日本在宅医療連合学会誌
Online ISSN : 2435-4007
3 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
原著
  • 島﨑 亮司, 中村 仁隆, 星野 宏, 横山 由香里
    2022 年 3 巻 3 号 p. 1-8
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/14
    ジャーナル フリー

    目的:小児在宅医療を受けている家族が感じている在宅医の役割を検討する.

    方法:6名の家族を対象に,半構造化面接を行った.質的記述的研究方法を用いて在宅医の役割を抽出しカテゴリー化を行った.

    結果:在宅医の役割として,【不安の軽減】,【家族の負担の軽減】,【子どもの成長発達支援】,【医療的ケア児が暮らしやすい地域の創造】の4つのカテゴリー,10のサブカテゴリーが見出された.

    考察:在宅医は医療対応のみではなく,生活面のサポートに役割と価値があることが考察された.その役割を果たすためにも多職種との協働や子育てをサポートしたいという心構えが必要である.

  • ―避難住居形態別による検討―
    鈴木 良香, 結城 美智子
    2022 年 3 巻 3 号 p. 9-18
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/14
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は福島第一原子力発電所事故による避難生活で認知症高齢者を在宅介護する家族の生活状況と精神的健康を検討することである.全住民が避難指示による避難を長期継続している福島県A町の協力を得て,避難住宅で在宅介護している家族介護者79名を対象として,個別訪問による面接調査を行った.被介護者は約7割が避難後に要介護認定を受け,認知症の診断を受けている者は約3割であった.対象者は半数以上が女性の高齢者であり,心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorde:以下,PTSD)疑いは約3割で,避難住居形態別の有意差はなかった.介護負担感得点は,持ち家群が仮設住宅群より有意に高かった.結果から,長期避難生活中の在宅介護を担う家族への支援の必要性が示唆された.

  • 田邉 一尊, 山本 新一郎, 藪上 真弓, 神田 一馬, 名徳 倫明
    2022 年 3 巻 3 号 p. 19-26
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/14
    ジャーナル フリー

    PCAポンプによるオピオイドの持続皮下注射は,がん終末期の患者が在宅で療養する際の疼痛緩和の手段として有用であるが,痛みに応じて自己投与ができることから薬液を使い切る日時を予測して調剤を行うことが困難であった.我々は,がん終末期に疼痛緩和のためPCAポンプによるオピオイドの持続皮下注射を施行した患者を対象に,充填する薬液の処方設計法を立案した.そしてその妥当性を検討するために1年間の前向き観察研究を実施した.1週間以後の交換を目標とした処方設計により,交換目標達成率は89%,残薬廃棄率は24%であった.我々の考案した処方設計法は医療従事者の負担の軽減と保険医療におけるコストの軽減に寄与すると考える.

短報
feedback
Top