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工藤 真幹, 夏掘 雅宏, 和田 成一, 柿崎 竹彦, 島岡 千昌, 堀越 柚衣, 大塚 さくら子, 松村 奏子
セッションID: 19007-12-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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放射性セシウムは外部および内部被ばく線源として重要視されている。そこでめん羊における安定セシウム単回投与後の体内動態パラメータを用いて血液、尿、筋肉における反復摂取に関わるセシウムの体内動態をバックグラウンド(BG)の有無や反復投与期間の違いといった消失過程に影響を与える要因を含めた上で予想した。
その結果、安全な食肉の供給を行うためには飼い直し時の環境中のBGの考慮とβ相を用いた体内の放射性Cs濃度の推定が必須であると考え、飼い直しに必要な期間を効率的に推定することが可能であるとした。
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光安 優典, 岡 壽崇, 高橋 温, 小荒井 一真, 木野 康志, 奥津 賢一, 関根 勉, 山下 琢磨, 清水 良央, 千葉 美麗, 鈴木 ...
セッションID: 19007-12-06
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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福島原発事故によっておきた環境汚染による被ばくは、これまで知見の少ない領域である。我々は野生動物を用いて生体への影響調査を行っている。行動履歴の不明な野生動物の被ばく線量を推定するために、被ばく量に依存して歯の中に生成、蓄積されるラジカルを電子スピン共鳴(ESR)測定にて測定する手法に着目した。現在、動物の低線量被ばくに適用させるため改良した新手法を開発しており、現段階での測定精度と実際の推定線量被ばく線量について報告する。
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齋藤 凜太郎, 加世田 大雅, 小川 熟人, 小池 裕也
セッションID: 2402-02-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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放射性セシウム濃度がクリアランスレベル(8000 Bq/kg)を下回る焼却灰は、管理処分場にて埋め立て処理される。埋め立て際には、放射性セシウムの流出を防ぐために不溶化処理が施される。本研究では、不溶化処理の一つである土壌混合ジオポリマー固化法についてその溶出抑制効果を評価した。放射性セシウムの溶出挙動を調査する共に、結晶相分析および化学形態分析により固定化機構を検討した。
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中島 智哉, 深澤 優人, 中島 覚
セッションID: 2404-04-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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使用済み核燃料の再処理により生じる高レベル放射性廃液には、長い半減期を持つマイナーアクチノイド(MA)が含まれており、廃液の保管期間短縮のため、効率的にMAを抽出する技術が求められている。本研究では、MA抽出剤として有用と報告されている四座フェナントロリン型配位子C2-POPhenの抽出メカニズムや選択性についての知見を深めるため、各種ランタノイドに対し溶媒抽出実験と錯体合成を行い、ランタノイドの違いによる抽出挙動や錯構造の相違を検討した。また、C2-POPhenとランタノイドが成す錯体について、DFT計算による解析を実施した。
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鈴木 碧海, 大塚 将太郎, 横谷 明徳
セッションID: 2408-13-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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細胞におけるシグナル伝達方法の一つとして、周期的あるいはスパイク状のCa2+濃度の変動(Ca波)が知られている。放射線ストレス細胞内及び細胞間でのCa2+濃度変化によるシグナル伝達を、化学的蛍光プローブを用いたライブセルイメージング法によって検証する。また、細胞内Ca2+濃度変動の小胞体膜チャネルを介したフィードバック制御の数理モデルについても検討する。
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高野 勇貴, 平山 亮一, 山田 滋, 鵜沢 玲子, 長谷川 純崇
セッションID: 2408-13-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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本研究は低酸素環境が放射線によって誘導された染色体異常の生成にどのように寄与するかを調べる研究である。今年度は実験系の確立とX線とC線を用いた実験を行った。低酸素容器内に細胞を設置し照射後、大気下と低酸素環境を維持した状態の2つの条件で24時間培養し染色体異常の代表例である二動原染色体の頻度を比較した。線量の増加とともに染色体異常の頻度は増加し、大気下培養と低酸素下培養で染色体異常の頻度に大きな差はみられなかった。このことから照射時の酸素の有無が染色体異常の誘導に影響を与えることが示唆された。
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渡辺 光, 臺野 和広, 石川 敦子, 今岡 達彦, 西村 まゆみ, 井上 一雅, 福士 政広, 柿沼 志津子
セッションID: 2408-13-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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乳腺は放射線による発がん感受性が最も高い臓器の1つであるが、発がんの原因となる遺伝子の異常についてはよく分かっていない。融合遺伝子は、放射線によるDNA二重鎖切断が引き起こす遺伝子異常の1種である可能性がある。そこで本研究では、放射線誘発ラット乳がん検体を用いて、RNAシーケンス解析による融合遺伝子の検出を行った。その結果、乳がんの発生に関与する可能性のある3つの候補融合遺伝子を見出した。
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天野 健太, 橘 拓孝, 小久保 結未, 森岡 孝満, 臺野 和広, 金 小海, 藤田 美鈴, 小川 真里, 園池 公毅, 松浦 彰, 柿沼 ...
セッションID: 2408-13-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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有人宇宙探査では、重粒子線被ばくによる発がん影響が懸念される。本研究では、血液腫瘍の一つであるリンパ腫に着目し、幼若期(1週齢)あるいは若齢成体期(7週齢)に0.2〜2グレイのケイ素、アルゴンまたは鉄イオンを照射したB6C3F1マウスに生じたリンパ腫について、免疫組織化学的解析によるT細胞由来かB細胞由来かの分類を行った。その結果、幼若期に高線量の重粒子線を被ばくすると、B細胞リンパ腫の発生リスクが増加することが明らかになった。
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稲葉 遥, 臺野 和広, 甘崎 佳子, 石川 敦子, 砂押 正章, 立花 章, 柿沼 志津子
セッションID: 2408-13-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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これまでの研究から、B6C3F1マウスにX線(3.8 Gy)を1週齢時に1回照射することで誘発された胸腺リンパ腫(TL)では、がん抑制遺伝子が存在するゲノム領域に欠失が見られることが明らかになっている。TL生成とDNA二本鎖切断修復機構選択との関連を明らかにするために、TLのゲノム欠失領域での二本鎖切断部位再結合配列を、次世代シークエンサーを用いて解析した。明らかになった再結合配列の特徴について報告する。
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橘 拓孝, 臺野 和広, 石川 敦子, 鶴岡 千鶴, 尚 奕, 砂押 正章, 森岡 孝満, 松浦 彰, 島田 義也, 柿沼 志津子
セッションID: 2408-13-06
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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疫学研究から、放射線被ばく後にリンパ性白血病の発症リスクが増加することが示されている。これまでに我々は、放射線誘発マウスB細胞リンパ腫において、特定のがん関連遺伝子に変異や欠失が生じていることを明らかにしてきた。本研究は、放射線被ばく後のB細胞のがん化におけるそれらゲノム異常の役割を明らかにするため、異常の発生過程やシグナル伝達経路の異常を解析している。本大会では、これらの最新の結果を報告する。
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田辺 鴻典, 米田 政夫, 藤 暢輔, 相楽 洋
セッションID: 2602-02-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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近年、核セキュリティ及び計量管理の分野で核物質の非破壊測定技術の需要が世界的に高まっている。隠蔽された核物質の検知に最適な手法の一つにアクティブ中性子法があるが、従来装置には可搬性とコスト面に大きな課題があり、それらが普及の大きな妨げとなっている。本研究では、Cf線源と水チェレンコフ検出器を用いた新たなアクティブ中性子法装置の開発を行い、大幅な低コスト化と可搬性の獲得を目指す。
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Khan Irfan, Salah A, Bofan Z, Akiyama K, Nomura K, Kubuki S, Homonn ...
セッションID: 2604-04-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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In today’s world, one of the major problems is handling and cleaning the wastewater polluted with organic compounds. Our main purpose is to prepare a visible-light driven photocatalyst with a facile method. Hematite (α-Fe2O3) is a suitable material, due to its photocatalytic properties, narrow bandgap of 2.2 eV, chemical stability, nontoxicity and natural availability. In this research iron-containing aluminosilicate glass samples with composition xFe2O3 ? yAl2O3 ? (100 ? x ? y) SiO2 abbreviated as xFyAS for photo-Fenton catalyst were prepared by a sol-gel method. The catalytic performance of the glass samples was evaluated by the degradation of methylene blue dye (MB), Rhodamine B dye aqueous solution (RhBaq) and simulated wastewater solution. The structure is characterized using 57Fe-Mössbauer spectroscopy (FeMS), Impedance spectroscopy (IS), and ultraviolet-visible absorption spectroscopy (UV?Vis). Furthermore, a relationship between the local structure and electrical conductivity properties of samples was investigated to detect new aspects of alumina addition to the glass samples.
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近藤 太郎, 佐藤 文夫, 都築 直, 陳 忠正, 山田 一孝
セッションID: 2606-07-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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アスリートであるサラブレッドは整形外科的疾患が多い。成長期に発症する頸椎狭窄性脊髄症は、頸椎が脊髄を圧迫し、競走能力の低下をきたす疾患である。しかし,客観的な診断方法は確立していない。そこで今回我々は,サラブレッド23頭を用いてCTスキャンを実施し,客観的評価法の開発を試みた。 CTスキャンによる客観的評価は、狭窄率(相対値)よりも脊髄の高さ(絶対値)による評価が有用であると判明した。
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長谷川 友香, 柿崎 竹彦, 和田 成一, 夏堀 雅宏
セッションID: 2606-07-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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2009年の獣医療法の改正により、動物の核医学検査が臨床応用されるようになった。これまで北里大学獣医学部附属動物病院は国内で唯一シンチグラフィ検査の受診ができる動物病院として、これまで200例以上のシンチグラフィ検査を行ってきた。その多くは腎臓シンチグラフィであるが、その他のシンチグラフィとあわせて核医学検査が獣医療における役割を考察する。
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照井 彩菜, 大島 明博, 鷲尾 方一
セッションID: 2612-15-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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現在一般的に、IPMC アクチュエータのイオン交換膜として、フッ素系高分子であるNafion®が用いられている。しかしNafion®は非常に高価であるため、商品化する際にコスト面が問題視される。そのため本研究では、放射線を用いて、IPMCアクチュエータのイオン交換膜として使用することができる安価で高性能な素材の作製を検討する。
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遠藤 陽奈, 大島 明博, 鷲尾 方一
セッションID: 2612-15-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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私たちは静電型低エネルギー電子線加速器 Curetron® (NHV Corp.) を用いて、電子線ナノインプリント技術である TRaf プロセスによる架橋 PTFE 微細構造体の作製を行ってきた。本研究では電子線リソグラフィー法によりナノドットパターンを持つ、Si モールドの 設計・製作し、モールドを用いて転写を行うことで、架橋 PTFE を素材とした反射防止構造膜の作製を試みた。
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美濃 彩乃, 武岡 真司, 大島 明博, 鷲尾 方一
セッションID: 2612-15-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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本研究室では、電子線グラフト重合法を用いて基材であるETFEにPNIPAAmを重合し、温度応答性細胞培養膜の作製を行ってきた。作製した培養膜を用いることで細胞の損傷や分解を抑制し、温度変化の制御のみでセルシートの獲得に成功している。しかし、より細胞の損傷を抑制するためには剥離性の向上が必要である。また、体内の組織には配向性を持っている部分も多く、現在の細胞培養器材では生体内の構造を再現することは難しい。そこで、?離性の向上および配向性を持つセルシートの獲得を目指している。本研究では、配向性を持たせるため微細構造を付与した温度応答性細胞培養膜の作製を行った。
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後藤 亜希, 丹司 尊, 山下 真一, 田川 雅人
セッションID: 2612-15-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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宇宙機を構成する熱制御材料など高分子材料は、地球低軌道に存在する原子状酸素の衝突で表面を浸食され、その機能が低下する。原子状酸素を照射した結果、高分子フィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の表面に生じる微細な突起構造を走査電子顕微鏡や原子間力顕微鏡で観察した。観察像をPythonを用いて解析し、突起構造の数密度とアスペクト比の定量を試みた。微細構造形成のメカニズムについて議論する。
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南部 明弘, Yin Xiaojie, 羽場 宏光, 押切 忍, 加藤 寛, 日野 明弘
セッションID: 29005-06-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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本研究では、232Th+14N反応を用いて、近年、アルファ線核医学治療への利用が期待される225Acの加速器製造法を検討した。理研リングサイクロトロンで135 MeV/uに加速した14Nイオンビームを金属232Th標的に照射し、116と132 MeV/uにおける225Acの核反応断面積を測定した。核反応断面積をPHITSコードによる理論計算と比較し、225Acの生成収率を評価した。また、ThO2標的を照射し、225Acの化学分離法を検討した。
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尾幡 穂乃香, 永津 弘太郎, 辻 厚至, 小川 美香子, 張 明栄
セッションID: 29005-06-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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白金核種191Ptは3日程度の適度な半減期でγ線とAuger電子を放出することから, 抗腫瘍白金製剤のトレーサー研究に利用できるだけでなく, Auger電子治療への応用も期待される。しかし, これまで191Ptは製造法が確立されず, 標識薬剤開発もほとんど行われていない。本研究では加速器を用いたキャリアフリーの191Pt製造法を開発すると共に, シスプラチンと白金キレート化合物の標識合成を実施した。
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貝塚 祐太, 鈴木 博元, 上原 知也
セッションID: 29007-08-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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がん細胞では一般にアミノ酸などの栄養素に対する需要が増加しているため、アスタチン-211(211At)標識アミノ酸誘導体によりがんのα線治療を行うことができる。そこで当研究室が開発した211At標識母体であるネオペンチル構造をヒスチジンと結合させた薬剤を設計した。本研究では、211At標識薬剤を開発する前段階として、211Atと同族の125Iを標識した薬剤を用いて基礎的評価を行った。
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五味 未早希, 丸山 弘子, 佐々木 徹
セッションID: 29007-08-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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PET診断薬である[18F]FDGを用いて、ex vivoでアルツハイマーモデルマウスの脳への糖の取り込みを確認した。この結果、ADマウスにおいて高カリウム時の糖取り込みが低下することが分かった。
また、脳組織を解析した結果、ADマウスにおいてアポトーシス陽性細胞数が有意に上昇し、Tau蛋白質のリン酸化が増強されていた。
このことから、ADマウスにおいてアポトーシスが生じ、機能不全や細胞数の低下によって脳の活動が低下することが考えられる。
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加藤 信哉, 桑田 啓子
セッションID: 18001-26-01
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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放射線による生物影響のターゲットは主にDNAであるが、この他に膜脂質過酸化を起点とするものがあるとされる。ドパミンは自動酸化により活性酸素を生成しつつo-キノンや鉄のリザーバーでもあるメラニンへと変化して、神経細胞の膜脂質過酸化を引き起こす。脳腫瘍の治療では放射線療法が用いられているが、放射線照射下におけるドパミンの膜脂質過酸化に対する影響については十分に解明されていない。本研究では不飽和脂質を含む脂質膜モデル(リポソーム)を用いて、これにドパミンを添加してエックス線照射を行い、膜脂質過酸化に対するドパミンの影響を調べた。
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原 正憲, 阿蘇 司, 大矢 恭久
セッションID: 18001-26-02
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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重水へグリシンを溶解させ,グリシン重水溶液を調製した。この重水溶液へ60-Coからのγ線を照射した。この照射によりグリシンの一部に重水素置換が起こったことが赤外線吸収スペクトルにより示唆された。この置換としてC-D,N-Dの生成が考えられる。C-DとN-D置換について量子化学計算を行い,赤外線吸収スペクトルの帰属と熱力学的な安定性を検討した。
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小林 亜利紗, 廣山 陽太, 小西 輝昭
セッションID: 18001-26-03
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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本研究はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)を指標として放射線誘発バイスタンダー応答における線質依存性の有無および機序を明らかにすることを目的とした。バイスタンダー応答における線質依存性については未だ議論があり、その分子機序は不明な点が多い。本研究では、照射細胞と共培養したバイスタンダー細胞において、COX-2の誘導および経路が硬エックス線と重粒子線で異なる可能性を示したので報告する。
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三浦 輝, 久保 篤史, 石丸 隆, 伊藤 友加里, 神田 穣太, 津旨 大輔, 高橋 嘉夫
セッションID: 18001-26-04
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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2011年の福島第一原発事故から2年後、放射性セシウムを含むガラス質の不溶性粒子(CsMPs)が初めて報告された。①事故当時の原子炉内の状況を知ることができる、②ヒトや他の生物への被ばくが懸念される、などの理由から研究が進められている。本発表では、海洋から発見されたCsMPsと陸域で発見されているType-A、Type-B CsMPsとの物理・化学的な性質の比較について紹介する。
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湯口 志捺, 三浦 睦記, 太田 拓希, 小野 樹, 神田 陽向, 齊藤 龍平, 捧 奈央, 千葉 菜緒, 織部 祐介, 宮地 幸久
セッションID: 18001-26-05
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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放射線を照射された組織から照射されていない組織へ作用が及ぶことを、バイスタンダー効果と呼んでいる。今回、カイワレ大根の種に低線量照射を行い、それを育てているシャーレ内に、非照射のひまわり種を入れておくと、カイワレ大根だけでなく、ひまわり種にも発芽促進効果が観察できた。また、この変化は、線量率を高くした時に効果が大きくなっていることと、また芽より根の成長が促進されたことからエチレンの関与が考えられた。
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太田 拓希, 神田 陽向, 齋藤 龍平, 千葉 菜緒, 織部 祐介, 宮地 幸久
セッションID: 18001-26-06
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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100mSv以下のいわゆる低線量であれば、危険はないとされているが、それを実証するデータはほとんどない。そこで、被ばく時のストレスの関与を調べた。その結果、照射前マウスに軽微な回転ストレスを与えたり、または身体を拘束する精神的ストレスを与えることで、本来造血系に影響が出ないはずの0.1Gy以下の照射であっても、明らかなリンパ球減少が見られた。低線量域は、被ばく時の環境によって影響が大きく変化することが分かった。
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小野 樹, 捧 奈央, 織部 祐介, 宮地 幸久
セッションID: 18001-26-07
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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低線量放射線を長く浴びる職業人には、時に無気力化に似た症状を引き起すことが知られているがその機構は不明である。そこで低線量照射の精神神経系への影響を行動解析で調べた。その結果、探索行動を調べるテストや新しい物に興味を示す新奇性テストにおいて、長期低線量照射がこれら行動の抑制に働くことが分かった。さらに、この変化は、対照群からの便移植によって消失したことから、腸内細菌の代謝を介した反応と考えられた。
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松岡 千代美, 北岡 麻美, 中村 伸貴, 畑澤 順, 松波 圭一, 原 正幸, 加藤 真介, 飯塚 裕幸
セッションID: 18001-26-08
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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これまでの調査により、自施設で希望するRI実験ができない研究者とRI利用者数増加を希望している放射線安全管理者がいることがわかっている。
そこで、当協会において全国のRI施設一覧作成分科会を発足し、このような研究者と放射線安全管理者・RI施設をつなげるためのコンテンツを作成した。
本発表では、全国のRI施設一覧の作成、今後の展開について紹介する。
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富樫 亮介, Zhang Haixin, 宮本 直人, 狩野 直樹
セッションID: 18001-26-09
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
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セシウム(Cs)はアルカリ元素の1つであり,その同位体には安定同位体である133Csと放射性同位体である134Csと137Csが存在する。近年では2011年に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故により放射性Csが環境中へ流出した。そこで本研究では放射性Csの減容化へのアプローチとして,長期間使用可能であり,Cs再浸出の可能性が低いゼオライトを用いてバッチ法による吸着実験を行い,効率的なCs除去法を確立することを目的とした。
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神﨑 訓枝, 迫田 晃弘, 片岡 隆浩, 田中 裕史, 山岡 聖典
セッションID: 18001-26-10
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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本研究では、ラドン吸入とイオウ関連代謝物との関連を検討することを目的とし、ラドンを吸入させたマウスの臓器を用いてメタボローム解析を行った。しかしながら、代謝物の変化とラドン総曝露量に相関はなかった。そこで、機械学習によるデータ解析を行い、メタボローム解析結果を可視化した。ここでは、多数の代謝物の変化を総合的に評価することで明らかになったラドン曝露量とイオウ関連代謝物との関連について報告する。
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中西 大樹, 永松 愛子, 寺沢 和洋, 鈴木 良一, 小平 聡
セッションID: 18001-26-11
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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D-Spaceは、産業技術総合研究所と千代田テクノル株式会社が量産化・製品化した個人向けおよび環境線量計 D-Shuttleセンサ部閾値を改修し、宇宙放射線(陽子以上の荷電粒子)の計測を目指したものである。D-Shuttle/D-Spaceはセンサ部を放射線が通過した際に流れる電流をカウントし、吸収線量率(1分以上、時間、日、月の単位時間あたりの吸収線量)を計測する。しかし、宇宙放射線はLETが0.2〜数百keV/μmの広範囲であるため、これらの陽子・重粒子に特化した線量特性を評価する必要がある。本研究ではD-Spaceの宇宙機搭載のための仕様検討から、照射試験の結果に基づく解析手法の検討状況を報告する。
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坂下 哲哉, 石岡 典子, 東 達也
セッションID: 18001-26-12
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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「標的アイソトープ治療線量評価研究会」(http://trtdose.kenkyuukai.jp/)は、革新的な線量評価の基盤技術や方法を深化・拡張させるとともに、国際標準となる線量評価方法との融合発展を図ることにより、標的アイソトープ治療研究の新たな線量評価研究の国内における連携基盤を確立する事を目的としています。本ポスターでは、本研究会の活動などを紹介します。
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廣山 陽太, 小林 亜利紗, 大澤 大輔, 小平 聡, 楠本 多聞, 北村 尚, 北條 悟, 細川 洋一郎, 小西 輝昭
セッションID: 18001-26-13
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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陽子線超高線量率(FLASH)照射によるがん周辺組織の損傷低減効果は、動物実験において報告されているが、培養細胞を用いた研究は少ない。本研究は、陽子線がん治療の高度化として新しい高線量率・FLASH照射法の検証を行うために、培養細胞レベルの基礎的なデータを取得することを目的とした。60MeV陽子線ビームの照射実験において、FLASH照射による細胞致死効果及び染色体異常の指標となる微小核形成率が、従来の治療線量率(CONV)照射と比較して抑制されたので報告する。
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小池 弘美, 山下 貴大, 椎名 卓也, 河野 孝央, 飯本 武志
セッションID: 18001-26-14
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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放射線教育を実験と組み合わせて行うには放射線源が必要である。人工の放射線源は法令上学校現場での使用は難しい。自然放射線源は身近に市販がされている素材を用いて作製されるため、どこでも誰でも利用ができる。本研究の目的は、安定的な自然放射線源の作製に関する成形条件を実験的に定め、線源の基本的な特徴を放射線学的な観点で明らかにすることである。
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Jin Qianhao, Hasan Mahamudul, 立川 博一, 飯本 武志
セッションID: 18001-26-15
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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国際的な機関(ICRP, IAEA, OECD-NEA等)がこれまでに発刊してきてた放射性廃棄物処分に関する文書を精査し、
相互の関係、異なる視点等を整理すると共に、ここでは特に浅地中処分に着目して、将来の処分に関する合理的な考え方、現場対応に関する論点を抽出、議論する
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加藤 昌弘, 石井 隼也, 黒澤 忠弘
セッションID: 18001-26-16
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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自然放射線のうち、大地・大気からの放射線はその土地の元素濃度と、宇宙線は標高と関連付けられる。本研究ではガンマ線スペクトル測定と個人線量当量を国内各地で実施し、すでに公表されている元素濃度分布である地球化学図のデータを用いて自然放射線由来の個人線量当量を推定する方法を検討する。
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塚田 瑞穂, 井上 一雅, 清水 秀雄, 寉岡 大, 市原 舞衣, Veerasamy Nimelan, 福士 政広
セッションID: 18001-26-17
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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福島第一原発事故後、都内北東部に位置する葛飾区内の空間線量率は急激に増加した。本報告では、2015年から2020年の各年度に得られた空間線量率分布の変化を報告する。区内の平均空間線量率は減少傾向を示したが、Cs-134の減衰により2018年以降の減少率が小さくなる傾向を示した。推定された環境半減期は2.0年であり、物理的減衰による環境半減期より短い結果であった。
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矢野 博之, 濱中 良志, 矢野 真美, 樋田 真理子, 松尾 哲孝, 吉岡 秀克
セッションID: 18001-26-18
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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放射線は医学的に広く利用されているが、肺や皮膚等の種々の組織や臓器に生じる線維化(Radiation-induced fibrosis; RIF)が懸念される。RIFは、放射線による細胞外マトリックス(ECM)の過剰な蓄積の結果と考えられているが、RIFプロセスを促進する細胞内シグナル伝達や遺伝子発現に関わるメカニズムについて充分には解析されていない。また、非コードRNAの一つであるmicroRNA(miRNA)が、翻訳の阻害やmRNAの分解を起こし、転写後の遺伝子発現調節に関与することが報告されている。RIFプロセスにおいても転写後の遺伝子発現調節因子としてmiRNAが重要な役割を担うことが示唆され、本発表では、RIFプロセスに関連し、ECM主成分であるコラーゲンを対象とした放射線による発現の変化、さらに転写後の遺伝子発現調節に関わるmiRNAについて調べた。
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ZHANG Haixin, 宮本 直人, 狩野 直樹
セッションID: 18001-26-19
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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In this study, adsorption is chosen as the method to remove Cs. The geomaterials were prepared as adsorbent by using fly ash and slag as raw materials and activated by alkali activator. The materials were characterized by XRD, SEM-EDS, BET surface area, pore volume and pore size analysis. Adsorption isotherms of Cs onto the geomaterials was investigated with varying initial concentrations under optimum experiment conditions.Kinetic models and adsorption isotherm models are used to describe the mechanism involved in the adsorption process.
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市原 舞衣, 井上 一雅, 清水 秀雄, 寉岡 大, 塚田 瑞穂, Veerasamy Nimelan, 福士 政広
セッションID: 18001-26-20
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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福島第一原子力発電所事故により、千葉県北西部に位置する東葛地区の空間線量率が急激に増加した。本研究では、2015年および2020年に走行サーベイを実施して、得られた空間線量率分布の変化および人工放射性核種に起因した空間線量率の変化を調査した。地区内の平均空間線量率は2020年の調査において54 nGy/hであり2015年の調査結果と比較して21%の減少率であり、物理的減衰のみの減少率と比較して速い傾向を示した。
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福田 一斗, 黄倉 雅広, 杉崎 則彦, 橋本 周, 飯本 武志
セッションID: 18001-26-21
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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放射線防護の分野では、放射線測定器で測定される線量である「実用量」と、放射線リスクに関連する「防護量」が同じシーベルト単位で用いられている。また、場の線量としてグレイ単位の空気カーマが用いられる場合もあるため、線量自体が分かりづらい状況になっている。よって本研究では、放射線環境を具体的にイメージした上で各種線量の特徴を比較し、誤解を生みやすい点を整理する。また、ICRU/ICRPが提案する新たな実用量の定義によって換算係数が多数変化するため、この変化による影響についても検討する。
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大木 優周, 小林 泰己, 加田 渉, 岸下 徹一
セッションID: 18001-26-22
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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多様な線質、エネルギーを有する放射線が混在する重粒子線がん治療場を念頭に置いて、パルス信号を3桁程度のエネルギーレンジで処理できる電荷増幅器・波形整形回路を0.35 μm CMOSプロセスASICにて開発した。接続したFPGAにより、ASIC内部のレジスタ制御、パルス波高検出やフィッティング処理を実現した。α線源とエネルギー弁別型検出器を組み合わせた動作試験を通じ、目的とするワイドダイナミックレンジ電荷増幅回路の機能を評価した。
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庄 沁優, 赤堀 省吾, 山下 貴大, 椎名 卓也, 渡辺 進一, 加藤 太一, 掛布 智久, 飯本 武志
セッションID: 18001-26-23
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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筆者らが開発中の放射線教育用線量計KIND-ProおよびKIND-Miniの開発経緯と、線量計としての特徴を精査し、教育現場での適用の可能性を検討した。
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臼井 洸貴, 加田 渉, 佐藤 隆博
セッションID: 18001-26-24
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
会議録・要旨集
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イオンビーム分析手法のうち、大気マイクロPIXE分析は、環境分野を含む多様な試料中の複数元素組成を同時に分析できる手法として有効である。先行研究において、1時間程度の短時間で環境中から捕集された大気中微粒子の組成分析が可能であることが示されている。本分析スペクトルから背景雑音分離と定量的な信号強度の分析を目的として、重みつき非線形最小二乗法によるフィッティング手法の開発を行なった。
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佐々木 愛加, 増子 誠一郎, 赤上 友基, 秋山 駿, 中嶋 留奈, 飯塚 和也, 関根 卓洋, 花泉 修, 加田 渉
セッションID: 18001-26-25
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
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水晶体線量限度の引き下げに関する新たな指針が示される中、眼部への局所的な線量を評価できるデバイスの開発が求められている。これに対し我々は、積算型RPLガラスを用いたウェアラブル線量計デバイスを試作している。特殊な眼鏡レンズ型に成形された線量計には専用装置が必要となる。本発表では、紫外線LEDと光電子増倍管を利用した簡便なコンパクトリーダー装置の開発とレンズ試料からの線量測定評価例について報告する。
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福井 直樹, 藤原 拓也, 高取 聡, 新矢 将尚, 古田 雅一
セッションID: 18001-26-26
発行日: 2021年
公開日: 2021/09/06
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食品中のDNAは、放射線照射により損傷を受け、チミジン残基から5,6-ジヒドロチミジン残基(DHdThd)が生成する。
DHdThdを指標として、タンデム型質量分析計付高速液体クロマトグラフを利用した照射食品検知法について、
多種多様な食品に適用できるよう開発を行っている。動物性食品試料に加えて植物性食品試料についても適用できるように改良したことで、
今後さらに幅広く食品に適用できることが期待された。
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