北タイ熱帯山地常緑林における土壌およて湘木中の無機元素蓄積量をKog-Ma 流域調査区で調べた。土壌試料を1996 年12 月に, 28 樹種の葉,樹皮,木部試料を1995 年8 ・9 月に採集した。C, N, P, K, Ca, Mg, Fe, Mn, 5, Na の各元素を分析し,土壌および樹木中の元素蓄積量を算定した。土壌中の各元素濃度は表層で最も高く,深層になるにつれて低下するが,ある深さで一定の濃度となる傾向を示した。土壊中の各元素濃度は斜面下部で高く,斜面上部になるほど低くなった。土壌中の1m 深までの元素蓄積量はこれを反映し,斜面下部でもっとも多くなった。樹木中の元素蓄積量も,斜面下部で、もっとも多くなった。器官別では木部に,階層別では巨大高木層にもっとも多量の元素が蓄積されていた。C, N, K, Ca, Fe, Mn, Naの土壌中の蓄積量は211000 , 154000, 535, 272, 114, 1.69, 4.53, 149 kg/ha/m,樹木中の蓄積量は90400, 451 , 508, 69.4, 1.14, 5.45, 3.92 kg/ha と算定された。
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