電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
最新号
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  • 山光 史哲, 山本 哲也, 松崎 隆哲
    セッションID: 02-1A-01
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
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    高誘電率(系)積層セラミックコンデンサの静電容量は、コンデンサに印加するDCバイアス電圧によって変化する性質があり、バイアス電圧を大きくするほど静電容量は、小さくなる。著者らは、先にこの性質を利用した電圧制御形可変キャパシタを提案し、実験の結果可変キャパシタとして有効であることを確認した。本稿では、提案する可変キャパシタを単相模擬送電線路の受電端側に適用し、受電端電圧の制御を行った。その結果、数%ではあるが受電端電圧を制御することができた。この結果は、%以下の電圧変動も許さない高安定の商用電源として有効であることを確認したので、その概要を報告する。

  • 前田 晃佑, 平山 斉, 川畑 秋馬, 吉村 幸雄, 増田 淳
    セッションID: 02-1A-02
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    日射量の豊富な鹿児島地域は太陽光発電に適した地域であるが、桜島火山降灰による太陽電池モジュールの直接的な発電量低下が懸念されており、降灰環境下での発電量の定量的評価や降灰対策技術の開発が必要である。本研究では、太陽電池モジュール上への積灰を抑制し、発電量最大化を実現するための指針を得ることを目的とし、これまで、モジュール上に火山灰が堆積した際の発電量低下特性について議論してきた。本稿では、火山灰と降雨が結びつくことにより生じるモジュール表面への火山灰の固着に焦点を当て、火山灰が太陽電池モジュール上に固着する条件及び固着した際の出力低下特性について調べたので、その結果を報告する。

  • 水谷 大基, 菅原 晃
    セッションID: 02-1A-03
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
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    近年、洋上風力発電の需要が高まっているが気象条件により出力が大きく変化するため発電した電力をそのまま系統に接続すると電圧や周波数が変動し電力の質を低下させる。この問題を解消するため風力発電の電力を用いて揚水を行い、電気を位置エネルギーの形で貯蔵する。 このシステムを全国のどの地域に導入するか決める際にその地点の詳細なデータは不可欠だが入手は困難で予算が必要である。そこで本研究では気象庁が公開している10分ごとの平均風速データを1分ごとのものに補間することで詳細なデータの入手を可能にした。そしてそのデータを用いて本システムの導入に最適な地域で揚水の上池の貯水量を考慮した運転シミュレーションを行った。

  • 沓野 哲也, 熊丸 大雅, 橋口 卓平
    セッションID: 02-1A-04
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
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    太陽光や風力等の再生可能エネルギー利用型電源は,自然状況によって電力供給能力が左右される不安定な電源として位置付けられているため、出力制御可能電源と電力貯蔵装置とを組み合わせた次世代小規模グリッドシステムが注目されている。しかし、離島・僻地などの非連系小規模グリッドに自然エネルギー源とする分散型が導入された場合,その出力変動により系統周波数に大きな影響を与える可能性があることより、分散型電源の系統連系に伴う電力品質や安定性への影響評価,ならびに安定化制御手法の確立等が重要な課題となってきている。そこで本論文では、離島系統で複数の蓄電池を用いた場合の周波数制御設計に関する研究結果について報告する。

  • 川原 健斗, 渡邊 政幸, 山本 周平
    セッションID: 02-1A-05
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
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    再生可能エネルギー発電の導入に伴い電力系統における調整力が不足し,周波数変動の増大が懸念される。本研究では,すでに系統に多く接続されており、出力調整が可能なインバータエアコンに着目し周波数調整力を提供することを考える。エアコン本来の空調機能を損なわない程度に,系統周波数の変動に応じてエアコンの出力を集団制御する方法を提案する。エアコンの出力速度制限を考慮した簡易モデルを用いたシミュレーションによって貢献度の定量評価を行った結果を示す。また、定量評価で得た結果をもとに周波数変動に応じて適応的にエアコンのゲインを変えるという制御手法を提案し、その有効性を評価したものを示す。

  • 小早川 諒多, 石本 悠樹, 岩山 悠斗, 橋口 卓平
    セッションID: 02-1A-06
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年、化石燃料の依存度低減や地球温暖化対策、エネルギー自給率の向上によるエネルギーセキュリテイの強化などを目的として、再生可能エネルギーを利用した発電設備の導入量が増加している。今後、カーボンニュートラル達成のための脱炭素化の進展などに伴い慣性を有しない、非回転系の再生可能エネルギー電源が系統内で増加すると相対的に同期発電機の稼働数が減少し、系統全体における慣性が低下することで、系統全体の安定性低下を招く可能性がある。そこで本論文では、慣性定数に関する情報を推定するために、位相計測データから信号処理により慣性定数に関する情報を抽出するための研究を行ったので、その結果について報告する。

  • 王 康, 味志 秀紀, 池田 英広
    セッションID: 03-1A-01
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年ワイヤレス給電において,伝送距離や効率,また位置の自由度などを向上するために,送受電間に中継器(中継コイル)を用いる手法について研究が進んでいる。本研究では,85kHz帯を用いた磁界共鳴型ワイヤレス給電回路に対して,LC共振回路で構成された中継コイルを使用した時の,伝送電力・伝送距離・効率等の諸特性を,試作機を用いた実験により検証した。

  • 松野 俊介, 柴戸 洋次郎, 根葉 保彦
    セッションID: 03-1A-02
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    3レグPWM電流形コンバータ回路は,主ブリッジと共用する交流チョッパブリッジのコンデンサにより,単相電力の2倍周波数変動を吸収し,直流電流平滑化と交流電流正弦波化を行う。しかしながら,実際のスイッチングデバイスは,ターンオン・ターンオフの遅れを有し,コンバータのPWM動作に理論との差を生じるため,直流電流が変動して波形ひずみを引き起こす。本稿では,デバイスのスイッチング時間を補正して波形改善を行ったので,実験結果を報告する。

  • 竹田 慎司, 中嶌 竜冶, 根葉 保彦
    セッションID: 03-1A-03
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    PWM電流形インバータによる単相系統電圧変動の補償システムについて,直流インダクタの低減,波形の正弦波化を行った。本稿では電圧補償用コンバータを系統接続したシステム構成を検討したので,実験結果を報告する。

  • 原口 昇大, 澤田 直, 小倉 弘毅
    セッションID: 03-1A-04
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年、化石エネルギーへの依存度を下げ、再生エネルギーの活用をはじめとした石油代替エネルギーの開発および導入が渇望されている。その中でも、クリーンエネルギーの有効活用と環境保全に対して、太陽光発電システムは新エネルギーの中でも最も普及してきており、今後も導入の増加が見込まれている。本論文では、昇降圧チョッパと極性切替インバータから構成される単相正弦波PWMインバータを取り上げ、その特徴について説明する。さらに、試作実験器による従来方式(昇圧チョッパ+正弦波変調フルブリッジインバータ)と本提案方式の電力変換効率や総合波形ひずみ率の比較などを行い、提案方式の有効性と実用性を明らかにしている。

  • 中島 駿輔, 廣瀬 亮太, 柳井 武志, 中野 正基, 山下 昂洋, 福永 博俊
    セッションID: 04-1A-01
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年,パワエレ技術の進展に伴い,高周波・大電力を扱うことが可能な軟磁性材料の開発が強く望まれている。この要望に対して本研究室では磁気ひずみの符号の異なる2層の薄帯をめっき法により作製し,曲げ応力を加えることで高周波特性が改善できる可能性を最近示した。本稿では,マイクロマグネティックス理論をベースとした曲げ応力下が加わった状態における磁気特性解析手法の確立に関する基礎検討を行い,実験の現象理解を目的としたFe-Ni系多層薄帯の磁気特性解析を行ったのでその結果を報告する。

  • 深田 有哉, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1A-02
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    深共晶溶媒(DES: Deep Eutectic Solvent)は,水には無い多くの工業的特長を有していることから,めっき膜作製における新規溶媒として期待されている。これまでに我々は,DESを用いためっき浴からFe-Ni膜等の創製に関する報告を行い,その中の浴添加剤に関する検討で,グリシンなどの一級アミンがFe組成の多い領域で膜質の改善や軟磁気特性の改善に効果的に働くことを確認してきた。本稿では,新規浴添加剤としてクエン酸とエチレンジアミンを検討したのでその結果を報告する。

  • 山口 結都, 福島 大輝, 大串 直輝, 楢林 龍太, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1A-03
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    本研究室はこれまでに医療分野への応用を鑑み、めっき法により作製した白金系磁石膜に関する検討を行ってきた。従来の我々の検討では、めっき浴にクエン酸を錯化剤として用いることで良好な硬磁気特性を実現している。本稿ではクエン酸に変わる新たな錯化剤としてグリシンに着目し,高磁気特性を得るための条件検討を行ったのでその結果について報告する。

  • 白木 紘太, 柳井 武志, 松本 裕介, 細畑 ルナ, 山下 昂洋, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1A-04
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    本研究室ではこれまでに電解めっき法を用いた軟磁性膜に関して様々な報告を行ってきた。最近では,SDGsに代表される環境への配慮から,優れた磁気特性を有する軟磁性膜の開発と並行して,環境負荷の低減,具体的には廃液低減を目的としたゲル状電解質からの磁性めっき膜創製に関して検討を進めている。本稿では,ゲル状電解質からのFe-Co軟磁性膜創製を検討したのでその結果を報告する。

  • 田原 楽飛, 東 倖主, 福田 樹, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1A-05
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    本研究室ではこれまで、PLD法を用いてNd-Fe-B系磁石膜の成膜に取り組んできた。その際、ターゲットを回転させるものの、レーザ照射位置はターゲットの1点をスポット的に照射するため,ターゲット表面の一部分のみを利用した作製法であると共に、磁石膜の膜厚分布といった課題もあった。本研究では、ガルバノミラーを用いたレーザ照射位置の制御により,Nd-Fe-Bターゲット表面の広範囲にわたる利用と共に,膜厚分布の低減を検討した。本発表では、往復周波数をパラメータとして,膜厚分布やターゲット利用面積向上以外に、組成転写性、磁気特性、結晶構造を評価した結果を報告する。

  • 岡村 和哉, 宮原 悠, 高嶋 恵佑, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1A-06
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    小型希土類系磁石をベースとした磁気MEMSの開発が進められているが,希土類系磁石は錆びやすく,耐食性を考慮したデバイス設計が必要となる。例えば,体内埋め込みデバイスなどの医療用デバイスなどの利用を想定した際に,コーティングの検討やその信頼性の確保が課題となる。そこで我々はPLD(Pulsed laser Deposition)法で熱酸化膜付きSi基板上に成膜したFe-Pt磁石膜が剥離しやすい現象を用いてFe-Pt磁石薄帯を作製してきた。しかし,既報では磁気特性の組成依存性を検討しておらず,さらなる議論の余地がある。本稿ではFe-Pt磁石薄帯の磁気特性に及ぼす組成の影響を中心に議論する。

  • 川野 聖人, 土居 諒, 李 波, 浅野 葵, 車 明, 三上 裕也, 加藤 和利
    セッションID: 06-1A-01
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年、モバイルトラフィック量の急激な増大により、無線通信のさらなる大容量化と高速化が求められている。これを実現するための手段として、0.1~3THzの周波数帯を有するテラヘルツ波の利用が期待されている。しかしながら、テラヘルツ波は光の周波数に近いため、直進性が強く、広範囲への電波の送信が難しい。このことから、任意方向に電波を放射するビームステアリング技術が必要となる。今回、光フェーズドアレーと8アレーフォトミキサを用いて、テラヘルツ波の位相を電子的に制御し、-15°~15°の範囲でビームステアリングに成功したので報告する。

  • 上森 大暉, 加藤 和利, 三上 裕也, Ssali Hussein, 紙浦 欣輝
    セッションID: 06-1A-02
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    我々は、テラヘルツ波発生源として、二光波のビート周波数を生成するフォトミキサの高出力化に取り組んでいる。今までにアレー状に配置した各フォトミキサで発生した高周波電流をアンテナに給電して電波を放射し、空間で合波することでテラヘルツ波出力の向上に成功している。しかし、テラヘルツ波は大気中での減衰が非常に大きく、より効率的に情報を伝達するために、さらなる出力増大が求められている。今回は、アレー状に配置した各フォトミキサで発生した高周波電流を合成した後にアンテナから電波を放射することにより、テラヘルツ波の出力をさらに向上させることができたので報告する。

  • 岩本 真治, 矢野 拓弥, 三上 裕也, 加藤 和利
    セッションID: 06-1A-03
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年、モバイル通信によるトラフィック量は著しい増加を続けている。そのため、無線通信の大容量化は喫緊の課題である。これを実現する手段として、周波数が0.1~3THzのテラヘルツ波の利用が期待されている。しかし、テラヘルツ波は大気中の減衰が大きく、また、その直進性の高さから広範囲で通信することが困難であるため、出力の増大とビームステアリング技術が必要となる。我々は、アンテナとUTC-PDをアレー化した送信器を作製し、テラヘルツ波の出力の増大とビームステアリングを行うことを可能にした。今回、この送信器を使用し300GHz帯のテラヘルツ波による伝送実験を行い、データ伝送が可能であることを確認したので報告する。

  • 貝出 凌汰, 葉 聖鴻, 松本 凌, 桝冨 直人, 三上 裕也, 上田 悠太, 加藤 和利
    セッションID: 06-1A-04
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年、モバイル通信によるデータトラフィック量は顕著な増加を続けている。そのため将来は、さらなる大容量の無線通信の実現が必要不可欠である。これを解決するため、周波数が0.1~3THzのテラヘルツ波の利用が期待されている。我々はこれまで、無線通信用のテラヘルツ波の生成手法としてフォトミキシング技術を用い、強度変調による通信を実証してきたが、振幅ノイズという不可避の課題があった。今回、振幅ノイズの影響が少ない新たな通信方式として、波長一定のレーザと高速波長可変レーザの2光源を用いたフォトミキシングにより周波数変調を実現し、これを用いて500Mbit/sの2値周波数変調による通信実験を行ったので報告する。

  • 張 茺, 李 波, 唐 浩嵐, 葉 聖鴻, 車 明, 三上 裕也, 加藤 和利
    セッションID: 06-1A-05
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    高速、大容量テラヘルツ通信では、テラヘルツ波の周波数安定化が重要である。本報告では、二光波間の光周波数差のテラヘルツ波を生成するフォトミキシング技術において、光通信で汎用的に使われている分布帰還型(DFB)レーザアレーからの二光波間の光周波数差を検知しフィードバック制御することによって安定化する新たな方法を提案する。実験により、本提案手法による二光波間の光周波数差の安定性の評価結果を報告する。

  • 銭 程遠, 三上 裕也, 加藤 和利
    セッションID: 06-1A-06
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    無線通信の分野では0.3THz~0.6THzのテラヘルツ波を利用した高速通信の開発に期待が高まっている。我々は周波数の異なる二光波の差周波数をもつ電気信号を生成するフォトミキシングを用いたテラヘルツ波生成法を研究している。従来のフォトミキサとして使われている単一走行キャリヤフォトダイオード(UTC-PD)は電子が半導体中で走行するため、出力には物理的限界がある。我々は、無線通信用テラヘルツ波源の大幅な出力増大を目指して、半導体内ではなく比誘電率の最も小さい真空空間で電子が走行するInGaN真空走行キャリアフォトダイオード(VTC-PD)を提案する。今回、この新規デバイスの設計と初期的な評価結果について報告する。

  • 山下 駿, 福島 誠治, 永山 務, 渡邊 俊夫
    セッションID: 06-1A-07
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    抄録本研究グループでは液晶装荷メタサーフェスによる偏向器の提案を行い、メタサーフェスに屈折率分布を与えることで垂直に入射したビームが偏向することを確認した。本稿では、市販液晶で実現可能な屈折率範囲での偏向器の構造モデルについて検討を行う。屈折率の範囲は固定し構造モデルの厚みをパラメータとして偏向角の依存性を計算する。また、有限要素法に基づく電磁界シミュレータを用いて全波解析を行いビームの光強度と偏向角度を確認し、計算結果と解析結果を比較することで構造モデルの妥当性を評価する。

  • 鍵本 力, 渡邉 俊夫, 永山 務, 福島 誠治
    セッションID: 06-1A-08
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    非対称性方向性結合器(ADC)を用いたモード合分波器は、異なるモードを合波・分波することのできるデバイスであり、モード分割多重(MDM)において重要な役割を果たす。光導波路を積層構造にした積層型ADCは、従来の平面型ADCと比較して設計に柔軟性があり、平面構造では不可能なモード結合が実現できる。本研究では、積層型ADCの積層部分の横方向の位置を変化させ、導波路幅を適切に設計することで、LP11aモードを経由せずに、LP01モードから直接LP21aモードへの結合が可能なことをシミュレーションにより確認した。

  • 永山 諒, 渡邉 俊夫, 永山 務, 福島 誠治
    セッションID: 06-1A-09
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    光スイッチは、光信号を電気信号に変えることなく経路変更できる機能を持ち、光通信ネットワークのキーデバイスである。多入力多出力の光スイッチの回路構成に3段Clos構成を用いることで、1段構成のマトリクススイッチに比べてクロスポイント数を削除することができる。さらに、3段Clos構成の光スイッチに冗長性を持たせることで、1段構成のマトリクススイッチよりも少ないクロスポイント数で光スイッチの故障耐性を高めることができると考えられる。本研究では、3段Clos光スイッチに冗長性を持たせた構成を検討し、クロスポイント数と故障耐性の関係を定量的に明らかにした。

  • 稲光 遥也, 渡邉 俊夫, 永山 務, 福島 誠治
    セッションID: 06-1A-10
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    通信の高度化に伴い、従来の光ファイバとは異なる特性を備えた新しい光ファイバが要望されている。フォトニック結晶ファイバは、クラッド部に多数の空孔を周期的に設けた光ファイバである。光ファイバのコアが中空でクラッド部の空孔も中空の場合、表面モードが現れ、群遅延時間が大きくなる場合がある。本研究では、中空コア光ファイバのクラッド部の空孔に物質を充填して屈折率を空気よりも大きくすることで、表面モードを抑制し、群遅延時間を低減できることをシミュレーションにより示した。

  • 古場 雅大, 菊池 俊文, 片山 慶太, 東畠 三洋, 中村 大輔, 池上 浩
    セッションID: 06-1A-11
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    レーザ溶接は、非接触かつ操作性が高いため、自動車製造分野等で利用されている。しかし、レーザ溶接は加工の高速化に伴い、材料の溶融・凝固過程でビードの乱れによる溶接不良やスパッタ発生等の課題があり、安定した加工には発生するヒュームの除去も重要である。本研究では、これらの課題を解決するために、レーザ照射部に対し吹付と吸引を同時に行えるノズルを開発した。このノズルによるスパッタやヒュームの抑制効果など溶接品質に与える影響について、レーザと同軸で輻射画像計測が可能なシステムを用いて調査した。さらに、溶接後のビード形状を観察し、計測した画像と照合して溶接品質を評価した。

  • 末山 大勝, 西山 太基, 伊賀崎 伴彦
    セッションID: 07-1A-01
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    運動機能障害患者の機能回復にはリハビリが有効であり,その手法の一つに脳活動を用いたニューロフィードバックがある.この手法下では患者が能動的に運動したと知覚することが重要であり,効果の高いリハビリを行うには運動が能動的か受動的かを判別する必要がある.NIRSによる研究は行われているが,時間応答の悪いためリハビリには不向きである.本研究では時間応答の良好な脳波により,日常生活でも一般的に用いられる示指屈曲運動を能動的,受動的に行わせたときの脳活動の解析を試みた.結果として,被験者ごとに部位,時間,帯域は異なるものの有意差のある特徴量が見られ,能動運動と受動運動を判別できる可能性が示唆された.

  • 波多野 遊然, 石尾 太耀, 伊賀崎 伴彦, 橋爪 一治
    セッションID: 07-1A-02
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    書字障害とされた児童に,人材コストを必要とせず「こうすればうまくいく」という巧緻技能を与える可能性のある装置として,力覚デバイスがある.しかし,この力覚デバイスは自分で動かす感覚(自動感)が欠如しがちである.そこで,われわれは自動感を与える手段として手指関節の運動錯覚に注目した.錯覚による自動感を与えることによる巧緻技能の向上の効果を正確に計測するためには,その運動錯覚の定量的な評価が必要となる.本研究では,運動錯覚を定量的に評価する手法として錯覚生起位置と錯覚非生起位置の2箇所での振動刺激時の脳波を測定,比較することにより,運動錯覚の定量的評価を目的とする.

  • 桐田 龍之介, 高日 亜央衣, 恩田 龍人, 西川 里織, 伊賀崎 伴彦
    セッションID: 07-1A-03
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    慢性疲労感症候群とは,ストレスなどによる激しい倦怠感等の症状が長期的に続く症状である.一般的な臨床検査ではほとんど異常が認められないため,正しい疲労評価が難しい.そのため脳機能検査が必要であると考えられるが,その中でも脳波検査は精神状態を測る上で重要な指標となっている.ところが,脳波による疲労評価においてどれぐらいのデータ時間ごとに評価を行えばよいか,その確固たる基準は未だ確立されていない.本研究では,疲労を生起する精神作業負荷として難易度の異なる無地のジグソーパズルを被験者に課した.実験で得られた生理量と心理量それぞれの指標において,生理量と心理量の相関の解析時間による違いを検討した.

  • 恩田 龍人, 高日 亜央衣, 桐田 龍之介, 西川 里織, 伊賀崎 伴彦
    セッションID: 07-1A-04
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    メンタルヘルス不調が深刻な社会問題である.そのセルフケアに向け,これまで,ストレスなどの感情を生体信号で評価する研究が広く行われてきた.われわれもの主成分分析による感情評価でも,ラッセルの円環モデルを再現できているかのような結果が得られているが,線形的な解析手法であるためモデルに従っていない部分もある.非線形的な解析手法である自己符号化器を用いることでより正確に感情評価ができるだろうと考えられる.本研究では,パズル作業負荷後安静中の脳波パワー指標と心拍変動指標を入力とした自己符号化器による特徴量とパズル作業負荷後の気分評価アンケートとの関係性について調査し,報告する.

  • 山城 晨太朗, 福本 尚生, 伊藤 秀昭
    セッションID: 07-1A-05
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    数あるコミュニケーションの中でも音声でのコミュニケーションが最も自然で望ましい。しかし,喉頭切除患者などの発話が困難な人にとって,音声での自然な対話は,難しい。そこで,無発声で発話した内容を認識する研究が行われている。しかし,事前に登録したコマンドしか認識できないものも多く,依然として臨機応変な対話は,困難である。そのため,喉頭切除患者などの発声が困難な方々のコミュニケーションツールとして利用するには,まだまだ課題があると言える。そこで,本研究では,表面筋電信号を用いた無発声での連続発話認識を目指し,発話の軸となる母音を2連続で無発声発話した際の口唇周辺筋肉の活動変化について,解析を行った。

  • 福田 奈々, Yeoh Wen Liang, 山口 暢彦, 奥村 浩, 福田 修
    セッションID: 07-1A-06
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    腕を切断した人や神経変性疾患の患者が手軽に使用できるインタフェースは少ない.そこで本研究では安価で軽便な筋電位センサを用いることで,切断者や神経変性疾患者でも操作可能なインタフェースの開発を目指す.筋電位とは筋肉が収縮する際に発生する活動電位であり,人の運動意図情報を含んでいる.そこで,逆にこの信号からその人の運動意図を推定できればインタフェースの手段として使用することができる.本研究では筋電位信号に整流,平滑化,正規化などの処理を施し,得られた筋電位パターンから運動意図の推定を試みた.提案する軽便な筋電センサを利用したインタフェースの普及により,切断者や神経変性疾患者の就労支援が期待できる.

  • 永野 聖人, Takei Amane T.
    セッションID: 07-1A-09
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年では,解剖学的に詳細な人体モデルが開発され,人体が充電部に触れた場合に流れる接触電流の数値解析が可能になってきている。人体モデルのような大規模数値モデルを用いる計算には膨大な演算量,記憶容量が必要となるため,複数プロセッサによる並列処理が欠かせない。有限要素解析において,その処理時間の大半を占める連立一次方程式群の求解過程で用いる反復法に前処理を適用することにより収束性を向上させることができる。そこで,本研究では計算方法は同じであるがアルゴリズムが異なるBDD前処理と幾何マルチグリッド法に着目し,両者の特性を明らかにした上で,人体内電流解析の最適な計算アルゴリズムを模索する。

  • 川口 修平, 木村 早希子, Yeoh Wen Liang, 山口 暢彦, 奥村 浩, 福田 修
    セッションID: 07-1A-10
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
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    本研究の目的は,手術前後における抗血栓薬の適切な休薬判断を支援することである.ベイジアンネットワークを活用した医師の休薬判断のモデル化を行った.構築したベイジアンネットワークを使用して医師の休薬判断過程をモデル化し,休薬判断に関連する要因から作成した仮想症例を医療従事者に提供し,休薬判断の差異を検証した.また,ウェブベースのインターフェースも開発した.このインターフェースでは,グラフのノードを選択することでベイジアンネットワークの入力を設定し,その入力に対する推定結果を出力することが可能である.今後は,より大規模なデータセットや現場での実証研究による検証を行う予定である.

  • 魏 延輝, 山口 裕
    セッションID: 08-1A-01
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    アンビグラムはカリグラフィーの一種であり, 回転等の変形をされた後でも可読性を持つようにデザインされた文字列である. 多目的最適化を行う敵対生成ネットワーク(GAN)の枠組みを利用することで, アンビグラムを生成するモデルを構築した. 手書き英字アルファベットを用いてGANを訓練する.生成器には画像ラベル及び回転画像のラベルを入力する.そして2つの判別器を用いて, 生成画像及び生成画像を回転した画像を評価し,敵対的訓練を行う. 生成された画像とそれを回転した画像の評価を行うために, 認識モデル利用した.生成画像を認識モデルに入力した際の正解率などを生成画像の品質をラベル毎に評価した.

  • 森 真希登, 山口 裕
    セッションID: 08-1A-02
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    実世界におけるカードゲームにおいてAIがプレイヤーの行動を認識しルールやヒントを提示することで,初心者でも円滑にプレイすることが可能となると考えられる.教示対象の初心者に,カードを出すタイミングや状況を伝えるシステムを作るためには,手元のカードや場のカードの認識に加え,プレーヤーの動作を認識して現在の状況を把握する必要がある. 本研究ではカードゲームのプレイ動画を撮影し,それにアノテーションを行い訓練データを作成した.そしてTemporal Convolutional Networkを用いて時間的セグメンテーションの学習を行い,自身や他のプレイヤーの重要な動作のタイミングを認識させるモデルを構築した.また複数のモデル間の性能の比較を行った.

  • 塘田 悠希, 山口 裕
    セッションID: 08-1A-03
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    RNNのモデル内における機能分化構造の自己組織的発現を分析することを目的として、初期値と時定数の異なる2つのカオス信号を足し合わせた信号を入力とし、もとの二つの信号を分離して出力するタスクをRNNに学習させた。その後、十分学習されたモデルを用いて、出力層の重みや中間層での出力を観察することで、モデルの内部構造を解析し、機能分化などの構造の発現が見られるかを確認した。重みの大きさの分布などから、今回の二つのカオス信号を分離させるタスクでは、RNN内に明確な機能分化構造は見られず、多くの素子は二つの信号の情報を共に含むことが分かった。

  • 山崎 隆太郎, 山内 寛行
    セッションID: 08-1A-04
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年,ネット販売等により配送トラック燃料消費量が経済的にもSDG的にも問題となっている,一方でIoTセンサーの技術の発達により,各種データの取得が可能になっている.そこで,于鵬氏の研究[1]をもとに,燃料消費量の予測と主要因分析を機械学習で実施し、燃料消費量削減可能性の調査研究を行った.機械学習予測の説明のためSHAP分析,アンサンブル学習の主な2種類やり方である「バギング」と「ブースティング」のトレードオフを補償する効果を比較するために各種スタッキング構造の比較検討を実施したので報告する.

  • 呉 少卿, 李 鋳峰, 山内 寛行
    セッションID: 08-1A-05
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、チャネルアテンション用のSEモジュールがResNet18モデルにおいてどのように機能しているか理解を深めるために、エポック依存性、入力からの深さ方向と幅方向依存性などの観点で考察したので報告する。学習や判別はCIFAR-10データセットを用いて実施した。SE-ResNet18モデルを量子化技術を用いて訓練し、各basicblock内でのSEモジュールのチャネル方向依存性について詳細な分析を実施してSEモジュールの有効性を明らかにした。これらの研究結果は、量子化された画像分類モデルにおけるSEモジュールの役割をより深く理解する上で重要な意義を持つことを明らかにしました。

  • 渡部 早弥, 猪平 栄一
    セッションID: 08-1A-06
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    サービスロボットに対する人間の振る舞いを生成することができればシミュレーションによりサービスロボットのソフトウェア開発・評価を効率化できる。本研究ではサービスロボットに対する人間の振る舞いを敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network; GAN)を生成する手法について検討した。30名程度の参加者が交流する様子を収めたMatchNMingleデータから人の位置、向き、行動のラベルを抽出し、訓練用データセットを作成した。出力された位置の差分の最大値を損失関数に加え、行動ラベルを1個に限定した条件で、GANの出力が訓練用データセットに最も近くなった。

  • 實安 慶祐, 猪平 栄一
    セッションID: 08-1A-07
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    出現時刻が未知である複数人のゲストに対する道案内ロボットへのタスク割り当ての最適化はゲストが出現する入口の個数やマップに応じて複雑な問題となる。筆者らはトポロジカルマップと遺伝的アルゴリズム(GA)によるタスク割り当て手法を提案する。ロボットはトポロジカルマップ上に6台配置され、4つの入り口からゲストが現れる時刻は未知であるという条件のもと、ゲストの待機時間とロボットの走行距離の合計が最小になるようなロボットの初期配置や割り当てを探索した。GAを用いることによって、ゲストが出現する頻度に応じて複数台の道案内ロボットのタスク割り当ての最適化を行うことができることを検証した。

  • 磯崎 遼斗, 永井 秀利, 中村 貞吾
    セッションID: 08-1A-08
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    レジスタンス:アヴァロン」は,ゲーム上での自らの役職を他者から隠蔽して行う正体秘匿系ゲームの一種である. レジスタンス:アヴァロンで勝利するためにはゲーム中繰り返し行われるクエストを成功させる必要があり,クエスト成功には参加プレイヤを自陣営のプレイヤで固める必要がある. そのような,クエスト参加プレイヤの選択等において適切な行動をするには他プレイヤをどの程度信用するかが重要である. 他プレイヤを信用するには観測された行動に応じてそのプレイヤをどの程度信用しているかの値(信頼度)を操作する必要がある. この信頼度を増減させる要因に対してどの程度の量だけ信頼度を操作するのが効果的か試した結果を示す.

  • 本村 開登, 永井 秀利, 中村 貞吾
    セッションID: 08-1A-09
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    レジスタンスアヴァロンのような正体隠匿系のゲームでの邪悪陣営プレイヤは自分の陣営を偽って行動するため、単に機械学習等で行動を学習させただけではゲーム状況に矛盾した発言や意図が不明瞭な行動をとってしまうことがある。そこで本研究では自分を正義陣営とする仮想的な全プレイヤの陣営割り当てを生成し、その陣営割り当てを行動の指針とすることで意図のある行動、発言を行うAIを作成する。また自分の意見を通りやすくし邪悪陣営が有利にゲームを進行できるようにするため、ゲーム情報から他プレイヤの各プレイヤへの評価値を算出し、他プレイヤの動向を把握することで賛同が得られやすい陣営割り当てを生成する。

  • 中村 貞吾, 小田 直輝
    セッションID: 08-1A-10
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    新聞や雑誌の囲碁の棋譜解説記事においては,棋譜を複数の譜に分割し,各譜の中で解説する着手をいくつかピックアップして解説を行なうことで解説記事が作成される.本稿では,解説対象となる棋譜において,戦況がどのように推移していくかに着目して棋譜を分割して,解説文を生成することを試みる.

  • 山下 燿梨, 山之口 一真, 堀川 哲正, 福島 誠治
    セッションID: 09-1A-01
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    大学や民間企業が小型人工衛星や小型ロケットを開発する事例が増えている。我々も小型ロケットと模擬人工衛星の開発を進めており、これまでに4機の⼩型ハイブリッドロケットの打上げ実験を⾏った。ロケット3号機に搭載された衛星初号機のミッションはおおむね成功したが、実験の一部時間で通信途絶が発生した。本論文は、ロケット搭載の模擬人工衛星の通信システムの改良を報告する。通信途絶解消のため衛星2号機の実験では、受信アンテナの偏波を直線偏波から円偏波に変更し、その利得の向上も図った。さらに2地点のダイバーシティ受信を行った。本発表では、アンテナの開発や回線設計および受信データ量の時間推移などについて述べる。

  • 井芹 奎士郎, 渡邉 俊夫, 永山 務, 福島 誠治
    セッションID: 09-1A-02
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年、コアが中空であるため低遅延の通信を実現できるという特長から、金融業界などにおいて中空コアフォトニックバンドギャップファイバ(HC-PBGF)への期待が高まっている。HC-PBGFは中空のコア部と空孔による周期構造が設けられたクラッド部から構成された光ファイバである。本研究ではHC-PBGFのコア径やクラッド部の空孔の半径や形状を制御し、有限要素法によるシミュレーションを行うことで、より低遅延な通信を実現できる光ファイバの構造を検討した。その結果、光ファイバ断面積に占める空孔の割合を増やすことで群遅延時間を低減できることを示した。また、コア周辺の表面モードがHC-PBGFの群遅延特性に与える影響についても考察した。

  • 小田 昇輝, 渡邉 俊夫, 永山 務, 福島 誠治
    セッションID: 09-1A-03
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    屈折率導波型フォトニック結晶ファイバ(PCF)は、シリカのコアを囲むクラッドに周期的に配列された空孔をもち、全反射を導波原理とすることから、空孔間隔や直径を比較的自由に制御することができる。PCFにおいてモード多重伝送を行うことで、通信容量の拡大が期待できることから、本研究では、マルチモード伝送可能な屈折率導波型PCFの構成を検討した。シミュレーションにより、空孔間隔や直径、および空孔配列の層数と、屈折率導波型PCFのモード数との関係を明らかにした。

  • 猪口 佑太郎, 尾知 博, 黒崎 正行
    セッションID: 09-1A-04
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
    会議録・要旨集 フリー

    近年の無線基地局数の増加に伴い基地局全体の年間総消費電力量も増加することが予測されており,無線基地局全体の低消費電力化が重要な問題となっている.本研究では,人の目では判別がつかない程度に受信画像の画質を低減させるように送信電力を下げてMIMO通信を行う.提案手法は,適応的に電力を割り当てることにより,消費電力を削減しつつ,受信できる全ユーザの映像品質を一定以上に保つことが可能である.シミュレーションより,すべてのユーザがPSNR40dB以上を達成している時,提案手法では,40%の電力の削減が可能であることが確認された.

  • 田中 勇気, 行天 啓二, 大城 英裕, 高見 利也
    セッションID: 09-1A-05
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/03/08
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    メタバースの特徴の一つとして、ユーザーがコンテンツを作成できる点が挙げられる。現状、中央集権型のサービスが多くあるが、サービス独自の意思決定や終了が可能なことから、ユーザーは安心して利用できる状況にない。そのため、非中央集権型でのメタバースは重要であると考える。ピュア型P2Pでのメタバース上の座標同期の問題点として、そのままの接続では通信量が大きくなる。そこで動的な接続先の選択を行う必要がある。本研究では、ワールドを分割することによる座標情報の交換アルゴリズムの実装とその検証、また、オブジェクトの距離による同期頻度による評価を行う。そして、大規模な同時接続を実現する上での課題について述べる。

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