詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "セシウム137"
1,177件中 1-20の結果を表示しています
  • *赤岩 哲, 加藤 弘亮, 篠塚 友輝
    日本森林学会大会発表データベース
    2020年 131 巻 P1-168
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/07/27
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、福島県浪江町の高沈着量地域に位置する森林流域を対象として、湧水及び渓流水の流量を観測するとともに、湧水・渓流水・土壌水に含まれる溶存態

    セシウム
    137
    濃度及び各種溶存イオン濃度を測定した。また、粗大有機物と渓流水中の浮遊砂の懸濁態
    セシウム
    137
    濃度を測定した。それらの観測データに基づいて、渓流水中の放射性セシウム濃度の形成メカニズムを解明することを目的として研究を行った。調査期間は2018年6月から2019年12月の約1年6か月間とした。観測結果から、春から夏にかけて気温の上昇とともに渓流水中の溶存態
    セシウム
    137
    濃度が増加し、夏には流量の増加とともに溶存態
    セシウム
    137
    濃度が減少する傾向が認められた。冬季には微小な増加傾向が観測された。渓流水と土壌水の溶存態
    セシウム
    137
    濃度は正の相関を示した。さらに渓流水の溶存態
    セシウム
    137
    濃度は、湧水点から下流方向に向かって増加する傾向を示した。以上の結果から、渓流水の溶存態
    セシウム
    137
    濃度は季節変化を示し、流量増加による希釈効果や、渓流水が流下する過程での土壌水との混合、林床や河道に堆積した粗大有機物からの溶出の影響が示唆された。

  • *熊本 雄一郎, 青山 道夫, 村田 昌彦, 渡邉 修一, 深澤 理郎
    日本地球化学会年会要旨集
    2009年 56 巻 3E01 04-01
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    核実験起源炭素14と
    セシウム
    137
    は、ともに海洋循環の研究にとって重要なトレーサである。1970年代に実施されたGEOSECSによってはじめて明らかにされたそれらの全球規模の分布は、海洋循環に関する多くの知見をもたらした。しかしながら、主に分析上の制約から、その後の海洋における
    セシウム
    137
    のデータ蓄積量は、炭素14のそれに比べて圧倒的に少ない。我々は、2003/04年に南半球亜熱帯海域においてBEAGLE2003(「みらい」MR03-K04)航海を実施し、南太平洋南緯約32度、南大西洋南緯約30度、インド洋南緯約20度における核実験起源炭素14と
    セシウム
    137
    の分布をはじめて同時に明らかにした。「みらい」船上で採取された海水試料中の炭素14(DELTA14C)及び
    セシウム
    137
    は、それぞれ加速器質量分析法、極低バックグランド放射線計測装置を用いて陸上の施設で測定された。下図に、各観測点における核実験起源炭素14と
    セシウム
    137
    の鉛直積算量を示す。海盆ごとに平均した核実験起源炭素14の鉛直積算量は、インド洋で最も小さくなっていた。これまでの観測で得られた結果から、大気海洋気体交換によって海洋表面水に移行した核実験起源炭素14は、高緯度で形成されたモード水/中層水によって中緯度中層に運ばれ緯度30~40度を中心に蓄積されていること、そして低緯度ほどその蓄積量が減少していくことがわかっている。インド洋における相対的に小さい積算量は、インド洋の観測が南緯約20度で実施されたのに対して、南太平洋と南大西洋の観測が南緯約30度で行われたことによると推察される。一方、同時に測定された核実験起源
    セシウム
    137
    は、核実験起源炭素14とは逆にインド洋でその鉛直積算量が最も大きくなっていた。核実験で生成した
    セシウム
    137
    はフォールアウトにより海洋に供給されたが、そのフォールアウトによる供給だけでは今回観測されたインド洋の大きな積算量は説明できない。この原因としては、インド洋に比べて
    セシウム
    137
    濃度の高い北太平洋表層水のインド洋への移流(すなわちインドネシア通過流)によって、北太平洋からインド洋への
    セシウム
    137
    が運ばれてきたことが考えられる。すなわち、核実験起源炭素14と
    セシウム
    137
    の分布の違いは、それらトレーサの大気から海洋への移行過程、海洋内部での循環過程の違いによるものと考察された。
  • 山中 潤一, *丸茂 克美, 廣上 清一, 土屋 秀二, 高瀬 尚人, 山田 優子
    日本地球化学会年会要旨集
    2014年 61 巻 3P64
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/12
    会議録・要旨集 フリー
    富山市の土壌中には大気圏内核実験由来の
    セシウム
    137
    のみが含まれ、深度25cmの深さまで移行している。
    セシウム
    137
    は有機体炭素とともに地下に移行している可能性がある。カドミウム土壌汚染対策でカドミウムとともに地下に埋設された
    セシウム
    137
    は現在も地下に残留しており、客土工法が放射性セシウム汚染土壌処理に有効であることが明らかにされた。
  • *香山 雅純, 三浦 覚, 篠宮 桂樹
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-456
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    東日本大震災に伴う原子力発電所の事故から10年が経過したが、山菜として人気のコシアブラについては高い放射性セシウム濃度を検出しており、現在でも福島県内のほとんどの市町村において出荷制限や自粛がなされている。農作物では、放射性セシウムの吸収はカリウムの施肥によって抑制されることが明らかにされているが、コシアブラの放射性セシウム吸収とカリウムとの関係は不明である。そこで、本研究ではコシアブラの放射性セシウム吸収特性を明らかにするために、複数のコシアブラ生育地で土壌の調査を行った。試験地は、福島県田村市の4カ所 (船引町石森、船引町上移、常葉町西向、都路町古道) に設定した。各試験地の斜面の上部・中部・下部ごとに個体を選定し、葉・リター・土壌中の放射性

    セシウム
    137
    の濃度の測定を行った。2021年5月に採取したコシアブラの葉内
    セシウム
    137
    は、船引町上移、常葉町西向において斜面上部の個体で高い値を示し、リター中の
    セシウム
    137
    と正の相関を示した。また、
    セシウム
    137
    の面移行係数は土壌の交換性カリウムと負の相関を示し、カリウム濃度が高い立地では葉への
    セシウム
    137
    の移行が抑制されていた。

  • *金指 努, 和田 敏裕, 鈴木 紳悟, 森高 祥太, 薄 実咲, 難波 謙二
    日本森林学会大会発表データベース
    2021年 132 巻 P-246
    発行日: 2021/05/24
    公開日: 2021/11/17
    会議録・要旨集 フリー

    森林を流れる渓流の生態系では、渓畔林から渓流へ供給される外来性有機物が重要な一次生産物の役割を担っている。そのため、渓畔林の放射性セシウム汚染レベルから、渓流生態系の汚染レベルを推定可能と考えるが、渓畔林における放射性セシウムの実態については知見が少ない。本研究では、福島県の中通り・浜通り地方を流れる10渓流の渓畔域にて、樹木の生葉・林床リター・表層 5cmの土壌を、2020年6~9月に採集し、

    セシウム
    137
    濃度を測定・解析し、3要素間の関係を明らかにした。生葉を採集した樹種は、イタヤカエデ、オニグルミ、コナラ、フサザクラ、スギであり、イタヤカエデは10渓流すべてでで、その他は3~6渓流で採集された。土壌―生葉における
    セシウム
    137
    の面移行係数は、樹種によっては調査地で大きく異なり、例えばイタヤカエデでは4.6×10-4~5.7×10-3と一桁異なった。しかし、生葉・林床リター・土壌の
    セシウム
    137
    濃度にはそれぞれ正の非線形関係が認められた。また、5渓流で測定されたイワナ・ヤマメの
    セシウム
    137
    濃度と上記3要素の間にも、それぞれ正の相関が認められたため、渓流生態系の放射性セシウム汚染レベルをできる可能性が示された。

  • 清野 嘉之, 赤間 亮夫
    森林総合研究所研究報告
    2016年 15 巻 1-2 号 1-15
    発行日: 2016年
    公開日: 2019/03/20
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    電子付録
    スギ人工林は日本を代表する常緑針葉樹の生態系である。スギはユニークな常緑樹で葉に離層を作らず、葉の寿命が明らかでない。スギの生きている葉と枯死したばかりの葉の齢構成を調べ、寿命と枯死過程を推定した。スギの葉の寿命は1~8年で、平均は4.3~5.3年であった。葉の交代様式と
    セシウム
    137
    濃度をモデル化し、福島第一原発事故後に採取したさまざまな齢の葉の
    セシウム
    137
    濃度のデータにもとづいて、落葉による
    セシウム
    137
    の林床への供給可能量を推定した。2011年3月11日以前に生まれた葉(事故前葉)の約9割は事故から4年以内に枯死すると予測された。また、林冠の事故前葉の
    セシウム
    137
    の約9割は事故から3年以内に他に移動すると予測された。モデルで予測した林分当たりの葉の
    セシウム
    137
    濃度のトレンドを、福島県に設けた4つの長期調査プロットの計測値で検証した。本研究により、福島第一原発事故で直接汚染した葉の
    セシウム
    137
    は事故前葉よりも速いペースで林冠から林床に移動することが明らかになった。スギの葉の枯死と交代の情報の利用により、福島第一原発事故により被災したスギ林の放射性セシウムの将来や存続の程度をより正確に予測できると考えられる。
  • *伊東 宏樹, 三浦 覚, 長倉 淳子, 平井 敬三, 金指 努
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-461
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    福島県田村市都路地区で採取した広葉樹の当年枝の

    セシウム
    137
    濃度を統計モデルにより解析した。まず、コナラのみを対象として、(1)サイト変量効果が平均のみに影響するとしたモデルと、(2)平均と標準偏差の両方に影響するとしたモデルを作成した。常用対数変換した
    セシウム
    137
    濃度を目的変数として、それぞれのモデルにデータを当てはめ、新しくサイトが追加された場合を想定してWAICによりモデル選択をおこなったところ、WAICの値は両モデルで大きな差はなく、より単純なモデル(1)を採用できた。すなわち、標準偏差はサイト間で共通と扱ってよいことが示された。つづいてこの結果をうけて、全樹種を含めたデータを、サイトおよび樹種が平均に影響する変量効果として働き、幹の由来(植栽/萌芽)を説明変数とするモデルにあてはめた。その結果、当年枝
    セシウム
    137
    濃度のサイト内のばらつきは、樹種や由来の効果を除いて、通常スケールで38倍程度の範囲に95%の確率で収まると推定された。また、新しいサイトで当年枝
    セシウム
    137
    濃度を測定する場合、標本サイズがおおむね5以上あればサイト内の値の分布を適切に評価できると考えられた。

  • *金指 努, 和田 敏裕, 石井 弓美子, 寺本 航, JO Jaeick, 難波 謙二, 林 誠二, 五月女 忠弘
    日本森林学会大会発表データベース
    2020年 131 巻 P2-269
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/07/27
    会議録・要旨集 フリー

    福島第一原子力発電所から比較的近距離の山地渓流では、未だにイワナ・ヤマメの放射性セシウム濃度が、基準値100Bq/kgを超える場合があるため、基準値以上の濃度が維持されるメカニズムを明らかにする必要がある。イワナ・ヤマメ共に、放射性セシウム濃度にはサイズ効果の影響が明らかにされているが、サイズ、採取日、採取場所が同じあっても、個体間で

    セシウム
    137
    濃度が1.5倍以上異なる場合がある。この個体による放射性
    セシウム
    137
    濃度の違いは、個体ごとの食性の違いによると仮定し、放射性セシウム濃度と胃内容物構成との関係を解析した。福島県の浪江町と南相馬市を流れる太田川にて、2018年4月から2019年3月までに採取されたイワナ・ヤマメを対象とした。魚種、採取日が同一であり、採取場所が500m以内の個体の中から、体長比が5%以内、
    セシウム
    137
    濃度が1.5倍以上のペアを選んだ。胃を分離して湿重を測定した後、胃を切開し、胃内容物の種構成を、可能な限り科レベルまで分類し、個体数と湿重を測定した。イワナ及びヤマメの胃から、それぞれ16目及び13目の生物が認められた。イワナでは、陸生生物の湿重割合が高い個体で
    セシウム
    137
    濃度が高い傾向を示した。

  • *岩澤 勝巳
    日本森林学会大会発表データベース
    2018年 129 巻 P1-144
    発行日: 2018/05/28
    公開日: 2018/05/28
    会議録・要旨集 フリー

     福島第一原発事故の影響により、原木シイタケ栽培では原木需給がひっ迫しており、放射性セシウム濃度の低い原木林の再生が急務となっている。そこで、汚染地域にコナラ苗木を植栽して原木林を再生する技術を確立するため、

    セシウム
    137
    濃度が3段階に異なる土壌を入れたポットにコナラ苗木を植栽し、6か月後、1年6か月後、2年6か月後に
    セシウム
    137
    濃度を測定して経年変化を調査した。また、除染資材としてゼオライトと粉炭を施用した場合の効果を検証した。 その結果、
    セシウム
    137
    濃度が9Bq/kg及び89Bq/kgの土壌では、除染資材を施用しなくても、
    セシウム
    137
    濃度の上昇はほとんど認められなかった。このため、このような土壌の低濃度汚染地域では、特に対策をしなくても原木林の再生ができる可能性が高いと考えられた。しかし、1,282Bq/kgの土壌では、除染資材を施用しない場合、コナラ苗木の濃度には上昇傾向が認められた。この土壌にゼオライトを施用した場合は上昇幅が大幅に抑制され、高濃度に汚染された土壌では、ゼオライト施用が放射性セシウム濃度の低いコナラ原木林の育成に有効と考えられた。一方、粉炭の施用効果はゼオライトに比べ限定的であった。

  • *今中 哲二
    日本放射線影響学会大会講演要旨集
    2010年 2010 巻 S6-6
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/01
    会議録・要旨集 フリー
    広島原爆の直後、爆心地から西方約3kmの己斐・高須地区において、核分裂生成物(FP)を含む黒い雨が降ったことはよく知られている。しかしながら、北西方向山間部に降った黒い雨の放射能については、原爆直後に放射線調査が実施されていないこともあって、放射能沈着の実態はいまだに明らかでない。本研究では黒い雨とともに山間部に沈着したFP放射能量とそれにともなう空間ガンマ線量の推定を試みた。まず、1976年に実施された広島市周辺土壌の
    セシウム
    137
    測定データ、本シンポジウムで山本から報告される床下土壌の
    セシウム
    137
    測定データなどから、山間部黒い雨地域における原爆由来の
    セシウム
    137
    初期沈着量を0.5~2.0kBq/m2と見積もった。
    セシウム
    137
    以外のFP組成については、主要な29核種を対象に、
    セシウム
    137
    に対する放射能量比をJNDC FP Libraryを用いて計算し、揮発性核種と難融性核種とのfractionation効果を考慮しながら沈着量を求めた。沈着放射能は沈着地点に留まるという仮定のもとに沈着後2週間分の地上1mでの積算空間ガンマ線量を求めると10~60mGyとなった。
  • *清野 嘉之, 赤間 亮夫, 齊藤 哲
    日本森林学会大会発表データベース
    2013年 124 巻 O17
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    山菜の放射能汚染が報告されているが、山菜の採取・利用に当たっての注意は喚起されていない。科学的データにもとづいて対処方針をたてる必要がある。2012年5月に福島県川内村と大玉村で山菜14種30サンプルを採取し、γ線スペクトロメトリー法で放射性セシウム濃度を計測した。夏には12種24サンプルを採った。5月の結果(既報)は以下の通りで、採取地の空間線量率は0.3~5μSv hr-1、山菜乾重1 kg当たりの
    セシウム
    137
    濃度(Bq kg-1)は100~14,300、同134+137濃度は162~24,100、後者の生重換算濃度は16~2,810であった。
    セシウム
    137
    濃度は空間線量率と正の相関があり、採取個体が付着根を持ったり、集水地形に育つ場合に高濃度であった。成果にもとづき、高濃度汚染の山菜を採る危険を減らすための対処方針(案)を作成した。夏のサンプル乾重1㎏当たりの
    セシウム
    137
    濃度(Bq kg-1)は187~19,300で、5月と比べて、濃度は低下したものから増加したものまで種によってさまざまで、成長様式の違いが関係していると考えられた。今後データを増やし検証していく。
  • 有田 康一, 芦澤 淳, 藤本 泰文, 嶋田 哲郎, 林 誠二, 玉置 雅紀, 矢部 徹
    土木学会論文集G(環境)
    2015年 71 巻 7 号 III_267-III_276
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/06/01
    ジャーナル フリー
     淡水魚は海水魚よりも放射性セシウムを蓄積しやすいと考えられている.しかし成長段階に応じた蓄積については,十分に明らかになってはいない.そこで本研究では,オオクチバスMicropterus salmoidesによる放射性セシウムの蓄積様を明らかにすることを目的として,成長段階ごとの放射性セシウム濃度を測定し,
    セシウム
    137
    /カリウム40比についても検討した.
    セシウム
    137
    濃度は孵化により低下し,摂餌開始により上昇した.1個体あたりの
    セシウム
    137
    蓄積量は,孵化後6ヶ月間で8.6×102倍となり,成長に伴う摂餌の開始と食性の変化が放射性セシウムの蓄積に寄与している可能性が示唆された.
  • 伊井 一夫, 二瓶 直登, 廣瀬 農, 小林 奈通子, 菅野 宗夫, 溝口 勝
    RADIOISOTOPES
    2021年 70 巻 2 号 63-72
    発行日: 2021/02/15
    公開日: 2021/02/15
    ジャーナル オープンアクセス

    我々は,東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質汚染により避難を余儀なくされた福島県飯舘村で2012年以降連年稲の試験栽培を行ってきた。2012–2013年は圃場の土壌の除染度,塩化カリウム施肥によって玄米の放射性セシウムが減少することを示した。2015–2019年の塩化カリウム施肥圃場での結果では,土壌の

    セシウム
    137
    濃度はほとんど変わらなかったが,玄米,ワラの
    セシウム
    137
    濃度は1/5以下に減少した。土壌から玄米,ワラへの
    セシウム
    137
    の移行係数は玄米では0.0022(2015年)から0.0003(2019年)に,ワラでは0.0262(2015年)から0.0028(2019年)となった。これはこの間の土壌の交換性カリウムの増加による寄与もあるが主には
    セシウム
    137
    のエイジングによる土壌への固定化が進み,徐々に稲に吸収されにくくなることを示唆した。この示唆は,2017, 2018, 2019年の乾燥土壌の交換性
    セシウム
    137
    の比較分析によっても支持された。

  • *金指 努, 和田 敏裕
    日本森林学会大会発表データベース
    2023年 134 巻 P-477
    発行日: 2023/05/30
    公開日: 2023/05/30
    会議録・要旨集 フリー

    森林を流れる渓流の生態系では、渓畔林から渓流へ供給される外来性有機物が重要な一次生産物の役割を担っている。そのため、渓畔林が放射性セシウムに汚染されると、渓流生態系も食物網を通して放射性セシウムが移行していき、漁業対象種となっている魚類の放射性セシウム汚染につながると予想されるが、詳しいプロセスについての知見が少ない。本研究では、福島県の放射性セシウム高汚染地域の渓流にて、渓畔域の樹木の生葉が枯死脱落して河川に堆積し、枯死葉を食物源とする水生昆虫が放射性セシウム取り込む過程における

    セシウム
    137
    濃度の変化を明らかにした。2021年から2022年の秋期または冬期に、それぞれの秋期に地表に落下した枯死葉を樹種別に採取し、さらに河川に堆積している枯死葉及び枯死葉を摂食する水生昆虫(カクツツトビケラ科;Lepidostomatidae)を採取した。渓畔林の樹木の生葉は2022年の夏期に採取した。それぞれの
    セシウム
    137
    濃度の大小関係は、生葉>地表の枯死葉>河川の枯死葉>カクツツトビケラ科の傾向を示し、渓畔林の生葉が枯死して渓流に堆積し水生昆虫に摂食される過程で
    セシウム
    137
    濃度は低下していくことが明らかになった。

  • *金指 努, 和田 敏裕, 長田 健太郎
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-452
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    福島県の一部の渓流では、未だ漁業対象となる渓流魚の放射性セシウム濃度が基準値(100 Bq kg-1)より高く、出荷制限指示が行われているため、渓流魚の放射性セシウム汚染プロセスを解明することは重要な課題である。放射性セシウムに汚染された餌を摂取することによって、魚類は放射性セシウムに汚染すると考える。渓流魚にとって、水生昆虫は重要な餌資源であり、種によって異なる食性を持つ水生昆虫の放射性セシウム汚染のプロセス解明は、渓流魚の汚染経路を明らかにする上で重要であると予測する。また、枯死葉を一次生産とする食物網が、森林を流れる渓流生態系では発達している。以上より、本研究は、渓流に堆積した枯死葉及び水生昆虫の放射性セシウム動態を明らかにするため、福島県東部の渓流で、2021年3月に採取した渓流内の枯死葉、水生昆虫の

    セシウム
    137
    濃度を測定した。渓流に堆積している枯死葉および水生昆虫の
    セシウム
    137
    濃度は、同じ渓流でも分類群によって異なり、それぞれ最大で5倍および10倍程度の違いが認められた。移行係数から判断すると、枯死葉から肉食性水生昆虫に至る栄養段階で、
    セシウム
    137
    の明確な生物濃縮は認められなかった。

  • *加藤 弘亮, 恩田 裕一, 田中 幸哉
    日本地理学会発表要旨集
    2007年 2007s 巻 623
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/29
    会議録・要旨集 フリー

    1.研究の背景
     モンゴル半乾燥草原において,過放牧によって土壌侵食が増加し,土地荒廃の進行が指摘されている。しかし,これらの地域では,土壌侵食についての観測データが限られており,草原の土壌侵食の実態は明らかになっていない。
     近年,欧米諸国を中心として,土壌中の放射性同位体の存在量から,過去の土壌侵食履歴を推定する手法が用いられている。最近では,従来の
    セシウム
    -
    137
    の代わりに,鉛-210を用いた研究が報告されている(Walling et al.,2003)。
     そこで本研究は,
    セシウム
    -
    137
    と鉛-210を用いて,モンゴル半乾燥草原の放牧の状況が異なる二つの地域の土壌侵食量を推定し,長期的な放牧圧の違いが土壌侵食履歴に及ぼす影響を明らかにした。

    2.研究地域と方法
     モンゴル国の北東部を流れるヘルレン川流域の,放牧の状況が異なる二つの地域にそれぞれ試験流域を選定した。ひとつはヘルレンバヤンウラン(KBU;6.9 ha)で,冬季に積雪が少ないため,放牧家畜の越冬地として古くから放牧圧が高い地域である。もうひとつはバガノール(BGN;7.6 ha)で,ここ十数年に放牧家畜の頭数が増加している地域である。
     
    セシウム
    -
    137
    と鉛-210の空間分布を明らかにするために,それぞれの試験流域内の50地点において30cm深の土壌コアを採取した。また,調査地域における放射性核種の降下量を明らかにするために,リファレンスサイト(侵食も堆積も起きていない地点)において土壌コアを採取した。採取した土壌は,105ºCで24時間乾燥させた後,2 mmのふるいにかけた。ふるい通過分を測定用の容器に封入した後,Nタイプ・ゲルマニウムγ線検出器(EGC25-195-R,Canberra,France)を用いて12時間測定し,それぞれの核種の濃度を測定した。土壌侵食量は,移行拡散モデル(He and Walling,1997)を用いて,大気中からの降下量に対する放射性同位体存在量の増減率を土壌侵食量に変換した。

    3.結果と考察
     土壌中の
    セシウム
    -
    137
    の分析から推定した土壌侵食量は,放牧圧が高いKBUで多く,放牧圧が低いBGNでは少なかった。また,鉛-210の分析からも同様の結果が得られた。試験流域内で侵食された土砂のうち,試験流域外に流出する土砂の割合(土砂輸送率)は,
    セシウム
    -
    137
    の分析結果からBGNで82 %だったのに対し,KBUでは97 %だった。一方,鉛-210の分析から推定した土砂輸送率は,KBUでは
    セシウム
    -
    137
    の結果と比べて高かったが,BGNでは低い値を示した。放射性同位体を用いた土壌侵食量の推定手法は,侵食土砂が速やかに流亡することを前提としており,Fukuyama et al.(Submitted)によれば,侵食速度が遅い斜面では,定常的に大気中から降下する鉛-210の影響を受けて土壌中の濃度が増加することが指摘されている。BGNでは斜面下方にいくにつれて鉛-210濃度が増加し,それは雨滴衝撃やシートフローによってゆっくりと土砂が運ばれるため(Onda et al., 2006),大気中からの新たな鉛-210が付加したことに起因すると考えられる。このことは,BGNにおいて,鉛-210から推定した土砂輸送率が
    セシウム
    -
    137
    よりも小さく見積もられた原因と考えられ,BGNのように侵食された土砂がゆっくりと移動するような環境では,鉛-210では土壌侵食量を正しく評価できないことが示された。

    <参考文献>
    Fukuyama et al.. Journal of Geophysical Research, submitted.  
    He, Q., & Walling, D.E. (1997). Applied Radiation and Isotopes, 48(5), 677-690. 
    Onda et al. (2006). Journal of Hydrology, in press. 
    Walling et al. (2003). Geomorphology, 52, 193-213.
  • 金井 豊
    堆積学研究
    2009年 68 巻 2 号 91-103
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2010/07/26
    ジャーナル フリー
    東アジア地域の淡水湖,汽水湖,海底等から採取した堆積物中の鉛-210,
    セシウム
    -
    137
    の測定結果から,放射能強度,フラックス,インベントリーについて,堆積環境に関する特徴を抽出するために検討を行った.表層濃度は場所によってかなりの変動を示した.鉛-210の平均フラックスは,淡水湖<汽水湖<海底の順に増加する傾向を示し,一方,
    セシウム
    -
    137
    はその逆であった.鉛-210と
    セシウム
    -
    137
    のインベントリーは,同じ湖もしくは隣接する地域で良い相関を示した.そのインベントリーの比(137Cs/ 210Pbex)は海底堆積物<汽水湖<淡水湖の順であり,中国の湖における比は高めであった.このように,インベントリーの比は堆積環境,地質学的なイベント,放射化学的な出来事を示唆する指標になりうることが明らかとなった.
  • *神田 穣太
    日本地球化学会年会要旨集
    2013年 60 巻 3B07
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/31
    会議録・要旨集 フリー
    福島第一原子力発電所港湾の
    セシウム
    137
    の収支から、2011年6月以後の海洋への移行量を推定した。解析には、港湾中央部にある「物揚場」前で東京電力が測定して公表している海水中の放射能データを用いた。2011年4月6日から19日までの指数関数的な放射能減少から、港湾中央部(5~6号機取水口開渠を含む)の海水交換速度は0.44日-1と計算された。港湾中央部の海水量は1.88×106 m3
    セシウム
    137
    の移入と外海への流出が定常状態にあると仮定すると、2011年6月1日から8月31日までについて移入・流出は1日平均93.2GBqであり、92日間の合計は8.58TBqと推定された。また、2012年4月1日から9月30日については、1日平均8.1GBqで、183日間の合計は1.48TBqと推定された。
  • *橋本 昌司, 今村 直広, 川西 あゆみ, 小松 雅史, 大橋 伸太, 仁科 一哉, 金子 真司, George Shaw, Yves Thiry
    日本森林学会大会発表データベース
    2021年 132 巻 P-252
    発行日: 2021/05/24
    公開日: 2021/11/17
    会議録・要旨集 フリー

    東京電力福島第一原子力発電所の事故により汚染された地域の約7割は森林である。事故後、森林において多くの研究が行われたが、得られたデータは日本語または英語で書かれた研究論文、国や県の報告書、Web上のデータベースなど様々な媒体で公表されており、一つのデータベースとしてまとめられていない。そこで本研究では、それらのソースから、森林で測定された

    セシウム
    137
    濃度とインベントリーのデータを抽出し、マイクロソフトエクセルに入力してデータベースを構築した。収録されたレコード数は、樹木、土壌、キノコの
    セシウム
    137
    濃度がそれぞれ8593、 4105、3189、また樹木と土壌のインベントリーデータは471、3521となった。データベースはオープンアクセスで公開されており、以下のリンクからダウンロード可能である。https://doi.org/10.5281/zenodo.4268843

  • *岡田 直紀, 大橋 伸太, 田中 厚志, 中井 渉
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 T08-03
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    福島第一原発からおよそ20kmの距離にある,福島県双葉郡川内村のアカマツ,コナラ,スギに含まれる放射性セシウムの樹体内分布を調べた.各樹種からそれぞれ3個体を選び,地上部から4-5ヵ所の高さで円盤を採取し,樹皮と木部をさらに細かく分割して放射性セシウムを測定した.樹体各部の放射性セシウム濃度は,外樹皮 > 内樹皮 > 辺材 > 心材の順で高かった.木部の半径方向では,形成層を含む最外部が最も濃度が高く,辺材ではほぼ一定で,心材では内側に向かって低下していた.このことは,生きた細胞を含まない心材内において,辺材を経由して移動してきた放射性セシウムが内側に向かって拡散していることを示していると考えられた.従って,心材内の放射性セシウム濃度は今後も上昇していくものと予想される.外樹皮の放射性セシウム濃度は,アカマツでは地上高によらず放射性セシウム濃度に大きな違いがなかったが,コナラとスギでは上部ほど濃度が高かった.しかし,内樹皮では地上高によらず3樹種ともにほぼ一定であった.
feedback
Top