1989年に関東地方の11地点で野生きのこを採集した。このきのこの子実体は紙袋にいれて持ち帰り,直ちにもしくは冷蔵庫に一晩保存した後,ツルグレン装置にかけダニを抽出した。ダニは70%アルコールに落した。このようにして得たダニはホイヤー氏液でマウントし,位相差顕微鏡の下で同定した。
各ダニは科のレベルまで同定できないものは除いた。38種のきのこから中気門類が採取され,そのうち種名が同定されたダニは7科17種であった。また,31種のきのこから5科8種の前気門類の,14種のきのこから1科1種の無気門類の種名が同定された。中気門類の内,最も頻繁に記録されたのはマヨイダニ科のダニで,種としてはカザリマヨイダニが多かった。前気門類ではハシリダニ科のダニが多かったが種名の同定できないものが多かった。無気門類はコナダニ科とヒゲダニ科のみが記録され,ケナガコナダニがしばしば確認された。
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