日本らい学会雑誌
Online ISSN : 2185-1360
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55 巻, 1 号
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  • 特に手の知覚障害
    成田 稔, 青木 真由美
    1986 年 55 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1986/03/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    らいの末梢神経障害,ことに知覚障害は複雑をきわめるようにいわれるが,知覚検査の方法自体がまちまちであることも,その理由のひとつではないかと思われる。そこでまず,らいの症候学上重要な手の知覚障害について,温度覚,痛覚,触圧覚,振動覚及び関節覚などを調べ,特定なパターンの有無をうかがってみた。これまでの結果では,理解の困難な障害像もいくつか残るが,すでに報告されていること(2,5,11,14,27,28,32)をふくめて,まったく無秩序ともいえないのは確かであり,本文ではそれ(障害のパターン)についての考えを少しまとめてみたい。
  • 日下 喬史, 野間 口博子, 宮田 泰代, 森 竜男
    1986 年 55 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 1986年
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    1970年Ogawaら(1)は鼠らい菌ハワイ株を1%小川卵黄培地上に培養させることに成功したが,その後この方法による4~5代までのコロニー外観は通常rough(R)型であるのに,9~15代継代させるとsmooth (S)型コロニーに変換する例の多いことが知られて来た(2)。このようなR, S型鼠らい菌間の性状の比較にっいて,Kawaguchiら(2)はS型菌はR型菌に比べてマウスに対する病原性がいちじるしく低下していることを観察し,また楠瀬(恵)(3)はR型菌のsuperoxide dismutase (SOD)比活性が継代により数十倍上昇することを報告している。したがって,R, S両型菌の間にかなり生化学的性状の変動が起こると予想されるが,脂質成分の変動については未だ報告がない。我々(4)は数年来らい菌や鼠らい菌のミコール酸分析の結果をこれらの菌の迅速な同定に利用する方法を開発して来たが,今回この方法の信頼性を確認する目的と共に,両型菌の間での脂肪酸代謝の変動を調べる目的から,両型菌のミコール酸の質的,量的分析と,ミコール酸の前駆体とみなされている炭素(C)数27~56の極長鎖脂肪酸の量的分析などを行い若干の知見を得たので報告する。
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