ボランティア学研究
Online ISSN : 2434-1851
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15 巻
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 森定 玲子
    2015 年 15 巻 p. 3-4
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
  • 既存のボランティア学習との関連から
    長沼 豊
    2015 年 15 巻 p. 5-15
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    この論文は日本の教育的文脈におけるSLの意義とこれからの展望について述べた。SLは米国において、CSに代わって、1980年代から推進が図られた。1990年代以降SLは大学において普及し、それが初等・中等教育にも広がった。日本では1980年代からボランティア学習という言葉で教育実践が始まり、1990年代になって米国からSLが紹介されるようになった。したがってSLは米国から紹介され、そのまま日本の教育的文脈に位置づけられたわけではない。SLはボランティア学習の推進があったから普及した。これは米国においてSLが普及する前にCSの教育実践があったのと類似している。次に、今後の日本の教育的文脈においてSLを意義のあるものにするためには、アカデミックな知と、サービスから得られる知を統合させることが必要である。つまりサービスとカリキュラムを統合することである。また、リフレクションにおける批判的思考を重視し、学習過程を充実させることが大切である。 (SLはService Learning CSはCommunity Serviceの略)
  • 若槻 健
    2015 年 15 巻 p. 17-26
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿では、ともにコミュニティへの参画を重視する学習/教育である米国発のサービス・ラーニングとイングランドをはじめとするシティズンシップ教育のアンビバレントな関係を示し、その上でサービス・ラーニングの有効性について論じる。サービス・ラーニングは、コミュニティの問題と出会うという点で、シティズンシップ教育にとって決定的に重要である。サービス・ラーニングに参加した生徒たちは、その経験を通じて、自分とは異なる人々の境遇に思いをはせ、そのような人々の境遇をつくり出している社会的な要因にも思いを巡らせる。一方、政治的リテラシーを重視するシティズンシップ教育の論者のなかには、奉仕(サービス)に特化したサービス・ラーニングはコミュニティの権力関係や多様性への視点が欠如しているとして懸念を示す者もいる。そうした懸念を超えるためには、サービス・ラーニングが、ボランティア活動(サービス)だけでなく十分な振り返りを組み込んだ学習(ラーニング)を含み、そのことにより社会構造の矛盾に目をむけていくことが求められる。
  • Rhetoric and Reality as Seen from the Field
    Diane MUSSELWHITE
    2015 年 15 巻 p. 27-35
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    International Service Learning (ISL) has gained much attention in recent years as a promising pedagogy for intercultural and global learning. Serious questions, however, have been raised about its basic principles and their feasibility. In this paper, I describe the evolution of one program carried out in Nepal by Poole Gakuin University of Osaka, Japan over the last 17 years. Then I review the range of program-types that fall under the heading of international service learning and the current understanding about how ISL should be defined. I next discuss recent research on ISL student outcomes and turn to questions raised by practitioners about the rhetoric and reality of key service learning concepts such as “service,” “reciprocity” and “partnerships.” I conclude with a discussion of “producing mutuality” (Crabtree 2008:26) and argue that this requires on-going dialogue and adjustment with the partner-institutions who quite often have an entirely separate agenda of their own.
  • 目的と手段の再検討のために
    和栗 百恵
    2015 年 15 巻 p. 37-51
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    2000年代からの文科省の政策誘導により、かつてない規模で、様々なサービス・ラーニング(SL)や「SL的」取組が大学で展開されている。実践の積み上げから目的、手法、学習成果の検証をする取組も、今後始めようとする・始まったばかりの取組もある。「SL」という名を冠さずとも、「地域での課題解決」と「学生の学び」を両輪とした「全学的な」取組の広がりを前に戸惑いもある。本稿では、まず、日本より先にSL取組が進んだ米国大学の実践研究の知見から、SLとその学習成果、リフレクションの意義について簡潔に確認する。次に、クリティカル・リフレクション実践のモデルを示したAsh & Clayton (2009a) を用いながら、学びを生み出し、深め、記録するリフレクションのデザインについて、実践的になるよう留意しつつ解説、例示する。最後に、取組が増えつつある一方、SLやリフレクションが、これまでの大学教育に対して反規範的なゆえに認知的不協和を抱かれること、しかし、質の高いリフレクションが「変容的な学び」の局面になり得ることを指摘しながら、SLやリフレクションを導入することの意味を問う。
  • 大西 健丞
    2015 年 15 巻 p. 55-56
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
  • 日下部 尚徳
    2015 年 15 巻 p. 57-60
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、大型の熱帯低気圧(サイクロン)による被害が甚大なバングラデシュ南部沿岸地域において、地域の災害脆弱性と貧困課題の関連性を明らかにすることにある。調査対象地域は、サイクロンの上陸頻度が高く、過去に甚大な人的被害が発生しているノアカリ県ノアカリ郡ハティア島とし、同地において貧困層を対象とした質問紙調査を実施した。調査は、現地行政機関において対象地域の世帯リストを保有していないことが明らかとなったため、リストを作成した上で355世帯を訪れ、ベンガル語を用いた訪問面接法によっておこなった。これらの調査から、2007年のサイクロンの際に避難警報に従って事前にシェルターに避難したのは全体の12%に過ぎないことが明らかになった。避難しない要因としては、米や豆などの食糧や仕事道具などの家財の散逸や盗難の心配、資産的価値の高い牛やヤギなどの家畜被害に対する不安、人づてで伝えられる警報への不信、などが影響していることが明らかとなった。
  • ミャンマーと日本における市民活動の現場から
    野際 紗綾子
    2015 年 15 巻 p. 61-66
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    ミャンマーを2008年5月に襲った強大なサイクロンと、日本を2011年3月11日に襲った東日本大震災は、両国に甚大な被害をもたらした。本稿では、NGO職員として市民活動の現場で得た知見をもとに、脆弱性の高いグループの一つである障がい者に対する災害支援活動について振り返ることで、多様な人々が共生できる社会づくりについて課題と展望をまとめる。
  • 内海 成治, 金子 郁容, 松井 孝治, 細野 豪志, 鈴木 寛, 大西 健丞
    2015 年 15 巻 p. 67-83
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
  • 木村 充, 河井 亨
    2015 年 15 巻 p. 87-97
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、サービス・ラーニングにおけるチームワークが学生の学習に及ぼす効果を明らかにすることを目的に、立命館大学が開講するサービス・ラーニング科目「シチズンシップ・スタディーズⅠ/地域活性化ボランティア」の受講生45名を対象に、質問紙調査を行った。本研究の主な結果は、以下の通りであった。1)総じてチームワークは、学生の活動・他者からの支援・省察・学習成果に正の効果を示した。2)チームワークにおいて、特に「チームの職務志向性」が、学生の活動・他者からの支援・省察・学習成果に高い正の効果を示した。3)「業務遂行上の適切な指示」や「業務改善のためのフィードバック」は、一部の学習成果に負の効果を示した。従って、サービス・ラーニングにおいて、チームワークは学生の学習を支える基礎であり、チームが適切な機能を果たすことが、学生の学習の促進にとって重要であると考えられる。
  • マラウイの初等・中等教育を事例として
    川口 純
    2015 年 15 巻 p. 99-109
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、アフリカで広範に実施されている非正規のカリキュラムである「ボランタリークラス(Voluntary class)」に焦点を当て、その存在意義を検討したものである。特に、本稿ではマラウイの初等・中等教育を事例とし、ボランタリークラスの「正当性」と「教育権」の2つの観点を中心に検討した。現在、マラウイを初めとする多くの途上国においてはEFA(Education for All: 万人のための教育)達成に向けた量的拡大を優先する政策の影響により、教育の質が断続的に低下している。このような状況に鑑み、教育の供給側(教員、政府)は、正規課程の授業で応えきれていない教育の需要側(保護者、児童)のニーズに対してボランタリークラスという非正規の教育形態を駆使し、教育需要を満たそうと試みている。しかしながら、ボランタリークラスの実施を個別にかつ、有償で実施している実態が確認され、さらに正当性と教育権の保障との兼ね合いの中で、教師が葛藤する様相が明らかになった。
  • NGOのシティズンシップ教育活動を事例に
    根本 久美子
    2015 年 15 巻 p. 113-125
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、英国において、ブレア政権時代にシティズンシップ教育が必修化されたことに着目し、その政策施行以前のNGOの軌跡を追い且つ施行後のNGOの具体的事例を分析し、NGOの教育政策におけるスタンスを考察したものである。英国のシティズンシップ教育は、人権教育・環境教育・多文化教育・開発教育等そしてその統合教育としてのグローバル教育活動の上に成立していると考えられる。こうした教育推進活動を行ってきたNGOの中から、国際的NGOのOxfamと小規模なボランティア団体の事例の分析を通して、英国のNGOがシティズンシップ教育必修化という教育政策においてどのような立場に立っているのかを検証することが本稿の目的である。パートナーシップにおいて政府とNGOは同等の立場にあるのだろうか。NGOは政府に対し先導的存在であろうか?それとも補完的な存在なのだろうか?この点が本研究の論点である。
  • シリア難民が経営する学校をめぐって
    山本 香
    2015 年 15 巻 p. 127-139
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    コミュニティ間の往来の増加や、オンライン・コミュニティの活発化により、近代コミュニティは地理的近接性に関わらず人々の連帯を拡大している。そうしたコミュニティは、とくに難民による学校経営において大きな影響力を持つ。難民には身分を保証する行政や地域社会がないため、彼らによる学校経営に公共性という保障を与えるのは、独自に形成されたコミュニティに他ならない。それはシリア難民が経営する学校の事例でも確認できる。彼らのコミュニティは構成員の営みに伴って国境を越えて広がり、インターネットを通して繋がっている。また、学校内にも独特のコミュニティが形成されている。そこでは、とくに教師と生徒がモラルを通じて連携している。子どもはそこで紛争で負った傷や憎しみを表出させ、帰属意識を獲得するとともに心理的な安定を得ている。コミュニティへの帰属は、社会関係資本を得るだけでなく、構成員としての責任を負い、他者との相互依存関係を構築することを意味している。そのなかで難民は受動的な立場に留まらず、そこに活動の主体として固有の意義を見出している。コミュニティはそのような難民の営みを支え、強化する役割を果たしている。
  • 市川 享子
    2015 年 15 巻 p. 143-153
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は東日本大震災の復興支援活動に取り組んだ学生が、地域における実践と学習プログラムとして構造化されたリフレクションから、どのように学び変容しているかを大学ボランティアセンターの実践の分析によって明らかにしようというものである。大学ボランティアセンターによる、東日本大震災の復興支援活動は大学コミュニティ、地域コミュニティを包含した、ラーニング・コミュニティを構築しており、学生はそのコミュニティから影響を受けて、「学ぶ意欲を向上」させ、「社会への問題意識が深まる」、「コミュニケーション能力が向上する」などの、成長の実感を持っていることが分かった。こうした実践コミュニティから生まれる学びは、状況的な学習として、学生の主体的な学びを生成している。
  • 澤村 信英
    2015 年 15 巻 p. 157-158
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
  • 森定 玲子
    2015 年 15 巻 p. 159-160
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
  • 内海 成治
    2015 年 15 巻 p. 161-162
    発行日: 2015/02/24
    公開日: 2024/03/31
    ジャーナル オープンアクセス
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