日本らい学会雑誌
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58 巻, 4 号
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  • 岡田 誠太郎
    1989 年 58 巻 4 号 p. 224-234
    発行日: 1989/12/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
  • 與儀 ヤス子, 中村 一成, 鈴木 昭
    1989 年 58 巻 4 号 p. 235-240
    発行日: 1989/12/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    MRL/lprマウスは,ヒトの全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチのモデルマウスとして広く利用されている。このマウスは,1個の常染色体性劣性のlpr遺伝子とその遺伝的背景の修飾をうけて,T細胞の異常増殖による全身性リンパ節腫脹を呈し,免疫複合体性腎炎,血管炎,慢性関節炎等を自然発症する。同じくT細胞依存性に臓器特異的自己免疫疾患(やせ型インシュリン依存性糖尿病)を自然発症するNODマウスとともに,らい菌接種を行った結果,NODマウスがらい菌の増殖に抑制的だったのに対して,MRL/lprマウスは高いらい菌感受性を示した。
  • 儀同 政一, 堤 貞衛
    1989 年 58 巻 4 号 p. 241-249
    発行日: 1989/12/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    BALB/cヌードマウスよりも感染抵抗性の強い交雑ヌードマウスJcl:AF-nuを用いて,足蹠接種らい菌増殖に対する静菌作用しか持たないDDSと二,三の免疫促進物質の併用投与による阻止効果を調べたところ,次の結果を得た。
    1, らい菌は当交雑ヌードマウス足蹠で,109レベルまで増殖した。
    2, ムラミルジペプチド(MDP)または水溶性リポイダルアミンCP-46665を0.005% DDS混合飼料で飼育の当交雑ヌードマウスに併用投与するとらい菌増殖を完全に阻止し,一方DDSのみでは不完全な阻止しか示さなかった。
    3, MDPの誘導体であるムクロタシンは,DDSを併用投与しなくても不完全阻止ながららい菌増殖を抑制した。
    4, ATSOと呼称される抗がん性β-1,3-グルカンは,0.005% DDS混合飼料で飼育のヌードマウスに併用投与してもDDSの阻止効果を増強しなかつた。
    以上の結果に基づき,Jcl:AF-nuマウスは抗らい化学療法薬と免疫促進物質の併用投与による相乗的ならい菌阻止効果を調べるのに好便な動物モデルになりそうな可能性につき討議した。
  • 堤 貞衛, 儀同 政一
    1989 年 58 巻 4 号 p. 250-258
    発行日: 1989/12/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    In order to develop a novel drug for antileprosy chemotherapy, the inhibitory effects of three synthesized compounds, a supplied antituberculous one and three quinolone carboxylic acids were examined on the growth of leprosy bacilli inoculated into the footpads of nude mice. Amongst them, a new quinolone carboxylic acid, AT-4140 whose chemical strurture was 5-amino-1-cyclopropyl-6, 8-difluoro-1, 4-dihydro-7-( cis-3, 5-dimethyl-1-piperazinyl )-4-oxoquinoline-3-carboxylic acid strongly inhibited the growth of leprosy bacilli at doses of 15 and 30mg/kg. Whereas, the efffct of Ofloxacin used as a positive control was limited at the same doses.
  • 松木 玄二, 柏原 嘉子, 中川 弘子
    1989 年 58 巻 4 号 p. 259-269
    発行日: 1989/12/30
    公開日: 2008/02/26
    ジャーナル フリー
    グリセロールの1位あるいは2位の炭素に[1-14C]オレイン酸を導入したホスファチジルエタノールアミン(PE),ホスファチジルコリン(PC),および1-[1-14C]オレオイルリゾホスファチジルエタノールアミン(Lyso PE)を基質として用いて,マウス腹腔浸出液より採取したマクロファージ(MΦ)に5種類のりん脂質脱アシル化活性を検出した。
    至適pHをpH4~6又はpH8に有する二つのタイプのphospholipase A1および至適pHを,pH4~5又はpH8に有する二つのタイプのphospholipase A2活性がそれぞれ識別された。また,検出されたlysophospholipase活性は,pH4と8の間に幅広い至適pHを示した。
    MΦ-phospholipase A1およびA2はPCよりPEをよく水解した。
    MΦを鼠らい菌,大腸菌,ザイモサンおよびラテックス粒子により,37°C,17時間challengeした後に,三種のMΦのりん脂質脱アシル化活性(pH8)の比較を行った。用いた細菌は,オートクレーブ処理を行った。
    MΦが,鼠らい菌でchallengeされた時にphospholipase A1,A2およびlysophospholipase活性は,それぞれ約160%,150%,および140%上昇した。しかしMΦに大腸菌をchallengeしたときにはMΦ-phospholipase A1活性は約1/3に低下した。この際phospholipase A2活性はMΦを鼠らい菌でchallengeした場合と類似して,約150%に上昇した。
    炎症性物質,ザイモサンはMΦ-phospholipase A1の効果的inducerであった。ザイモサン200μgでchallengeした際にphospholipase A2活性は260%上昇した。
    細菌やザイモサンで処理したMΦにみられたphospholipase A2活性の上昇は,炎症性のアラキドン酸の酸素添加代謝物を合成するためにMΦりん脂質からのアラキドン酸の水解の増大を導くように見える。
    MΦ-lysophospholipase活性の上昇は鼠らい菌によるchallenge以外は認められなかった。
    ラテックス粒子によるchallengeの後に三種のMΦりん脂質脱アシル化活性の上昇は認められなかった。
    以上の結果,pH8に活性を示すMΦのりん脂質脱アシル化活性は貪食された物質により種々の影響を受けることが考えられた。
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