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クエリ検索: "筋ジストロフィー"
5,610件中 1-20の結果を表示しています
  • 松家 豊
    医療
    1989年 43 巻 12 号 1250-1255
    発行日: 1989/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    進行性
    筋ジストロフィー
    症は終局的に呼吸筋萎縮による拘束性低換気の呼吸不全に陥る. 必然的に人工呼吸のターミナルケアが到来することになる.
    筋ジストロフィー
    の病態に適した体外式人工呼吸(CR)装置を開発し実用化した. CRは陰圧用ベンチレーターと気密性の体幹コルセツトからなる. 1980年以来, 実験的および臨床的にCRについて研究し患者の延命に役立てた. 自験例は20例(Duchenne型16例, LG型4例)に達し現在7例がCR継続中である. 使用期間は最長4年を過ぎた. CRからの死亡例, 気管切開への移行, 合併症などについても検討した. CRの適応はPaCO2, PaO2値の逆転する時期(60 Torr)に導入する. 長期となるため医学的管理のほか生活面の充実につとめることが肝要である. これら適応および管理に関しての方針も示した.
    筋ジストロフィー
    末期呼吸不全の治療には非侵襲的なCRを気管切開より優先することが有利である.
  • 吉川 秀人, 平山 義人, 黒川 徹, 宝道 定孝
    医療
    1991年 45 巻 9 号 898-902
    発行日: 1991/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    急速に進行する心不全を呈し死亡した福山型先天性
    筋ジストロフィー
    症の剖検例を報告した. 患児は生後より低緊張, 顔面筋罹患, 多発性関節拘縮, 精神運動発達遅滞を認め8ヵ月時, 筋生検施行され福山型先天性
    筋ジストロフィー
    症と診断された. 15歳4ヵ月より呼吸困難, 乏尿, 浮腫などの心不全症状が出現し検査で著明な心拡大および駆出率低下が認められた. 5カ月後, 肺炎が誘因となり心不全のため死亡した. 剖検の結果, 著明な心肥大, 心筋変性および線維化が認められ右室に著明であった. 福山型における心不全死の報告例で, このように急速に進行し死亡した例はない. 本疾患において心不全死は無視できず, またその症状にも多様性があることが示唆された.
  • 佐々木 俊明
    医療
    2007年 61 巻 12 号 786-790
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    筋ジストロフィー
    の口腔・顎顔面領域の形態と機能における, これまでの知見について紹介する. この領域の研究は, Duchenne型
    筋ジストロフィー
    : Duchenne Muscular Dystrophy (DMD)を対象にしたものが数多く, 近年は筋強直性ジストロフィー: Myotonic Dystrophy (MyD)についての報告もなされるようになった. 形態的特徴では, 舌肥大はDMDに認め, 舌萎縮はMyDに認めた. 歯列弓は, DMDで上下顎の歯列弓幅径が増大し, 長径は短縮していた. MyDでは, 上顎歯列弓の幅径が減少し, 高口蓋との関係が示唆された. 不正咬合では, 開咬および反対咬合が高頻度でDMD, MyDに認められた. X線CTによる咀嚼筋の調査から, DMDの咬筋には脂肪組織の浸潤をともなう筋障害が認められ, 筋断面が増大する偽性肥大が示唆された. 内側翼突筋では, 咬筋ほど著しい筋障害, 偽性肥大は示さなかった. MyDでは, 咬筋, 内側翼突筋ともに高度な脂肪組織浸潤をともなう筋障害と筋萎縮が示唆された. また, DMDの顔貌においては, 顔面周囲長が咬筋断面積の影響を受けることが示唆された. 機能的特徴では, DMDでの最大開口力, 最大咬合力の調査から, 顎顔面の成長期での咀嚼筋は, 筋障害の進行による筋力低下よりも成長による筋力の増加が上回ることが示唆され, この時期では真性肥大の可能性も考えられた. 咬合面積は, DMD, MyDの両者で著しく小さく, 開咬, 反対咬合のためであると考えられた. 以上述べた
    筋ジストロフィー
    の口腔・顎顔面領域の形態と機能の特徴が、構音障害, 咀嚼・嚥下障害などを理解する上で一助となることが望まれる.
  • 川井 充
    臨床神経学
    2009年 49 巻 11 号 863-866
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/28
    ジャーナル フリー
    1987年のデュシェンヌ型
    筋ジストロフィー
    の原因タンパクの発見から20年あまりがたち,ようやくエクソンスキッピング,ストップコドンの読み飛ばし,ユートロフィンの過剰発現など原因に近いところを標的とする治療法が実現しようとしている.日本でも治療法開発の最終段階として臨床試験がが計画されている.この領域では臨床試験の経験が乏しいため,適切な治療効果測定法が確立していない.
    筋ジストロフィー
    では有効な治療法とみとめられるためには標的となるの生物学的マーカーの改善の証明は当然のことであるが,筋量の増加,筋力の増加,ADLの改善,QOLの改善が証明されて本当に有用な治療法であると結論できる.筋ジス臨床研究班では2002年からこれらの評価法の開発に取り組んできた.また現在開発中の
    筋ジストロフィー
    の治療は特定の遺伝子変異を対象とするいわゆるテイラーメイドの治療であるため,すべての個人について遺伝子変異の種類と場所を特定できる体制を用意しなければならない.2009年国立精神・神経センターに遺伝子解析センターを設置したところである.また臨床試験を開始するとき充分な数の被験者を短期間に組み入れるのが困難であることが予想される.そのためあらかじめ臨床情報と遺伝情報をふくむ
    筋ジストロフィー
    患者登録システムREMUDY(Registry of Muscular Dystrophy)を発足させた.研究者や製薬企業にはプロトコールの対象となる患者数を,患者には治療法開発の最新情報を伝えることができ,希少疾患の臨床試験基盤整備の原形となることが期待される.
  • ―骨格筋, 心筋と中枢神経系―
    足立 克仁
    医療
    2006年 60 巻 10 号 603-609
    発行日: 2006/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Duchenne型
    筋ジストロフィー
    の確実な女性保因者において骨格筋と心筋の機能さらに中枢神経系の検討も行った. 骨格筋のCT像は左右差がみられ, 中でも大腿二頭筋に最もよく病変がみられた. 心筋障害は拡張型心筋症様を呈し, 好発部位は, 心エコーのwall motion index, 心筋SPECTなどの検索から, Duchenne型病者と同様に左室基部の後下壁に認められた. 保因者(母)と患児の心障害の部位は両者ほぼ同じであったが, 機能面では数値的には明らかな相関はなかった.
    中枢神経系では, 保因者12名のIQ(WAIS)値は62-122(94.8±18.0, mean±SD)であり, 80台以下の例が5名にみられた. この12名のうち骨格筋機能と心機能を調べたのは5名(43-61歳)であり, このうち2名では骨格筋, 心筋, 中枢神経系のすべてに症状がみられた.
    すなわち, Duchenne型
    筋ジストロフィー
    の女性保因者にはときに骨格筋, 心筋あるいは中枢神経系の障害が認められるものがあり, 軽微ながらDuchenne型病者と同様の病態が存在することが示唆された.
  • 松村 剛
    医療
    2007年 61 巻 12 号 781-785
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    筋ジストロフィー
    : progressive muscular dystrophy (PMD)では, 口腔咽頭筋障害による口唇閉鎖不全, 咀嚼力低下, 顎関節脱臼・拘縮・開口障害, 軟口蓋閉鎖不全, 嚥下障害などに加え, 巨舌や舌萎縮, 歯列不整や開咬, 高口蓋などの解剖学的異常が高頻度に認められ, 病型や発症年齢などで特徴を異にする. これらの異常は, 摂食嚥下機能障害や構音障害だけでなく, 丸呑みによる窒息の危険, 開口による非侵襲的呼吸管理時のエアリーク増大, 巨舌や開口障害による吸引や急変時処置困難などさまざまな影響を及ぼす. また, 運動機能の低下や歯列不整, 開口障害・巨舌などは口腔ケアを困難にするため,
    筋ジストロフィー
    では歯垢残存や舌苔が多く, う歯や歯周病, 誤嚥性肺炎のリスク要因となる. 歯科治療においては, アクセスの困難さに加え, 体幹筋力低下や変形による適切な治療姿勢保持困難, 開口障害や巨舌による視野確保・アプローチ困難などがある. また, 嚥下機能障害や呼吸不全, 心不全患者では処置中の誤嚥・窒息, 呼吸状態悪化, 麻酔薬中のエピネフリンによる不整脈誘発などが懸念され, 慎重なモニタリングと急変時への対応を準備して行う必要がある. これまで, 歯科学的問題に関する医科医療者の関心は十分とは言えなかったが, 医療技術の進歩により延命化が図られてきた現在, この問題が生活の質: quality of life (QOL)や生命予後に与える影響は小さくない. 適切な機能訓練や治療的介入, 定期的口腔検診などにより改善できる余地は大きいと思われ, 医科医療者と歯科医療者が連携して対処することが重要と考える.
  • 松村 剛, 齊藤 利雄, 藤村 晴俊, 神野 進, 佐古田 三郎
    臨床神経学
    2011年 51 巻 10 号 743-750
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/24
    ジャーナル フリー
    当院を受診し1977~2010年に死亡したDuchenne muscular dystrophy患者の死因を分析した.1984年に開始した呼吸管理や,1990年代以降の心保護治療をふくむ積極的加療の結果,平均死亡年令は1984年以前の18.9歳が2004年以降は31.1歳に延長し,さらなる延命が予測される.呼吸管理の長期化や在宅人工呼吸療法患者の増加から,二次性肺障害予防とリスクマネジメントが重要になっている.約半数を占めていた呼吸不全死は激減し,心不全が主要死因となった.心保護治療の進歩で拡張型心筋症によるうっ血性心不全が減少したが,循環不全による腎不全が出現しており,心腎連関への配慮が重要である.
  • ―罹病期間との関連から―
    印東 利勝
    医療
    1984年 38 巻 9 号 875-879
    発行日: 1984/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Duchenne 型
    筋ジストロフィー
    症(DMD)の運動機能障害進展過程を, 運動年令評価法を用いて, 罹病期間との関連で検討を行つた. 運動年令を低月令から高月令へと9段階に区分し, 各区分内で遂行し得た運動項目数から遂行率を算出し, 罹病期間との関連で検討を行い以下の結果を得た.
    1)運動年令低月令区分に属する運動項目の遂行率は緩徐に低下するのに対し, 高月令区分に属する運動項目では, 遂行率の低下は急激であつた.
    2)罹病期間が15年以上を経過しても低月令区分に属する運動項目は遂行率は20~30%台であつた.
  • 川井 充, 新谷 盟子, 市川 弥生子, 山本 知孝, 小宮 正, 宍倉 順子
    医療
    1995年 49 巻 12 号 1046-1049
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    麻痺性イレウスは障害度の高いデュシェンヌ型
    筋ジストロフィー
    患者に比較的多くみられる重大な合併症の一つである. 強い脊柱前彎と贏痩が危険因子となる. 悪心嘔吐のエピソードをくりかえすと食事摂取量が減少し, 体重がさらに減少する. この悪循環は中心静脈栄養で簡単に絶つことができる. 5kg程度体重を増加させるだけで, その後の消化器症状を予防し食事摂取量を増やせることがある.
  • ―総論―
    松村 剛, 斉藤 利雄, 野崎 園子, 神野 進
    医療
    2002年 56 巻 5 号 256-259
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 貝谷 久宣
    脳と発達
    2006年 38 巻 2 号 116-119
    発行日: 2006/03/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    (社) 日本
    筋ジストロフィー
    協会としての着床前診断に対する統一見解は持たないので, 1995年より4回行われた会員に対する遺伝子医療に関するアンケート調査の結果を示す. 着床前診断に賛成と答えたものの比率は, 1995年: 患者; 32.6%, 家族; 51.5%, 1998年: 患者; 35.8%, 家族; 53.5%, 2001年: 入所者;23%, 在宅者; 30%, 2005年: 患者; 38%, 家族; 47.3%であった. 著者は, 医療と福祉, すなわち, 反自然淘汰のより良い発展を求めて, さらに, 反人為淘汰の道を探るべきだと考える.
  • ―心理学的所見の概観及びその身体所見, 生きがいとの関連について―
    升田 慶三
    医療
    1989年 43 巻 11 号 1145-1156
    発行日: 1989/11/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立療養所原病院筋ジス病棟開設以来のDuchenne型
    筋ジストロフィー
    症患者の心理検査(知能及びY-G性格検査)のデータを集計して検討した. 第一に, Y-G性格検査の所見ではC型(安定適応, 消極型)が多く, D型(安定, 積極型)が少なかつた. 年令的変化では, 年令がすすむとともに, B型(不安定, 不適応, 積極型)が減り, A型(平均型, 特徴を示さぬ目立たない型)が増えている. 第二に, 身体的所見(肥痩, 側彎)や死亡原因, 死亡年令が心理的要因に影響されている可能性を検討し, 若干の関連をみた. 第三に, 筋ジス患者の療養生活と生きがいの問題を追及するための予備的な方法として, 過去の死亡DMDの生活意欲と心理要因の関係を検討し, IQとの関連を認めた. 今後は心理検査に投影法も加え, 心理面のより精密なデータをもとに検索を続行する.
  • 齊藤 利雄, 夛田羅 勝義, 川井 充
    臨床神経学
    2014年 54 巻 10 号 783-790
    発行日: 2014/10/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    1999~2012年の毎年10月1日時点で国内27
    筋ジストロフィー
    専門入院施設に入院中のDuchenne型
    筋ジストロフィー
    患者の病状と死因の経年変化を解析した.1999年は入院総数873例,平均年齢23.6歳,人工呼吸器装着率58.6%,経口摂取率は95.1%であったが,2012年には各々733例,30.1歳,86.1%,66.8%となった.胃瘻栄養例は経年的に増加した.死亡報告総数は521例で,死因の半数は心臓関連死であったが,死亡時平均年齢は2000年の26.7歳から2012年に32.4歳になった.集学的医療の効果によりDuchenne型
    筋ジストロフィー
    の寿命は延長している.
  • 足立 克仁, 木村 千代美, 齋藤 美穂, 上田 由利子, 乾 俊夫, 国重 誠, 馬木 良文, 赤池 雅史, 川井 尚臣
    医療
    2000年 54 巻 9 号 419-423
    発行日: 2000/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    遺伝・臨床的に悪性肢帯型と診断されていた
    筋ジストロフィー
    症例で, αあるいはγ-サルコグリカンの遺伝子が明らかにされた症例を報告する. 症例1は56歳女性で, 両親はいとこ婚である. 5歳で発症し, 13歳で歩行不能となった. 症例2は31歳の女性で症例1の姪であり, ほぼ同じ臨床経過を示した. 症例3は13歳の弧発例の女児で, 6歳で発症し, 10歳より登はん性起立がみられた. いづれも知能は正常で, 四肢近位部に優位な筋萎縮がみられ, 腓腹筋には軽度の肥大が認められた. 心エコーでは3例とも正常であった. 生検筋の免疫組織化学ではジストロフィンは筋細胞膜上に正常に染色されたが, α-, β-, γ-サルコグリカンの染色性はほとんどみられなかった. 症例1の剖検心所見では左室の後下壁に線維化が認められ, 心筋細胞にはサルコグリカンが欠損していた. 症例1, 2はα-サルコグリカン遺伝子に, 症例3はγ-サルコグリカン遺伝子に異常が認められた.
  • 鴻巣 武, 斎藤 博
    医療
    1998年 52 巻 5 号 316-320
    発行日: 1998/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    筋ジストロフィー
    在宅患者121名を対象に, 患者背景, かかりつけ病院, ADL, 介護・福祉サービス利用など30項目以上からなるアンケート調査を行った. 有効回答93通(77%)の主要な解析結果は, (1)患者の61%は日常生活に介助を要する中等ないし重度の障害を有したが, 26%はかかりつけ医をもたなかった. (2)34%は家庭内に介護人がおらず, 6%は一人暮らしであった. (3)保健婦・ヘルパーの利用は9%のみであった. (4)61%が病気や急変時の問題家庭および社会的悩みを有したが, 30%は相談相手がいないと答えた.(5)33%以上が訪問医療を希望し, とくにDuchenne型(DMD)と先天型, および重症患者で要望が有意に高かった. 以上より, 在宅患者が必ずしも入院患者より軽症ではないこと, および医療・福祉サービスとその情報提供が不充分なことが示された. 今後は国療の役割を明確にしつつ, 病院, 医院, 公的福祉機関とのネットワークを構築することが重要である.
  • 有田 憲司
    医療
    2007年 61 巻 12 号 811-818
    発行日: 2007/12/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Duchenne型
    筋ジストロフィー
    (DMD)は, 全身病状の進行につれて咀嚼筋の筋障害による閉口筋群と開口筋群との筋圧の不均衡ならびに舌肥大による舌圧と口唇・頬圧との不調和により, 口腔領域にも約90%の症例に上下顎歯列弓の側方拡大, 開咬および下顎角開大などの歯列・咬合異常がみられる. さらに, この口腔周囲の筋圧の不均衡および歯列・咬合異常の進行にともなって, 咬合接触面積の減少, 臼磨運動の障害および咬合力の低下や噛み切る能力など咀嚼機能に障害が現れるため, DMDでは口腔ケアの問題と並んで歯列・咬合異常による咀嚼障害が重大な歯科学的問題の一つとなっている. 近年, 医療の進歩によりDMDの平均寿命は延長しているとはいえ, 根本的治療法がなく呼吸器系および循環器系疾患などの合併症によりその予後はきわめて不良とされており, 生活能力の改善, 生活意欲の向上などQOLを尊重した治療や取り組みが重要であり, とりわけQOLと直結している摂食に関係する障害への対応は最優先されなければならない. しかし, 咀嚼障害に関して対処した報告はきわめて少なく, DMDの咀嚼障害に対する治療法に関しては未開発なまま残されている.
    本稿は, われわれがDMDの咀嚼機能回復を目的として考案した咬合床を装着した症例を報告し, 長期経過観察によりその有効性を検討することで, DMDの咀嚼障害への治療法確立への可能性および方向性を論じた.
  • 齊藤 利雄, 久留 聡, 髙橋 俊明, 鈴木 幹也, 尾方 克久
    臨床神経学
    2021年 61 巻 3 号 161-165
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/25
    [早期公開] 公開日: 2021/02/23
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    1999~2013年10月1日時点の全国27

    筋ジストロフィー
    専門施設入院患者データベースの筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis,以下ALSと略記)情報を解析した.1999年に29例であった入院例数は,2013年に164例となった.50歳代以上の患者が中心で,1999年の人工呼吸療法施行率は68.9%,経口摂取率は41.4%であったが,2013年には各々92.7%,10.4%となった.死因は,死亡時自発呼吸30例中26例,非侵襲的人工呼吸療法6例中5例で呼吸不全,気管切開下人工呼吸療法82例中26例で呼吸器感染症の他多様であった.療養介護病床となった
    筋ジストロフィー
    専門施設には,今後もALS患者入院数の増加が見込まれる.

  • 佐々木 俊明
    医療
    2007年 61 巻 10 号 645-651
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    筋ジストロフィー
    の口腔・顎顔面領域の形態, すなわち, 歯列弓, 咬合関係, 咀噛筋, 舌等の軟組織の形態について, Duchenne型(DMD), Becker型(BMD), 肢帯型(LGMD), 顔面肩甲上腕型(FSHD), 筋強直性ジストロフィー(MyD)の5つの病型について検討した. 歯列弓ではDMDで上下顎の幅径が増大し, 上下顎長径は減少した. MyDでは男女とも上顎幅径が減少した. 不正咬合では, 開咬がDMDで69.4%, MyDで56.7%に認められた. また, 反対咬合はDMDで59.7%, MyDは43.3%, さらにFSHDでも54.5%に認められた. 咀噛筋のX線CT所見では, 咬筋, 内側翼突筋のCT値からMyD, DMD, BMDで筋障害が顕著であり, FSHDではこれらの筋は障害を受けていないことが示唆された. 断面積からは, MyDで筋萎縮が認められたのに対しDMD, BMDでは偽性肥大が示唆された. 舌のCT値からMyD, DMDで著しい筋障害が示唆された. これらの結果から, 口腔・顎顔面領域の形態は病型により違いがあることが示唆された.
  • 佐々木 俊明
    医療
    2007年 61 巻 10 号 652-657
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    筋ジストロフィー
    の口腔・顎顔面領域の機能, すなわち, 最大咬合力, 咬合状態, 咬合面積について, Duchenne型(DMD), Becker型(BMD), 肢帯型(LGMD), 顔面肩甲上腕型(FSHD), 筋強直性ジストロフィー(MyD)の5つの病型について検討した. また, 最大開口力はDMDでのみ検討した. 病型別最大咬合力はDMD, LGMD, MyD (p<0.01)およびBMD (p<0.05)で対照者に対して有意に小さい値を示した. FSHDでは対照者と同程度の咬合力であった. DMDの最大開口力の平均値は対照者のおよそ半分であり, 両者間には有意差が認められた(p<0.01). DMDでは, 最大開口力, 最大咬合力ともに, 10歳前から対照者より小さい値を示し, 開口筋群, 閉口筋群ともに筋力が低下していることが示唆された. しかし, 筋力低下はあるものの, 年齢の増加にともない最大開口力および最大咬合力も大きくなる傾向を示した. 咬合面積では, DMDとMyDで小さい値を示した. 以上の結果から, DMDとMyDは, 他の病型に比べ咀噛能力が低下していることが示唆された.
  • 倉橋 昌也, 宮本 美也子, 大野 正雄, 戸川 直樹, 藤岡 洋, 上木 昇, 波田 寿一, 東野 一彌, 増本 晃一郎
    日本内科学会雑誌
    1989年 78 巻 5 号 655-660
    発行日: 1989/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    今回,我々は心不全を初発症状としたDuchenne型
    筋ジストロフィー
    症(以下DMD)の保因者の1例を経験したので報告する.症例は38才の女性で,動悸・労作時呼吸困難を主訴に来院した.約2年間の臨床経過中,心不全は徐々に増悪し,血液生化学検査では血中筋原性酵素が持続的な高値を示した.心エコー検査では,左室壁運動障害が急速に進行し,その推移はDMDのそれとよく類似していた.剖検では,左室後側壁および心室中隔に心筋の線維化を認め,その分布はDMDの好発部位と一致していた.従って,保因者でもDMDと同じ心筋病変を呈する事が明らかとなり,その把握には心エコーによる経時的観察が有用であると考えられた.
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