目的 本研究では、日本の学校給食及び食育の参考資料を得るために、高負担高福祉国家であり世界幸福地図の世界幸福度指数による世界ランキングで第7位(2006年:日本は第90位)のスウェーデンで学校給食および食育に関する現地調査を行った。
方法 2017年7月に予備調査を行い、本調査を2017年9月中旬(学年暦:8月~翌年5月)に行った。スウェーデンで人口が四番目に多いウプサラ市およびウプサラ市に隣接するKnivsta市町村のプレスクール(1~5歳児)、
義務教育学校
(7歳入学9年間)、上級中等学校(
義務教育学校
修了後3年間)を調査対象とした。調査の方法は、学校給食の調理現場や食堂での食事の様子と授業の様子の参与観察および家庭科担当教員、学校給食調理責任者、調理員、行政の学校給食責任者およびウプサラ大学の研究者に聞き取り調査を行った。言語は英語または通訳を通してスウェーデン語で調査を行った。
結果 スウェーデンでは、プレスクールから上級中等学校まで学校給食が無料で提供されていた。給食のメニューは学年に合わせた栄養基準を参照して決定され、飲み物は水および牛乳が常備されていた。
義務教育学校
および上級中学校の給食はカフェテリア方式で、専用の食堂において順番に食べていた。ウプサラ市では、環境への配慮から、有機食品を使用する割合を増やす目標が設定されていた。食育については、食品表示、農業体験などに関する情報を得た。
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