日本総合健診医学会誌
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25 巻, 4 号
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  • 堀 三郎, 高橋 為生, 西野 理英, 日野原 茂雄, 日野原 重明
    1998 年 25 巻 4 号 p. 359-364
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    男性の総合健診受診者のうち, 治療中の慢性疾患を認めない2, 913名を対象として軽度の糖代謝異常出現に影響をおよぼす要因について検討した。対象をアメリカ糖尿病学会 (ADA) の提言に準じて, 空腹時血糖値 (FPG) により判定すると, 正常2, 628名 (対象全体の90.2%) , impaired fasting glucose (IFG) 209名 (7.2%) , 糖尿病76名 (2.6%) であった。IFGをWHO分類のimpairedg lucose tolerance (IGT) などにほぼ該当する軽度の糖代謝異常と理解し, 正常およびIFGに属する2, 837名においてIFGの出現に影響をおよぼす要因を検討した。
    FPG, 血清総コレステロール, 血清トリグリセライド, 血清HDL-コレステロール, 血清尿酸, 血清γ-GTPをそれぞれ測定し, 年齢, BMI値, 収縮期血圧値, 拡張期血圧値とともに変数として用いた。また, 肥満, 高血圧症, 高コレステロール血症, 高トリグリセライド血症, 低HDL-コレステロール血症, 高尿酸血症, γ-GTP異常のそれぞれの有無によりカテゴリー化し, さらに, 問診表の回答から身体活動の不足, 軽い運動継続の不足, 飲酒習慣, 喫煙習慣, 20歳時体重より7Kg以上体重増加のそれぞれの有無によりカテゴリー化して検討した。
    男性の総合健診受診者を対象とした多変量ロジスティック回帰分析による調整化されたオッズ比の検討では, 加齢ならびに肥満, 高血圧症, 高コレステロール血症およびγ-GTP異常がIFG出現に影響をおよぼす要因と考えられた。
    加齢を除くこれらの要因はいずれも日頃の生活習慣と密接に関連があると考えられるため, 冠動脈疾患を代表とする動脈硬化性疾患の一次予防のための統括的な生活指導を行う際には, 軽度の糖代謝異常とこれらの要因との関連性に留意することがきわめて重要である。
  • 藤岡 豊, 桑山 幸久, 市原 義雄, 安野 尚史, 塚本 純久, 横井 正史
    1998 年 25 巻 4 号 p. 365-369
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    40歳から83歳の1, 769名 (男1, 184名, 女585名) の一般中高年者について, 保有する危険因子の数と, 最大酸素摂取量 (VO2max) , および無酸素性作業閾値 (Anaerobic Threshold, AT) における酸素摂取量 (VO2AT) , 心拍数 (AT時HR) , 収縮期血圧 (AT時SBP) との関連を調査した。危険因子としてはSyndrome XとDeadly Quartetの指標を参考に, 空腹時血糖, 血圧, LDLコレステロール, HDLコレステロール, トリグリセライド, 体格指数 (Body Mass Index, BMI) の各項目について検討した。運動負荷は, 自転車エルゴメーターによるRamp負荷を行った。男女別に保有する危険因子の数 (N) によりN=0群 (n=343) ~N=5群 (n=18) (N=6該当者なし) に分類したところ, 男女とも抱えている危険因子の多い群ほど, VO2max, VO2ATともに低い値を示した。また個々の危険因子の程度も, 危険因子数が多い者ほど高い (HDLについては低い) 傾向が認められた。これに対し, AT時HRの予測最大HRに対する割合は男女ともほぼ一定で, 63.8%~68.9%であった。VO2max, VO2ATともに保有危険因子の数とおおむね逆相関を呈し, 体力レベルの低い者ほど多くの危険因子を抱えていた。AT時HRの予測最大HRに対する割合はその保有危険因子数の多寡にも影響を受けず, 運動処方の目安として合理性の高いものであると考えられた。
  • 寺井 継男, 山本 真, 常山 純子, 飯居 サト子
    1998 年 25 巻 4 号 p. 370-374
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 真智子, 平木 尚司, 諏訪 正成, 樫原 英俊, 山岸 潤子, 宇坪 明美, 品田 綾子, 高橋 行子, 田村 政紀
    1998 年 25 巻 4 号 p. 375-378
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1991年1月から1996年12月までの6年間に, 総数61, 208名, 実数25, 585名の婦人科検診を行い, 超音波検査には経膣用と経腹用の探触子を随時使用した。卵巣の疾患に関しては, 内診時に (1) 卵巣腫瘍の疑いのある人, (2) 明らかな筋腫以外で下腹部に腫瘤のある人, (3) 内診所見が不明瞭な人などを超音波検査の対象とした。経膣走査と経腹走査の選択および経腹走査で膀胱を充満させるかどうかはcase by caseで判断した。超音波装置は日立EUB-315で, 経膣走査には5MHzメカニカルセクタ型探触子, 経腹走査には3.5MHzのコンベックス型探触子を使用した。最終的に卵巣腫瘍または類腫瘍と診断されたのは238名であり, 卵巣癌は中間群1名を含めて11名で, 受診者実数の0.043%, 総数の0.018%であった。卵巣癌11名のうち初回検診で発見されたのは4名で他の7名は第3~25回の検診での発見であった。この6年間に発見された婦人科領域の悪性腫瘍は71名であり, 卵巣癌11名はその15.49%にあたる。個々の症例を検討すると, 卵巣癌は子宮癌に比べ検診を受けていても早期発見が困難であると再認識した。婦人科検診は細胞診と超音波を受診者全員に併用することが望ましく, 検診間隔も今後検討すべき問題と考えられた。
  • 斎藤 征夫, 大塚 亨, 高橋 玲, 青山 典裕, 鈴木 哲郎
    1998 年 25 巻 4 号 p. 379-384
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    健康診断受診者36, 280人 (男性: 29, 191人, 女性: 7, 089人) を対象にして, 健康診断受診後2年以内に死亡した人々の死亡原因を調べるとともに, 死亡原因と健康診断結果と関連を追求した。
    死亡者は78人 (0.21%) で, 性別では男性68人 (0.23%) , 女性10人 (0.14%) であったが, 健康診断時に治療中のものや自殺者を除く死亡者は, 58人 (0.16%) であった。
    疾病別の死因順位は, 男性の場合, 第1位が悪性新生物, 第2位が肝硬変, 第3位が心臓疾患・脳血管疾患・自殺の順であり, 女性の場合, 第1位が悪性新生物, 第2位が心臓疾患であった。
    悪性新生物の部位別では第1位が胃, 第2位が肺, 第3位が大腸の順であった。
    胃癌は胃X線検査, 大腸癌は便潜血検査が有効であるが, 肺癌は喀痰検査が有効でなく, 胸部X線検査で発見されてもすでに転移している場合が少なくない。
    肝硬変は, B型・C型肝炎ウイルスが原因で, 健康診断時に全例治療中であった。
    心臓疾患の多くは心筋梗塞で, この心筋梗塞や脳血管疾患は急性疾患であるため, 当然のことながら, 健康診断で発見することは困難であるとともに, 健康診断結果からも予知は不可能であった。
    しかし, 健康診断を用いての健康管理は, これらの疾患の危険因子を除去することが可能なので
    ある。
  • 嶋村 賢司, 長谷川 久美子, 高橋 千賀子, 和久 貴子, 岡崎 直美, 太田 亮一, 熊田 博克
    1998 年 25 巻 4 号 p. 385-392
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    LDL-コレステロール直接測定試薬 (コレステストLDL) の基礎的検討を行った。基本的性能の検討項目として, 吸収曲線・反応タイムコース・再現性・希釈直線性・共存物質の影響を確認し, 良好な結果が得られた。
    基準法である超遠心法と本法との比較では良好な一致性が確認されたが, 日常的に用いられるFriedewaldの換算式より求めた値と本法を比較した結果, 中性脂肪が350mg/dl以上の検体では, 乖離する例も認められ, Friedewaldの換算式の問題点を再確認できた。
    食事負荷による影響は, 食後6時間まで経時変化は認められなかった。
    本試薬は汎用型自動分析装置に適用することができ, 日常検査に有用な試薬である。
  • 田村 政紀
    1998 年 25 巻 4 号 p. 393-402
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 超音波検査の標準化に向けて
    桑島 章
    1998 年 25 巻 4 号 p. 403-405
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 25 巻 4 号 p. 406-411
    発行日: 1998/12/20
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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