Synthesiology
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8 巻, 2 号
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論文のポイント
研究論文
  • ― 国際標準化への貢献を目指した取り組み ―
    飯島 高志, 阿部 孝行, 井藤賀 久岳
    2015 年 8 巻 2 号 p. 62-69
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/12
    ジャーナル フリー
    安全性と経済性を両立させた水素エネルギー社会の実現に向けて、燃料電池自動車および水素ステーションの普及を進めるためには、高圧水素ガス関連機器に使用される材料の使用基準について国際調和を図ることが重要である。そのため、高圧水素ガス中で使用される金属材料に与える水素の影響を正確に評価できる手法の確立と、その手法を用いた高圧水素ガス関連機器に使用可能な鋼種の見極めが求められている。我々は、120 MPaまでの高圧水素ガス中で引張試験、破壊靭性試験、遅れ破壊試験等が可能な材料試験装置群を開発し、その運用ノウハウを蓄積するとともに、汎用金属材料についての材料試験データを収集している。特に、サンディア国立研究所と協力して、Cr-Mo系低合金鋼の日米の規格材について破壊靭性試験方法の国際比較を実施し、変位増加法で求めた破壊靭性値は高圧水素ガス中での金属材料の評価に有効なことを見いだした。
  • ― 「NEDOインサイド製品」トップ70に関する考察 ―
    山下 勝, 萬木 慶子, 木村 紀子, 宍戸 沙夜香, 吉田 朋央, 一色 俊之, 竹下 満
    2015 年 8 巻 2 号 p. 70-88
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/12
    ジャーナル フリー
    NEDOプロジェクトにより生み出された開発成果をコア技術として活用した製品やプロセスを「NEDOインサイド製品」と定義し、直近の売上、将来の売上見込等の売上効果、雇用創出効果、CO2削減効果等について分析、試算を行ったところ、直近の売上は4.08兆円/2010年、2011~2020年までの将来の売上見込額は69.1兆円と試算された。また、2011年~20年までの雇用創出効果は、10.9~18.5万人/年、CO2削減効果では、5,300万トン/年程度の削減効果があることが明らかとなった。さらに、2000年以降に開発された部材・部品、加工技術の成果が、最近の家電製品、コンピューター、自動車関連製品の中で数多く利用されていることを体系的に示すと共に、社会的便益が大きい事例としてリサイクルシステムの構築に、NEDOプロジェクトが大きく貢献していることを明らかにした。
  • ― レーザーコンプトン光子ビームの発生と非破壊検査への応用 ―
    豊川 弘之
    2015 年 8 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/12
    ジャーナル フリー
    原子核の研究等に用いられているレーザーコンプトン光子ビームを非破壊検査技術に応用し、透過力の強い産業用ラジオグラフィ技術の実証研究を行った。大型加速器の利用研究・維持管理等を行いながら新しい研究を立ち上げた経過を整理し、要素技術の開発と高度化に始まり、ユーザー利用研究の推進、研究成果の検証、そして新たな研究の方向性を定めて、それに向かって進んでいく過程について、技術的な説明を交えて解説した。研究実施例を基に、橋渡し研究の方法論を抽出することを試みた。
  • ― 手のひらサイズの高感度センサーを開発 ―
    粟津 浩一, 藤巻 真, ごぴなす さばっしゅ, 王 暁民
    2015 年 8 巻 2 号 p. 97-106
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/05/12
    ジャーナル フリー
    我々はかつてシンセシオロジー誌[1]において、導波モードセンサーの開発を報告した。この論文では、波長掃引方式の開発や装置の小型化方法についての研究紹介を行うとともに、応用例としてインフルエンザウイルスH3N2とその他の亜型の識別が明確にできたことを報告する。また我々はシアル酸の吸着の違いによるH3N2型とH5N1型の識別が導波モードセンサーで可能であることを示した。イムノクロマトグラフィー、ELISA、SPRとの感度比較をH3N2 Udorn株を用いて行い、この中では導波モードセンサーが最も高感度であることを確認した。このような小型高感度センサーは感染症の国内への侵入防止に対する水際対策として空港、航空機内、アリーナ等で有効であると考えている。
編集委員会
編集後記
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