2021年度日本エネルギー学会「論文賞」

日本エネルギー学会100周年記念　懸賞論文（一般）募集のご案内

日本エネルギー学会100周年記念　懸賞論文（学生）募集のご案内

関西支部「第66回研究発表会」参加募集

「エネルギー学」部会 エネルギー教育分科会セミナー「将来エネルギー技術の導入における地域の視点」

第17回バイオマス科学会　オンライン開催案内

第９回アジアバイオマス科学会議（オンライン）開催案内

日本エネルギー学会誌論文特集「新エネルギー」「天然ガス」「バイオマス」「ガス化」論文募集のご案内

20世紀初頭に実用化されたアンモニア合成技術は，食料増産や戦争への関与を通して人類の生と死に大きな影響を与えてきた。今日，アンモニアは，使用時の二酸化炭素排出がゼロであることから，エネルギーキャリアとして脚光を浴び，再び世界を変えようとしている。本稿では，これまでのアンモニア技術の発展と，脱炭素における展望と課題を論じる。

低炭素燃料としてのアンモニアの利用拡大のためには，製造側では製造過程でのCO₂排出量の低減，大規模化への対応が必要となる。ここでは，主に既に大規模製造が可能な化石燃料由来でCO₂排出を低減したブルーアンモニア製造プロセスと，その大型化について紹介する。

近年，アンモニアは肥料原料としてだけでなくCO₂を排出しない燃料としても注目されている。アンモニア合成過程におけるCO₂排出量の削減に向けて，従来のハーバー・ボッシュ法よりも低温・低圧条件でアンモニア合成が可能な触媒の開発が必要となっている。本稿では，低温・低圧アンモニア合成のための不均一系触媒の研究開発動向について解説する。

新たな水素エネルギーキャリアとして，アンモニアが注目されている。アンモニアは従来，農業用の肥料や化学繊維の材料として広く活用されてきた。本報では，アンモニアを火力発電の燃料として安全に利用するための技術開発の動向を紹介する。

地球規模の課題である二酸化炭素排出削減の有望な解決策の一つに，燃焼させても二酸化炭素を排出しない水素の活用がある。アンモニアは，水素のエネルギーキャリアとしての利用以外に，最近の研究開発により直接燃焼させることが可能となり大いに注目されている。本稿では，アンモニア燃焼を工業炉に適用した場合の主要な三課題である，燃焼の不安定性，多量の窒素酸化物排出，ふく射強度の低下に関する問題を解決した研究内容ついて概説する。

水素貯蔵材料アンモニアボランは米国などで車載用水素源として研究されてきたが，分散型電源の水素源としても大きな可能性がある。本稿ではアンモニアボランの基礎知識と課題，および沖縄県事業とNEDO事業等での本グループの取り組みを紹介する。

2050年までにカーボンニュートラル・脱炭素社会を目指すことが宣言され，水素が果たすべき重要性が高まっている。三菱化工機株式会社が水素の利用拡大に資する新製品として，株式会社神戸工業試験場，那須電機鉄工株式会社他と共同で実施した，水素吸蔵合金を用いた 1 Nm³/h級高圧水素圧縮機の開発・実証について紹介する。

再生可能エネルギーの貯蔵・輸送媒体（エネルギーキャリア）としてアンモニアに注目が集まっている。しかしながら，再生可能エネルギーの偏在性に対応するためには，小型分散型のアンモニア合成が必要とされる。本稿では，リチウム合金を用いたアンモニア合成技術について紹介する。

われわれはTiFe系合金を水素貯蔵に用いた建物付帯型エネルギーシステムの技術開発を行っている。本システムは，再エネ電力には太陽光発電，水素製造には水電解，水素貯蔵には水素吸蔵合金タンク，水素利用には燃料電池，短期的な電力貯蔵には蓄電池を採用している。 本稿では，われわれが取り組んだ合金タンクが冷却され燃料電池の運転圧力を下回った場合のコールドスタート運転と，高圧水素ガスの合金タンクへの急速充填試験の概要を紹介する。

分子量は重質油の基本的な物性であるが，低分子量領域に適した測定法はあまり用いられていない。そこで，低分子量領域で有効と思われる方法を２つ紹介する。蒸留ガスクロマトグラフィーは沸点700℃以下で校正用標準物質のある試料，凝固点降下法は分子凝集を起こさない試料に対して使用できる。本稿ではその使用条件および方法について解説する。