らいの末梢神経障害,ことに知覚障害は複雑をきわめるようにいわれるが,知覚検査の方法自体がまちまちであることも,その理由のひとつではないかと思われる。そこでまず,らいの症候学上重要な手の知覚障害について,温度覚,痛覚,触圧覚,振動覚及び関節覚などを調べ,特定なパターンの有無をうかがってみた。これまでの結果では,理解の困難な障害像もいくつか残るが,すでに報告されていること(2,5,11,14,27,28,32)をふくめて,まったく無秩序ともいえないのは確かであり,本文ではそれ(障害のパターン)についての考えを少しまとめてみたい。
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