日本数学教育学会誌
Online ISSN : 2434-8619
Print ISSN : 0021-471X
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104 巻, 11 号
数学教育 76-6
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巻頭言
論説
  • 中等教育段階における生徒の標本データに基づく統計的推論の学年横断的な調査研究
    変動性に着目して
    塩澤 友樹
    原稿種別: 論説
    2022 年 104 巻 11 号 p. 2-12
    発行日: 2022/11/01
    公開日: 2024/03/31
    DOIhttps://doi.org/10.32296/jjsme.104.11_2
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    　本研究では，変動性に着目して，日本の中等教育段階における生徒の標本データに基づく統計的推論の学年横断的な実態について明らかにすることを目的とする．この目的を達成するために，調査問題を開発し，中1から高2までの生徒3451名を対象に調査を実施した．そして，その通過率をカイ二乗検定及び多重比較を用いて分析した．その結果，生徒の学年横断的な実態について，1)調査におけるバイアスを考慮し推論できる生徒の割合は中1でも70％以上であり，生徒は無作為抽出に比べ，層別抽出を選択する傾向があること，2)度数分布課題と標本分布課題により，生徒の通過率に大きな違いはないこと，3)標本の大きさの影響を理解し推論することに課題があり，標本調査の学習後の高校段階でも変動性を考慮して推論できない生徒が一定数いること，の3つの実態が明らかになった．

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