普及の評価モデルの構築を行った。長期の普及分析と各種普及促進策の効果分析をともに実現するために、これまで個別に議論されてきた3つのモデル、すなわちBassモデル、消費者選好モデル、学習曲線モデル、を統合した評価モデルを構築した。本稿では、研究の目的、既存モデル、構築した統合モデル、統合モデルと必要データ組み込んだツール、分析事例を示す。
  • - 地球観測グリッド(GEO Grid)の設計と実装 -
    田中 良夫
    2009 年 2 巻 1 号 p. 32-41
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    本稿では、新たな科学技術手法として注目されているE-サイエンスの実装例として、地球観測グリッド(Global Earth Observation Grid、GEO Grid)の情報処理基盤の設計と実装について報告する。GEO Gridは、グリッド技術を用いて複数の組織の有するデータや計算を統合し、仮想的な研究環境を構築して提供する。幅広い応用分野のコミュニティにグリッドを用いたE-サイエンスの実例を提示するとともに、多数のソフトウエアコンポーネントを組み合わせて大規模システムを構築する手法を示す。
  • - リチウムイオン電池正極材料、燃料電池電極、金触媒での展開 -
    香山 正憲, 秋田 知樹, 田中 真悟, 前田 泰, 田中 孝治, 岡崎 一行, 吉川 純
    2009 年 2 巻 1 号 p. 42-50
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    ユビキタスエネルギーデバイスの鍵を握る機能材料開発では、材料基礎解析(電子顕微鏡観察、表面科学手法、第一原理計算)を有効に組み合わせることが重要である。本格研究における材料基礎解析の役割を議論し、材料開発グループとの緊密な連携研究を成功させるため様々な取り組みを行ってきた。リチウムイオン電池、燃料電池、触媒系のための独自の電顕観察技術や第一原理計算技術を構築し、材料開発に重要な貢献をするとともに、各種受賞など学術的にも高いレベルの成果が得られた。
  • - 理想状態からの「デチューニング 」によるプロセス強化 -
    中岩 勝, 大森 隆夫
    2009 年 2 巻 1 号 p. 51-59
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    本稿では、プロセス強化を実現する1つの方法論として、理想状態からの「デチューニング」という概念による省エネルギー化技術開発のアプローチ法を示し、内部熱交換型蒸留塔(HIDiC)を含む蒸留プロセスの開発を例として議論した。まず、典型的なエネルギー多消費プロセスである連続蒸留の特徴及びその理想状態である可逆蒸留操作の概念について説明した。次に、可逆蒸留を出発点として「デチューニング」により様々な省エネルギー型蒸留プロセスを導出することができることを示した。その1つであるHIDiCの特徴を他のプロセスと比較して議論し、NEDOプロジェクト等によるHIDiC技術開発の経緯と産総研の役割を論じた。
  • - 3次元構造の化合物データベースの開発 -
    福西 快文, 杉原 裕介, 三上 義明, 酒井 広太, 楠戸 寛, 中村 春木
    2009 年 2 巻 1 号 p. 60-68
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    毎年、医薬品探索向けに数百万種類の化合物が、それらの構造式のカタログとともに販売される。我々はこれら構造式から3次元構造化合物データベースを作成するソフトウェアを開発し、2004年以降、化合物データベースの構築・配布を行ってきた。また、多数の蛋白質と、これら化合物をドッキングさせた結果もデータベース化して配布している。これらのデータベースをバーチャルスクリーニングに用いることで、我々は複数の標的蛋白質で高い確率で活性化合物を発見してきた。
座談会
  • 谷下 一夫, 菱田 公一, 小野 晃, 赤松 幹之
    2009 年 2 巻 1 号 p. 69-74
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    慶應義塾大学理工学部は1996年にシステムデザイン工学科を発足させ、10年以上にわたって工学の新しい教育を行い、卒業生の活躍が注目されています。シンセシオロジー(構成学)とシステムデザイン工学の共通点に興味を持って、編集委員会から小野委員長と赤松編集幹事が2008年11月10日横浜市の矢上キャンパスを訪問し、学科長の菱田公一教授と学科創設のキーパーソンの1人である谷下一夫教授に加わっていただき座談会を開きました。
  • 吉川 弘之, 小野 晃, 小林 直人, 矢部 彰, 赤松 幹之, 内藤 耕
    2009 年 2 巻 1 号 p. 75-80
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/07
    ジャーナル フリー
    シンセシオロジーを創刊してから1 年が経ちました。その間4 号を発行し、全部で24 編の研究論文を掲載しました。これまでとは異なる表現形式でオリジナルな研究論文を書く試みをしてきたわけですが、各界の読者、著者、査読者から大変ポジティブな評価をいただいています。創刊一周年を機に編集に携わっている関係者でこの1年を振り返り、シンセシオロジーの今後を展望しました。
読者フォーラム・編集後記
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