C1化学は石油の代わりに,石炭,天然ガス,バイオマス等から化学品及びエネルギー製品を製造するキーテクノロジーである。既存の気相,液相FT合成(Fischer-Tropsch 合成)とは異なり,超臨界相FT合成技術を開発した。超臨界相FT合成において,炭化水素のASF分布を世界で初めて打破できた。固体触媒ペレット表面に酸性ゼオライト膜を有する「カプセル」触媒概念を提唱し,合成ガスからガソリンの直接合成に成功した。このカプセル触媒が複数の触媒反応を一括に遂行できるone-step合成に特に有効であることを確認した。触媒的なアルコールを生かした新規低温メタノール合成技術を発明し,低温有利な熱力学平衡メリットを維持すると共に,低温でも高い速度と高い転化率を実現した。既存の高温高圧メタノール合成工業プロセスの問題点を解決した。複合触媒を開発し,ジメチルエーテルからエタノールの直接合成を発明した。ナノ粒子の自己組織法に基づき,汎用的なバイモダル触媒調製方法を樹立した。これらの新技術はC1化学の発展に大きく貢献した。
著者は,これまでに流動層を反応装置としたエネルギー転換技術について,主に環境対応の高度化を目指した次の研究・開発等を行ってきた。 (1) 常圧流動層燃焼からの汚染物質排出低減 (1.1) 石炭燃焼時NOx,N2Oの生成・消滅機構の解明 (1.2) 代替流動媒体による廃棄物等燃焼の高度化 (2) 加圧流動層燃焼からの汚染物質排出低減 (3)2塔式流動層循環系用いた新規省エネルギー型CO2分離プロセスの提案と研究 (4) 公的委員会の委員などを通じてのエネルギー関連の社会貢献 本稿ではその主要な成果を概説するとともに,今後の展望を述べる。
2017年4月に省エネルギー部会と生活部会が発展的に合併して,省エネルギー・消費者行動部会(Division of Energy Efficiency and Consumer Behavior: EECB)が発足しました。 略称として,EECB(イー・イー・シー・ビー)部会と覚えて下さい!
本稿ではエネルギー消費のトレンドや環境省の統計調査結果から家庭部門を中心に省エネルギーの進展状況について考察する。また,行動科学の知見を省エネルギー・気候変動対策に活用する動きについて,具体的な事例を交えて紹介する。
環境にやさしい鉄道のさらなる省エネ化をめざし,駅の電力削減にチャレンジ。
新型のプリウスPHVに搭載されている新開発プラグインハイブリッドシステムは,旧型のプリウスPHVと比べ,よりいっそうの高効率・低損失化と小型・軽量化を目指して開発を推進し,次世代環境車の柱となるにふさわしい省エネ性能を実現した。EV性能は,EV距離とEV出力ともに旧型より大幅アップを実現し,実使用でのEVカバー率の向上が可能となった。さらに,駆動用バッテリの充電は,ACおよびDC充電に加え,世界初のソーラー充電システムを採用した。駐車中のソーラー充電で,日当たり最大EV距離6.1 km分の充電が可能であり,よりCO2フリーなEV走行が可能となった。
e-POWERは全ての走行をモータで行うことで異次元の電気の走りを実現したシステムである。エンジンを発電に特化させることで,常に高効率な条件での運転を可能とし,無駄なエンジン始動をなくすことで燃料消費量を抑制した。さらにアクセルペダルの操作でスムースな停止を実現し,足を移動するストレスを軽減した上で,車両停止まで回生を実現し限界まで燃費性能を向上させた。
自動車の骨格部品は主にスチールで構成されており,現在は乗員保護と燃費向上の観点から主に1ギガパスカル級の高張力鋼板(ハイテン)が使用されている。一部の車種には1.5ギガパスカル級の鋼板も適用されつつあるが,熱間成形する必要があり省エネ性と生産性の低さが普及を阻害していた。 新たに開発した1.5ギガパスカル材では,従来の1ギガパスカル材の2倍の素材耐力を付与して,20%以上の自動車部品の軽量化が可能となった。さらに,優れた曲げ加工性,耐水素脆化特性を具備させたことで冷間成形での部品製造も可能となった。これにより,素材製造から輸送,プレス加工,自動車走行に至る各工程において省エネを実現した。
名糖産業 八王子工場のメタノール蒸留塔において,産業用ヒートポンプを用いた廃熱活用システムを構築することで,エネルギー使用量(一次エネルギー換算)を60%削減するという画期的な省エネルギーを実現することができた。本導入事例は,省エネ大賞「経済産業大臣賞」を受賞した。蒸留塔の省エネは大きな課題であるが,本事例は課題解決の一つの切り口になり得ると考える。
トップランナーモータ制度適用除外機種である高圧モータ及び防爆モータの高効率化を従来の手法(銅損,鉄損,機械損削減)のみでなく,漂遊負荷損に着目し開発,実現。モータの高効率化に併せモータの使用材料低減も行い地球温暖化防止の促進に繋げ,省エネ製品の普及促進が期待できる。
当社は2016年11月より,日本で初めて燃料電池フォークリフト(以降FC フォークリフト)の販売を開始した。水素を燃料として稼動し,稼働中のCO2排出ゼロを実現している。水素と空気で発電するFCスタックを構成するFCセルは,トヨタ自動車株式会社 FCV「MIRAI」と同一セルを活用,発電システムはフォークリフトに適する専用設計を行った。また,外部給電機能(AC100V)を標準で装備し,災害時等における非常用電源としても活用でき,移動可能な発電機としての役割も期待されている。
教職協働によるエネルギーマネジメントの下で,包括的・継続的な省エネルギー対策を実践。 建物建設に対してインハウス・ビルコミッショングを標準化し,学内建築ストックの省エネ性能を確保。大規模熱源システムから実験装置まで,学内エネルギー消費機器の多様な財源による省エネ化。
省エネ出力デバイスの開発,出力環境の最適化,業務プロセスの最適化に加え,過去に省エネ大賞を受賞したトップレベルの省エネ性能を有する出力デバイス本体とその消耗品の再活用による原材料調達時のエネルギー低減,これらの相乗効果よりオフィスのエコ効果を最大化させるビジネスモデルである。
LED照明は優れた省エネルギー性能と寿命性能が受け入れられ,施設や住宅,屋外向けなど,一般照明のほぼすべての分野で使用されるようになった。しかし,LED照明製品の開発は,小形化と高出力化の面で高い技術が求められることから,その分野での製品ラインアップが遅れていた。これらを解決し,LED照明製品をさらに普及させるよう,白熱電球と同等の小形形状および調光性能を電源回路技術により実現するLED電球,また,効率の良い高出力な照明をLED光源の特長を活かした光学制御技術により実現するLED投光器を開発した。
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